放題:お祭りで大人げなく豪遊しまくる件について
ゴキブリの触覚を売るとダンジョンのポイントが17620ポイントになった。
昨日、二人を倒したから所持ポイントはかなり多くなっている。ちなみにレアガチャは15000ポイントである。さあ、カーニバルの開催だ!
「というわけで、今日はオウレンに引いてもらおうと思う」
「分かりました。何をすればいいのですか?」
「簡単に言うとくじ引きだ」
「えっ、くじびき? おにいちゃんどうしたの?」
きょとんとしているミーヌ。そういえばコイツも分かってなかったか。ホミカが得意げに説明する。
「簡単に言えば、ダンジョン経営の社長さんからダンジョンマスターさんへのプレゼントですね☆」
その言い方を借りれば、俺はフランチャイズ店のオーナーということになるだろうか。そう考えると、魔界は思ったよりも経済をしているな。奥深い設定である。
「ガチャでのプレゼントはマスターさんのお料理召喚みたいな極意や、スキルがゲットできちゃうのです☆ あとは、ダンジョンを改造するための権利もですね」
「だから小屋なんだ。ダンジョンを改造する権利が無いから」
ミーヌが納得した。
階層の権利があれば城砦ができるだろう。そろそろ小屋がラストダンジョンですというのは止めにしたい。まあ、お金にモノを言わせれば出来なくもないだろうが、チートガチャから出た城砦というのも確かめてみたくはある。
これからまわすのは、レア以上確定のガチャ。いいものが出るはずだ。
ガチャりとレバーをまわすオウレン。出てきたのは…………シルバーカード!
レア:マットレスの権利
ポイントに応じて、マットレスを練成します。
うおおぉぉ! どうせならベッドにしてくれ! なんでウチはベッドがひとつしかないんだよ! そろそろひとつのベッドで4人+1匹で寝るのは、せまいんだよ! 密着しすぎるんだよ!
「旦那さま、いかがでしょうか?」
「あー。銀色だから、ご主人さまは残念がっているかも?」
「銀色は駄目ですか。申しわけありません」
「いや、いいんだ。悪いものじゃないから。ただ、予想してたのと違って驚いただけだから」
メニューを開いてマットレスを見る。なに、低反発ウレタンマットレス(凹凸加工)が200ポイントだと?
ポチッと注文するとポンと目の前に降ってきた。どうでもいいけど、なんでダンボールに入れるんだろう。
プニ太郎を呼んで大きなダンボールを食べてもらいながら、マットレスを取り出してベッドの上に乗せる。
「これは寝心地が良くなるアイテムだ。オウレン、引いたお前がさわってみろ」
「では、失礼して……えっ? あれ……?」
「イチイもー! おっ……おぉぉぉ!」
「ベッドの下に敷くクッションですか。妖精願望的には甘い物が良かったのに残念なのです。ん? おや……ややややっ!?」
「えーと、おにいちゃん。さわってもいい?」
「いいぞ。初めて触ったら、ビックリするかもしれない」
「そうなんだ……。おぉ……!」
みんなさまざまな反応をして驚くが、特にホミカがスゴイ顔してる。
(゜Д゜;)
その顔でこっち見んなよ。こえーよ。
イチイはパフリと上半身を預けてみて、その不思議な触感に興奮して足をバタバタさせている。オウレンはイチイにすすめられて座ってみて感触を楽しんでいるようだ。
ミーヌはぐにゅって触って、おぉ、と驚いて、ぐにゅって触って、おぉ、とまた驚いてを繰り返している。それは楽しいのか?
「ご主人さま、これって魔王さまのベッドなの?」
「違うんじゃねーのか」
「これは魔界には無い物なのですよ。魔王さまのベッドよりも高品質かもしれないのです。ハイパーぜーたく品です。きっと、マスターさんの記憶や経験から練成されたものなのですよ」
「わたしが出したのは銀のカードでしたよね。金はもっとすごいのでしょうか?」
この世界においての一般的な価値観で決められているようなので、金だからすごいと判断するには早合点のようだな。もしも俺が地球の知識が無かったら、ホミカの言うとおりにただのクッション素材だったわけで、本来はその価値で銀になっているのだろう。
「おにいちゃんが物知りだから、銀色でも高価になるんだ。すごい……!」
よせやい。照れるじゃないか。もっと言ってくれ。
ランダムガチャを引けるくらいポイントが残っているので、今度はミーヌに引かせてみる。
「よしっ。えいっ!」
10回+1回サービス分だ。さあ、来い!
ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、ブロンズカード、シルバーカード! ブロンズカード。
ノーマル
コントローラー
ボタンがたくさんあるゲームのコントローラー。「Aボタン」「Bボタン」「Cボタン」がある。「C」って、いつ使うんだろう……?
ノーマル
死ぬ死ぬ鷺
死ぬ前に大トロが食べたいとか、トリュフが食いたいとか言って、瀕死のフリをして人の善意を利用して生きている鳥。
ノーマル
超クサイニンニク
すごく臭い。当たったら、すぐにアイテムボックスにしまおう。
ノーマル
エゴバック
『俺が偉い!』と描いてあるエゴを前面主張してるバッグ。エコバックとして使おう。
ノーマル
200MBのUSBメモリ
『株式会社・紀野商事』と書いてある。企業宣伝用のUSBのようだ。
ノーマル
壊滅するニンニク
やつらは全てを破壊しつくす。
ノーマル
赤い粘土
何かに使えそうな粘土。想像力が刺激される気がする。
ノーマル
勇者のモモヒキ
あの勇者が履いた伝説のモモヒキだ! キミも履いて勇者気分を味わおう!
ノーマル
強いられているスコップ
なんとなく掘りたくなるスコップ。そろそろネタが尽きそうなのに、概要説明を強いられているんだ。
レア
ころころクリーナーの権利
5Pを支払うと、あの伝説の掃除用具が届きます。芯とテープの両方を取り扱っています。
ノーマル
放火する練習用の家 (ミニチュア)
これで練習すればキミも立派な放火マスター! これから毎日、お家を焼こうぜ☆ 自宅でキャンプファイヤーをする予行演習にも使えるかも?
ころころクリーナーだと!? 俺は即座にポチッとすると、すぐに届いた。
「おにいちゃん。これは、なに?」
「これは、掃除する道具だな。こやって、ころころと……」
みんなで床にしゃがんでコロコロして埃をとっていく。
わぁ、すごい。そして、ぺりぺりとはがせば、なんということでしょう。何度でも使えるではありませんか。
「地味なのです。でも、なんとなく楽しいですね☆」
「ちゃんと使えるものみたい。ほっとした……」
「ねーねーっ! 次、イチイがやってもいい?」
「面白いアイテムですね。遊びながら掃除できるのは画期的です!」
ノックの音が飛び込んできた。
「失礼する。ダンジョンマスターはいるか?」
入ってきたのは昨日の聖騎士だった。
「あっ」
ミーヌがささっと俺の半歩ほど後ろに隠れて、遠慮がちに俺の小指の先をきゅっと握ってきた。面識が薄い相手だからか、人見知りをしているようだ。
「話し合いをしにきた。警戒は解いてほしい」
「分かった。じゃあ、そこの椅子に座ってくれ」
「それではお茶をお持ちいたしますね。長くなりそうですので」
「オウレン、助かる。おまえらも座って話を聞けよ」
さて、どのような展開になっただろうか。
◇◇◇
聖騎士とテーブルを挟んで向かい合う。聖騎士の人もころころしている。
「いいな、これ」
「やらねーぞ」
ころころをやりに来たわけではないだろうと、ここに来た用件を言うように促す。
「簡潔に言おう。僕が間違っていた。本当に申し訳ないと思っている」
「そうか。ということは……」
聖騎士がミーヌに目をやる。
「全てが明らかになった結果、キミの母親は指名手配されることになったよ」
「……はい。分かりました」
