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年下男子はお断りです!  作者: 篠宮かおる
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18.グレンとマティスの過ごす夜①

学園に入学してから、ノアの様子がおかしい気がする。


婚約者であるノアとは、もう8年のつきあいがある。彼女は、婚約が嫌だと言葉に出すことはないが、僕のためにと理由をつけて僕との婚約を解消させたがっているし、それほど僕に興味がないはずだった。なぜなら僕よりは、王宮で執事長を務めるマルベスの方にばっかり目が向いているからである。


そんな彼女が…


「さあ、王子お昼を食べにいきましょう。」

「私は王子と話があるの。貴方達どいてくれるかしら。」


などと積極的に僕に関わってきている。

一体どうしたのだろうか。まさか、嫉妬?

僕のことを本当に好きになってくれたのか。


「ねぇ、ノア。」


「なんですか王子。」


「僕と婚約破棄」


「そう、ですか。王子がそう望むのであれば私からはなにもいいません。」


「したいって言わなくなったけど、気持ちは変わったのかと聞こうとしたんですが。」


「あら、私ったら早とちりをしていましたわ。申し訳ございません。王子との婚約を破棄したいだなんて思うはずがありませんし、今までだって言ってませんわよ。」


やっぱり、僕のことが好きという訳ではなさそうだ。

うーん、ならどういう思惑があるのか。


※※※



「何をそんなに悩んでるんだ?グレン様。」


「マティス。実は…」


ことの成り行きを、昔からの友人であるマティスに話す。


「うむうむ」とうなづいた後、「そうだな」と続ける。


「ノア嬢はやはりグレン様のことを好いているが、それを表に出すのが恥ずかしいだけではないのか。」


「でも婚約破棄を強調してくるんだよ?」


「売り言葉に買い言葉で言ってしまうのではないだろうか。ノア嬢とはそこまで話したことないが、彼女はツンデレキャラだと俺は思う。」


「ツ、ツンデレキャラ?」


聞き慣れない言葉だった。?の表情をしているであろう僕にマティスは説明してくれる。


「ツンデレというのはいつもはツンツンとぶっきらぼうな態度をとっているが、何かのきっかけでデレデレと好意的な態度をとることを言うのだそうだ。」


「へぇー、よく知ってるね。初めて聞いたよ。」


「最近市井の間で流行している小説の主人公がその、ツンデレキャラなんだ。グレン様もぜひ読んでみてくれ。続きが気になって仕方なくなるぞ!」


「そ、そう。」


マティスは昔からこういうやつだったことを振り返る。1度何かにハマると、それ一直線になってしまうものだから、ついていけないところがある。


「つまりだ、婚約破棄をしたいと言葉でいっているのは、グレン様にもっと自分のことを考えて、気にして欲しいからではないだろうか。」


「そうだろうか。」


もっと気にかけて欲しい。あのノアが本当にそう思っているのだろうか。


「現に他のご令嬢がグレン様に集まってきたら、割って入るのだろう?しかも高圧的な態度で。」


「高圧的、ではない気が。」


「それこそ独占欲の表れではないか!つまりグレン様を慕っているということ。そうでないと、この現象の説明がつかない!」


「お、落ち着いてマティス。」


「グレン様は、ノア嬢のことを思っているのか?」


「…なにいきなり。」


「グレン様が望むのであれば、このマティス、グレン様のお役に立てるよう」


「うん、なにもしなくていいから。」


「ん?そうか、分かった。だが、何かあればいつでも言ってくれ。」


「ありがとうマティス、信頼しているよ。」


何とかマティスの暴走は治まった。マティスに動かれたら、きっとろくなことにはならないだろうから。


しかしツンデレか。本当にノアがそうなのだろうか。


「マティス、その小説を僕に読ませて。」


「おおぅ!グレン様も興味を持ってくれたか!今、発行されているもの全てを持ってくるから楽しみにしてくれ!」


「あ、ありがとう。」


その日の夜、マティスが3冊の本を持って、部屋に訪れた。さぁさぁと急かされ、開いた本をなぜかマティスも背後から見てきて、「実はこの後になんと」と説明もしてくるものだから、なかなか集中もできない。


更新日変更あるかもしれんませんが、よろしくお願いします( ˊᵕˋ ;)

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