第9章
宮下さんが後ろへ回るのを待ち、ゆっくりと中谷の前方から彼らに向かっていった。
「中谷 気はすんだか??」
足音に気が付き 一瞬 隙の出来た中谷。
社長はそれを見逃さなかった。
中谷の腕を思いっきり払いのけ逃げた。
「ちっ・・・」
中谷は舌打ちをし真っ直ぐに俺を睨んだ。
「なんで邪魔をする。」
俺はその言葉を無視し中谷に近づいた。
「あいつらは死んで当然の奴らだ。邪魔をするな。」
それでも俺はジリジリと近づいた。
「これ以上来るな。関係のないやつは 殺したくない。」
俺が近づくにつれ中谷は一歩ずつ後退する。
「関係ないやつか・・・中谷いいことを教えてやるよ。
お前が一番最初に殺した川上まゆみ彼女はこの事件・・・いや10年前と今回の被害者だ。そうでしょう??坂上社長??」
そういい社長の方へ体ごと向けた。
坂上社長は宮下さんに逃げないように拘束されていた。
社長は黙りこみうつむいたままだった。
「あなたが勝手に当時秘書だった。川上さんに熱をあげていたんですよね?そして全然なびかない彼女の愛人説を江口と一緒になり流した。」
俺の言葉に中谷の顔から血の気が引くのがわかった。
「・・・本当なのか?坂上答えろ・・・」
中谷は叫びたい声を抑えながら言った。
社長は声にはださなかったが首を縦に振った。
「!!!!!」
なにが起きたのかわからなかった。
中谷が社長に向かってナイフを振り下ろし俺が間に入ったところまでは覚えている。
しかし俺の首に誰かが抱きついてきて視界がふさがれた。
そして次に視界が復活したとき目の前に倒れこんだ姿が・・・
なにもかもスローモーションだった。
いそいで目の前に倒れた人を抱きかかえた。
背中にぬるっとした感触がわかった・・・
「なかたにぃ゛~!!」
目の前で宮下さんに押さえつけられている中谷の手には血がべっとりとついたナイフが・・・
俺は我を忘れ殴りかかった。
「・・さわさんだめ・・・私は 大丈夫だから・・・」
どこにそんな力があったのだろう・・・
背中を刺されたかすみが体を使い俺を食い止めていた。
「ばかっ!!動くな。」
俺はすぐに再度かすみを抱きかかえた
「・・大沢さんはけが・・・ない・・??」
消えそうな声で聞いてくる
「大丈夫だ。人の心配をする前に自分の心配をしろ・・・」
頬を伝い涙が流れているのがわかった。
しかしそんなこと 今はどうでもいい。
「よかった・・。泣かないで・・・中谷・・ちゃんと・・・・捕まえた??」
俺の頬にかんばって手を持ってきた。
俺は首を縦に振るしかできなかった・・・
「たのむもうしゃべらないでくれ。もうす 救急車が来るから」
遠くで パトカーや救急車のサイレンが聞こえてきた。
「・・・ちょっと眠らせて。」
そういうとかすみの意識は途絶えた。