ミーヌは苦く噛みしめるようにうなずいた。当事者だからこそ、激情しても仕方ない場面のはずだが、聖騎士の話を真摯に受け止めている。イチイ達に比べれば意見を言わない方なので分かりにくかったが、実は芯の強いタイプなのかもしれない。
「今朝、盗賊たちへの粛清の通達も来た。これらの報告が遅れたのは、僕がそれに出撃していたのが原因だ。盗賊の件はギルドも全面協力してくれて、盗賊は全て討伐されている」
「母親の方は大丈夫なのか? 復讐だとか叫んで、ダンジョンに来られたらたまったものではないぞ」
「彼女の母親もギルドで手配されている。目撃情報も届いていて、潜伏先も割れている。捕まるのも時間の問題だろう。スムーズに行けば、今日の陽の出ている間にでも捕まるはずだ」
「なるほどな。全てが一件落着ということか」
「ああ、全国規模のギルドと教会を敵に回したのだ。相応の報いを受けてもらう。ついては、その件の話もある」
聖騎士がミーヌへ目を向ける。
「君の母親は逮捕されるだろう。便宜を図れば会うことも可能だ。どうする?」
ミーヌは目をつぶり、黙り考える。そして、気丈に答えた
「……わたしの生きる場所はここと決めました。もう会わなくても大丈夫です」
「分かった。事実関係がはっきりしている以上は、君への調べもない。この事件は、これで終了させてもらおう」
満足げに聖騎士はそう言葉を結んだ。
こっちの司法は現場主義だから楽でいいな。今のミーヌの場合は放っておいてほしいだろうから助かる。これが日本なら冤罪にならないようにと事実関係の調査だとかをとことんするから長くなる。
「お前が来たのは、それの確認か?」
「実は、個人的にだが本題はこれから話す事だ。これは僕からの侘びという名の提案なのだが、ぜひ明日の豊穣祭に来て欲しい」
なるほど豊作祈願のお祭りか。もうそんな季節になったか。
「お祭りってなーに?」
お祭りの存在自体を知らないイチイ。ほら、ミーヌ説明してやりなさい。おまえの町の祭りだろ。
「お留守番だったから。行ったことがなくて、ごめんなさい」
「マジかよ。オウレンは?」
「聖女はお祭りのときは教会でお祈りをしていましたから、実際に出歩いたことはないんですよね」
「おっと、ホミカに聞いてもダメダメなのですよ。人間の世界なんて眼中の外の生まれですから☆」
誰も知らねーのかよ。仕方なく聖騎士に聞いていく。とにかく騒ぐのがここのお祭りの特徴らしい。
愉快に活気付いているところがあったなら、どうしたのだろうかとよく目が行くものである。だから豊穣に不可欠である太陽のめぐみ、もとい太陽の視線を集めるために騒ぎまくるというのがこの祭りの礼儀らしい。だから夜じゃなくて太陽が出ている昼が一番盛り上がるとのこと。
「そしてこれがギルドからだ。祭りの日のみ、サース町支部のギルドのダンジョン探索停止の証明書だ」
「これって本物か? どうしてギルドが出てくるんだよ」
「僕と一緒にいた2人の冒険者を派遣したギルドは、結果的にあの母親と盗賊達の悪事をに加担した扱いだからね。小さい町だから、ギルド長と町長を兼任しているから融通が利くのさ。こうでもしないと、君たちに対しての町の体裁が悪いんだよ」
証明書には『町以外の場所で暴れたなら太陽の視線を集めるお祭りの名目を潰してしまうため』という理由でダンジョン探索停止となっている。なるほど、外見的には他のギルドにも示しがつく理由だろう。
ここまで用意されているなら断りにくいな。これなら少しだけダンジョンを空けてもいいのかもしれない。
