番外編そのごの1 貴公子の申し出
男女どっちにもなれるチート悪役令嬢。
お約束な感じの話…になる予定。ファンタジーとしてお読み下さい。
「ねえーアローディエンヌぅ」
「何でしょう、義兄さま」
私は義兄さまに返事を返した。
どうも、アローディエンヌです。
つい先日18になりました。
主人公ロージアからサポートを外された挙句、精神的に滅多打ちにされたサポートキャラです。
え?意味が分からないって?
私が一番今の状況を把握出来ていないんだよ。
もう半年以上経つのにねー。
ハハッ!笑うしかないですね。
まあ、取り合えずゲームは終わったんですよ。
ロージア失踪という私の知識に全くない謎エンディングによって…。
…義兄さまと落ち延びエンディングだと思ってたのに…違うのよね。
多分一番被害額が恐ろしい金額になったであろう、王城炎上エンディングから派生したやつ…だと思われる。
しかしその担い手の義兄さまは詳細を語るどころか全く口を割らない。
あの人は言いたくないが私にはとことん甘いのに…マジ何でや。
教えろ。
まあ悪役令嬢である義姉…いや、義兄に掻っ攫われて、この名も知らない田舎で暮らして暫くが経ちました。
取り合えず今は紅葉した葉っぱが窓の外に見えるね。
ハハッ、結局何処なんだろうなあ、此処は。
サッパリ分からないわ!
もう諦めてバッドエンディング後の川側の家(仮)と呼んでいるわ…。
因みに川はこの屋敷から出て徒歩5分。
義兄さまが居ない時もたまに出かけて足を浸したり、魔法を掛けたりしているが、川の流れの方が私の魔力より強く、かき回せた例が無い。
当然ね、モブは自然に負ける存在だから。
て言うかチートは自然に勝てるのかしらね?
…勝ちそうね、ウチのチート義兄さまなら…。
せめて地名を知りたいんだけど…と義兄に申し出たら、
『もし外でも室内でも迷子になったら僕を呼んでねえ?寧ろ僕以外を呼んじゃダメだよ?』
で終わらされた。
ふざけんな義兄さま!!
方向音痴以前の問題だろ。
確かに、ユールの家にいる時も外出したのは数える程だから、王都ですら迷うかもしれないけどさ。
公共交通機関の乗り方もサッパリ分からないぞ。
…マジなの?元現代日本人としてどうなの?
何というダメ人間を製造してくれたのだ、義両親め。
昼間は通いの使用人がいるけど、夜は私と義兄さまの二人だけ…。
……。
…………。
…まあ、そこはいいわ。
相変わらず令嬢としてはレベルアップは無いが、
私もロージアの一件で成長したような…。そうでないような…。
いや、私は変わった筈だ!!
「僕の純潔には興味なあい?」
「ございません有る訳ない無いですから」
「えー私の方だよ?」
「どっちも有りませんっ!!」
そう!義兄が恐ろしい発言をして来ようとも即断れるほどに!!
何これ。
セクハラ?
それセクハラだね!
モブでもセクハラには断固抗議しないとね!!
私は前世はオタクだが、あくまで見る専門!!
三次元の性的倒錯の趣味はない。嗜虐も被虐もごめん被る!!
義兄の性的嗜好及び趣味…は知らん…と言いたいが、義兄のそういう方面の興味=私と言う恐ろしい事実から目を逸らし続けていまーす!
え?何でって?
血縁は無いけど義兄妹だったからに決まってるじゃないですかー。
其処をぶっ飛ばして来られましたけどねー。
現実を受け入れろって?
そんなにサッパリ割り切れる訳が無いんですよねー、これがー…。
一時は流されて受け入れたような気もしたけど…
したけど、時間が経つとまあ…!!
だって私って前世の記憶有りだからー?
関係ないかな!?
だって4歳から知ってるんですよー。
オマケにゲームの中のキャラ(鑑賞対象)だと思って見守ってたんですー。
どうしてモブが恋愛対象になるなんて思うんですか。
もう混乱から醒めてますから、本当に分からなくなってくる。
ああ…何でや、マジで。
未だに分からない…。
もっと綺麗どころを選びなさいよ、悪役令嬢・義兄さま…。
私はモブなんだよ…って気分真っ最中。
「えー?なんでえ?」
「なんでえ?じゃないでしょ。
ふざけてんですか義兄さま。女同士は吐き気がします」
「うーん、そうー?」
「そうです!!」
…そう、こう、前世の記憶が疼く…こう言ったら…
厨二病みたいだけど。
マジで寒気がする。
何か有ったのかな。
女性に迫られたことが有るとか?
…思い出さずに居よう。
ただでさえ義兄さまとの関係だけでも頭が割れそうだし。
しかし、前世…この頃サッパリ思い出せないんだけど、それもゲーム終わったからかしら?
あ、新しい自分を生きなきゃ!ファイト!みたいな補正掛かってるの?
うーん、分からんなー。
しかし自立しようとするにも、義兄さまの邪魔が入るだろうしなー。
…そして自立できるスキルが皆無なのであった…。
うん、だって…ゲームでロージアと攻略キャラのイチャコラを応援するぞー!おー!
しか目的無かったからね。
ハハハ、人生設計大事!
……マジ何か身につけておくべきでした。
反省してます。
……はあ。
この頃何か令嬢としてでもいいから、生産的な行為をしたかしら。
えっと、手芸でもするかな?
編みぐるみとか?
……趣味じゃねえし…要らねえわ…。
きっと上手に作れる頃には…
家の中がお年寄りの作品で溢れる公民館みたいになる…。
本当に義兄さまはろくな事を考えないわ…。
一体どうしたらたまにぶっ飛ぶ考え方を矯正できるのかしら。
アレか、悪役令嬢だから一般人モブとは考え方が違うんですかね
やだーみたいな?
…どうしてくれよう、本当に…。
そしてこの何かよく分からん関係にグダグダモダモダしているのは私だけと来ているよ…。
取り合えずその日はそれで終わった。
夢オチにしたい位酷い話題だったわね。
忘れよう。
そうしよう。
そして…次の日、通いの使用人に手伝ってもらって支度をして…食事をしようと階下に降りようとしたら
何と……義兄さまが義姉さまだった。
何を言っているか分からないって?
いや、久々過ぎて私も何が何だか。
4歳の時から見たこと無いんだもん…。
でもこれは間違いない。
嫌な予感をひしひしと感じるわね……。
私のサポートキャラ(死んだ設定)としての勘が…疼かないけど、何となく分かるわ。
ろくなことにならないわ、これ。
次は『義姉さま』がサポートキャラと幼少期ぶりにある意味再会?です。
感動の再会にはなりません。




