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『ドワーフのおとちゃんに拾われた転生児、魔力解析チートで成り上がります』  作者: 草野いずみ


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3/11

第3話 服がねぇ!そして、エルフの先生へ




翌朝。


おとちゃん(親方)がぼくを抱えてギルドに現れた瞬間、


女ドワーフたちが怪しい目つきで近寄ってきた。




「はい親方。まず……その子の服どうすんの?」




親方は胸を張った。




「作るに決まってんだろ!


ほら見ろ、昨日のうちに縫ったんだ!」




自信満々で取り出した服を見たとたん、


ギルド全員が沈黙した。




女ドワーフA:


「……親方?」




女ドワーフB:


「……これ……ドワーフの“乳児用”サイズだよね」




親方:


「あったり前だろ。うちのギルドの標準サイズ——」




「「ぶかぶかすぎんだろ!!!」」


ギルド総ツッコミ。




ぼく(内心):


——袖の中で迷子になりそうだわこれ。




親方はしょんぼり肩を落とした。




「だって……人間の子供のサイズなんざ知らねぇよ……」




女ドワーフAはため息をついた。




「しょうがないね……


人間の赤ん坊の服なんて、普段作らないし」




女ドワーフB:


「作れる種族なんて限られてるよ。


器用で、細かい裁縫が得意で……」




女ドワーフたちの視線が、


ひとつの方向に集中した。




親方:


「…………まさか」




女ドワーフ全員:


「エルフ!!」




親方:


「嫌だ!!!!!!」




ギルド全員爆笑。




女ドワーフC:


「親方、服が必要なんだから仕方ないでしょ!


エルフの仕立て屋は腕がいいのよ!」




女ドワーフA:


「ほら、“フローリア先生”に相談しな。


あのエルフ、あんたの昔馴染みでしょ?」




親方は耳まで赤くして顔をしかめた。




「昔馴染みっていうか……


技術論で喧嘩ばっかしてた仲っていうか……」




ギルド長がパンと手を叩く。




「決まりだな。親方、お前が行け」




「おい待て!! 心の準備を……!」




女ドワーフA:


「親方が連れて行けば安心でしょ。


おとちゃんなんだから」




親方:


「“おとちゃん”って呼ぶな!!!」




レン(内心):


——でも事実なんだよなぁ。




こうして、


ぼくと親方はエルフの研究塔へ向かった。







エルフの塔は静かで、冷たい空気が漂っていた。


木々の間から光が降り注ぎ、


空気そのものが澄んでいるように感じる。




親方は緊張でゴツい肩をすくめている。




「……いいかレン。エルフは繊細なんだ。


怒らせるとややこしいからな……」




——210歳ドワーフが何ビビってんだ。




塔の扉が音もなく開いた。




そこに立っていたのは——




白銀の長い髪。


氷のように澄んだ瞳。


清潔な白いローブ。


そして、静かな空気をまとった美しいエルフ。




フローリア・ミルエル。


年齢680歳。


エルフ社会では“まだ若手の才媛”。




フローリアはぼくらに目を向けると、


わずかに眉を動かした。




「……バルカン。珍しいわね。


何年ぶりかしら」




親方は妙に姿勢を正した。




「……すまんフローリア。


人間の赤ん坊の服が必要でな。


仕立てを頼めねぇか?」




フローリアは静かにぼくへ視線を落とす。




その瞬間。


ぼくの体の奥で、魔力がゆらりと揺れた。




フローリアの瞳が細くなる。




「…………この子。


魔力の“流れ”を……見ている?」




親方:


「はあ!? 三ヶ月だぞ!?


そんなわけあるか!!」




ぼく(内心):


——いや、見えちゃってるんだよなぁこれが。




フローリアはゆっくりとぼくを抱き上げた。


赤ん坊のぼくを扱う手が、妙に優しい。




「……面白い。


私の研究室に来なさい。


服は私が作る」




親方:


「いやお前絶対興味本位だろ!!


レンを実験に使うんじゃねぇぞ!!」




フローリアはふっと微笑した。




「安心しなさい。


……赤ん坊に害を与えるほど私は落ちぶれていないわ」




——このエルフ、絶対すごい人。




こうして、


ぼくはフローリア先生との出会いを果たした。




次に起きることを、


この時はまだ知らない。




——ぼくが、エルフの天才にとんでもなく気に入られる未来なんて。

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