「マスターさん本当に行くつもりですか? 実は祭りが罠で死ぬとか、ハイパーあっけない最後だったら、ホミカはお腹を抱えて笑い死ななくちゃいけなくなりますよ?」
「真面目を極めてチート覚醒していた奴の言葉だから大丈夫だろ」
「信じてもらえて助かった。町長としてはキミたちのことを悪くは思っていないだろう。本人の口からは言い出せないだろうが、ダンジョンに挑戦するために冒険者が町にやってきて経済が潤うため、利害関係は一致しているはずだ」
聖騎士の言葉にオウレンが付け足す。
「恩を売っておけば、ダンジョンが町を侵略はしないだろうという意図もあると思いますよ。前回の戦闘は、町を侵略してもいい建前をもらったようなものです。ここは飲まなければ町としては気が気でないでしょうね」
「なるほどなのです♪ 仲良くしましょう、羽を伸ばして欲しい。素直にそう言えばいいんですけれどもね☆」
「行くことは決定だな。しかし、さすがに1人もダンジョンに居ないのはマズい。誰が行くかを決めるぞ」
話し合いの結果、オウレンとホミカが行かないことになった。特にホミカは人間界にはいないはずの妖精である。隠しようが無いからな。ホミカはダダをこねたので、冷凍大判焼き(クリーム)6個で手を打った。
◇◇◇
翌日になった。
活気にあふれる街人のざわめき。それを歓迎するかのように屋台が立ち並び祭りは盛り上がっていた。飲食の出店が多いようで、内容は地球の祭りと変わらないようだ。
楽しげな雰囲気に釣られて、歩いているだけで気分がワクワクと高まってくる。祭りに来たのだなと実感できて楽しくなってきた。
屋台から流れるかぐわしい香りが意識を強引に引っぱってくる。愉快な空気を味わいながら、食べて楽しむのも祭りの王道だろう。
「おにいちゃん。たくさんお店があるね。ありすぎて迷うかも」
「はっはっは、迷うなんてしなくていいぞ。迷った店を全部買ってやろうぜ。金貨3枚 (3万円相当)も持ってきたからめっちゃ豪遊できるだろ!」
硬貨の権利でお金のチートを体感中だ。ヤベェ、祭りで予算を気にしなくていいなんて嬉しすぎる。せっかくの祭りなのだから、満喫していこう。
昼飯もかねているので、ジャンジャン買ってやれとイチイとミーヌを促す。ミーヌは遠慮がちにスティックラスクをかりかりとかじりながら出店を眺めていく。
「ご主人さま、これ買って!」
「ほう、ミュージックサンドだと? よし、買った!」
ひとくちサイズのパンケーキサンド。表面には楽器が描いてあるユニークな食べ物だ。
「これ、甘くておいしー! クリームが入ってる!」
「うまい……! 俺のはベリージャムだ。楽器ごとに味が違うのか」
ウマイ屋台。俺の知らない祭りの新鮮な高揚感。ヤバイ。ここの祭り、面白れぇ!
「じゃあ、次はこっちを食べる! おぉぉおおっ、くだもの味のクリームだ! 甘酸っぱくておいしー!」
「おにいちゃん。あれ、いいかな?」
「よしきた! いいぞ! 楽しくなってきたな。どれを買うんだ?」
プリズムモフリスの屋台だった。買ってみる。小さくて愛らしく、色とりどりのモフモフした綿玉が大きなカップの中に入っていた。
ミーヌはその美しさにきらきらした目で綿玉を手に取った。ぱくりと食べる。
「雲が口の中で溶けていくような感じ。甘くておいしい。色ごとに味が違うのかな?」
俺も茶色の綿玉を食べてみる。みたらし団子みたいな甘しょっぱい感じだ!
久しぶりにこの味に会えたぜ! 超おもしれぇ!
