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『ドワーフのおとちゃんに拾われた転生児、魔力解析チートで成り上がります』  作者: 草野いずみ


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第11話 おとちゃとフローリア、ぼくの未来でけんか



ギルドの騒ぎが落ち着いたころ、


おとちゃがぼくを抱き上げて言った。




「レン、今日はもう部屋でゆっくりしな。


 大人の話がある」




ぼく


「んー……?」




ぼく(心):


(大人の話……?


またギルドのひとに怒られるの?


おとちゃはいつも怒られがち……)




ぼくは工房の隅の机で木の超難関立体パズルをいじりながら、


おとちゃとフローリアの声を聞いていた。







フローリア


「……昨日と今日、連続で起きた現象から考えれば、


 レンは“魔力視認”の才能が常人の数十倍よ」




おとちゃ


「数十倍て。こいつ、まだ5歳だぞ?」




フローリア


「だからよ。


 魔法の高等書でも、数年のうちに読めてしまうかもしれないわ」




おとちゃ


「………………は?」




レン(複雑な立体パズルをカチカチしながら心):


(高等書ってなに……?


ぼく、たまに漢字とか間違えるよ……?)




フローリアは淡々と続ける。




「前世の記憶はほとんど失っている。


 いま見せている力は、この世界固有の才能。


 “魔力解析”と言ってもいい」




おとちゃ


「…………」




フローリア


「問題は——


 この才能が誰かの目に触れたとき、どうなるか、ね」




おとちゃ


「……ああ。


 最悪、王都が連れてくるかもしれねぇ」




ぼく(心):


(それはいやだ……


おとちゃがいないの、いやだ……)




フローリア


「だから、バルカン。


 あなたは今のうちに“覚悟”を決めておきなさい」




おとちゃ


「覚悟……?」




フローリア


「レンを隠して育てるか。


 あるいは、正しく守れる準備をするか。


 ——どちらにせよ、この子の成長速度を考えれば、時間はそれほど残されていないわ」




親方はしばらく黙り込んだ。




ギルドの火の音だけが修繕された鉄を照らしていた。




ぼく(パズルをカチカチしながら心):


(おとちゃ……?


なんかこわいはなししてる……)







しばらくして、


おとちゃが低い声で言った。




「決めた」




フローリア


「教えて」




バルカン


「俺が守る。


 レンが何者でも関係ねぇ。


 息子なら……親が守るのが当たり前だろ」




フローリアは少しだけ目を見開いた。




「……あなたが言うと説得力あるわね」




おとちゃ


「それにな。


 この才能を“隠す”のは無理だ。


 こいつの成長は止められねぇ。


 だったら——」




ぼく(心):


(だったら……?)




おとちゃ


「だったら、レンの“道具”を作る。


 こいつが安全に成長できるように、


 俺が環境を整える」




フローリア


「……鍛冶職人らしい答えね」




おとちゃ


「それしか知らねぇからな」




フローリアは優しく笑った。




「あなたが父親でよかったわ。


 ——レンは、きっと幸せになる」




ぼく


「おとちゃー?」




おとちゃ


「お、おうレン!どうした!」




ぼく


「パズル、できたー!」




フローリア


「……もう大人が頭を抱えるレベルの立体パズルを解いているわね。


 知覚と推論が連動してる」




おとちゃ


「やっぱすげぇなうちの5歳児!!」




ギルド員(遠くから)


「親方またデレてるぞーー!!」




ぼく(心):


(おとちゃ……すき……)




ぼくはパズルを抱えて笑った。




未来のことなんてまだわかんないけど、


おとちゃとフローリアの声だけは、


なんだか安心するのだった。

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