監獄はゆとり教育
お久し振りです
はい、すいません
ほんとすいません
次回こそナノハ出しますので
それまでどうかどうか駄文にお付き合いください
己道が出ていってすぐの事。
看守達が脱獄者を捕らえようとして千春に斬られている頃、尾毬の牢屋。
己道がいた牢屋では尾毬が誰もいない虚空に話しかけていた。
「ねぇ、貴方。なんで犬がいる間ずっと隠れていたの?」
虚空から現れた男。
何処から仕入れたのか囚人服が配られるはずの牢獄で上から下まで
ニット帽からニットの靴下。
だぼだぼのニット姿の男が一人
唐突にワープでもしてきたように見えるが、見えるだけ実際は隠密系統の魔術と装備補整、あとは彼自身のセンスによる徹底的なステルスで見えないように完璧な加工を施していたのだ。
「特に意味はねぇーよ。つか、お前ステルス状態の俺を見つけられるって何者だよ」
「魔具専門店のしがない一介の社員よ」
「その店はどんな化け物連中なんだよ。自信なくすねぇ、死神の名折れもいいとこだ」
「あら、伝説とまで言われた暗殺者がステルスしか能がないなんてことはないでしょう?」
試すように軽口を叩き合う尾毬と死神。
「伝説って言われてても今じゃ哀れな囚人。どこでしくじったのかもわかんねぇ、間抜けだ」
自嘲気味に返事をする死神の顔には対照的な笑みと少しばかりの妬みがあった。
「何処でしくじったって、貴方、社長に自主しにいったんじゃない。お陰でナノハさんの居場所がわかったのよ?
それなしに捕まってたら首落とされてたわよ、その場で」
「それはこぇーな。ここにいても仕方ねぇし、俺も騒ぎに乗じて逃げますか」
斬られて空いたままの鉄格子を身軽に出ていき走り去っていく。
そして静まりかけてた騒ぎが大きくなり始める。
「男って本当に馬鹿ばっかりなのかしら。もっとスマートに暗殺者なら暗殺者らしく消えるように脱獄するもんでしょ」
と飽きれ加減に笑うとその場から消えていなくなる。
立つ鳥跡を濁さずってね、と声が何もいない牢屋に反響する。
死神、尾毬、己道。
どうあっても相容れないはずの3人が向かう行き先は揃って一人の女の子のもとへ。
一人は救済のため。
一人は恩返しのため。
一人は慰めのため。
歪んで絡んで緩んで結んで。
3人は知らずに、あるいは知っているのかも知れないが同じ一つの目標を呟く。
「待ってろよ」
次回 自壊
えーと、真剣にこの後
どうしたらいいかわからない
続きどうすれば伏線らしき物は回収できるのか