「あいつらにお土産で持っていこう。おっちゃん、あと1個もらおう!」
「ご主人さま、これすごいよ! トマトとひき肉が入ってるよ!」
イチイが隣の屋台で俺たちの分を買ってきていた。包装にロトパイと書いてある。
揚げたサクサクのパイが、旨そうなゆげをのぼらせていた。ジャンクフードは素晴らしいな。豪快に食欲を刺激して、心のままにかぶりつくのがたまらない。
イチイが持ってきたロトパイに俺とミーヌがかぶりつく。
俺のはひき肉とポテト、マッシュルームが入っていた。肉とポテトの組み合わせは殺人的な美味しさがある。そこにマッシュルームの上品な歯ごたえが見事にマッチしている。マッシュルームが肉の旨みを吸っていて、かぶりつたびに口の中でジューシーに広がる旨みは絶品だ。
「あれ? わたしのはグラタンが入ってる?」
「くじ引きのパイなんだな。ひとくち交換しようぜ」
「うん。いいよ」
ミーヌのグラタン味を食べてみる。ホワイトソースの優しい甘さと、きのこの触感がマッチしている。それだけでも美味しいのに、パイのサクサクした歯ごたえと合わさってたまらない旨さになっている。油断しているとトロリとパイからこぼれそうになって、ミーヌがちろりと舌をはわせた。
イチイはすでに食い終わってたから交換できなかった。ぶーぶーと言っている。
「ご主人さま、ひどいよっ! そんな食べ方があったなんて!」
「やかましい。先に食い終わったおまえが悪いんだよ」
口げんかしていると、ミーヌがくすりと笑う。
「おにいちゃん。イチイと仲がいいよね」
「ハァ? コイツと俺の関係は、農家のおっちゃんと、畑を荒らすイノシシくらいの仲の良さだぞ」
たらこバターのパスタを食いやがった恨みは絶対に忘れない。あとナポリタンも。
「なんでも話せること。すごく幸せな関係だと思うよ」
「なんでも許したつもりはねーつもりだけどな」
「ううん。どんなことを言われても、心の底では愛されているんだって分かっているから。大好きだからこそ甘えるように言えているのかもしれないよ」
ミーヌの言葉にイチイは顔を赤くしてそっぽを向いた。
「ごごっ、ご主人さま! あれやっていい?」
「なんだ、おまえから許可を取りにくるなんて。どうしたんだ?」
「いいよね? お願い!?」
「別にいいが、何をやりたいんだよ」
イチイが俺の腕を掴んでぐいぐいと引っぱる。子供特有のすべすべでちっちゃい手に導かれた先にあったのは輪投げの店だった。
「なるほど、俺もやるぞ! おっちゃん、ミーヌも入れて3人分だ!」
「おうよ、ノリがいいねえ! さあ、棒の色で得点が違うから、ちゃんと狙って投げてみな!」
どうやら棒の色の得点でもらえる景品が決まるらしい。赤が高い点数のようだ。
地球でもあった遊びだからそれなりにできるはずだ。
「よっと。それっ! もういっちょっ! そらさっ。そぉーいっ!」
「赤に2つ。青に2つ。黄色に1つ。残念だったねえ、商品はコレだよ」
NEW!
――にぼし を手に入れた――
いや、にぼし はねーよ! しょんぼりしながらぽりぽりとかじる。
次はミーヌの番だ。
「えいっ! やっ! あれっ? よしっ! もうちょっとっ!」
「赤に3つ。青に1つ。黄色に1つ。お嬢ちゃんにはコレだな」
NEW!
――ミニマムリボン を手に入れた――
アクセサリ:ミニマムリボン
フェアリー専用の装備。魔法ダメージを少しだけ軽減する。毒を無効化。かわいいストライプのリボン。
「ホミカの土産になって良かったな」
「うん! あとでつけてあげるんだ」
ホミカは口は悪いが、好意の気持ちに対しては素直に受け止めている一面がある。きっと喜ぶだろう。
「ふっふーん! 次はイチイだよ! それっ! えいっ! ややっと! よいしょっ! これで最後だっ!」
「おお! 全部が赤に入ったぞ! ワンコ族のお嬢ちゃんには、こっちだな!」
――ブリキの勲章を手に入れた――
アクセサリ:ブリキの勲章
打撃攻撃、打撃防御が1.3倍に上昇する。きらりと光る星の形の勲章。
「イチイ、おまえスゴイな!」
「イチイちゃん。とても上手だったよ」
「まーねっ。ご主人さま、撫でてもいいんだよっ!」
よしよしと撫でてやると、にこにこ心底から嬉しそうに喜んだ。イチイはこんな風に無防備な笑顔を見せるときがある。女嫌いじゃなかったら、コロリといくような屈託のない笑顔だ。
まあ、俺には毒だがな!
「あのねっ! イチイたち、ワンコ族は、森に住んでいるから慣れているんだ。ふたまたに別れている枝を高い木に引っ掛ける遊びをしていたから得意なんだよ」
イチイが星型のブリキの勲章を付けて胸をそらしてエッヘンとする。こういうとき、子供っぽいよなと思った。




