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スローライフが程遠い!  作者: 嘉七


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第一話:ファーストコンタクト①

(目がぼやけてまわりが分からない・・・)


(俺はどうしたんだろう・・・)


(手足は動くが感覚がおかしい・・・)


(寒い、ここは何処なんだろう・・・)


(なんだろう眠くなって来た・・・)


ここは何処だろう、自分の体の自由が効かない。

もどかしくて無性に泣きたくて泣くと知らない女性に抱き抱えられた。


(暖かい、あれからどれぐらい経ったのだろう・・・、時間の感覚が分からない・・・)


目がはっきり見えるようになると以前と違う場所に居る事、自分が所謂『異世界転生』したらしいという事は自覚した。

ただ、どうやら自分とは違うもう一人の人格が居て、この体の本来の持ち主という事が分かった。

今、こうしてはっきりしている俺は以前、全然違う場所で生きていた事、その時の生活や名前や場所などは全然思い出せない。

本来の体の持ち主はまだ生まれたばかりで本能で生きていて、間借りなのかどっちが本来の持ち主なのか、このままなのかいずれどちらかの人格が居なくなるのかわからないが、とりあえず元居た場所へは帰れない事だけは理解した。

とりあえず、何処かで保護はしてもらっているらしく、このまま保護してもらう事としてある程度したらまたこの先をどうするか考えるとしてしばらく流れに任せることにした。



男の子(良い風だなぁ・・・)


頬を撫でるように暖かなそよ風が吹く道を歩いている。

どうやら拾われて3年がたったらしい。

拾われた為、正確な生まれの日が分からず自分がいつ生まれたのが分からない。

どうやらあの時は教会併設の孤児院の裏口に捨てられていたらしく。

運よく孤児院の先生をやっているジョーイさんが気が付いて、村で同じような乳飲み子を持っていたマリアンナさんが自分の子と一緒に母乳を与えてくれたので何とか生き永らえた。

離乳食が進むと、その後は孤児院の方で預かる予定だったんだけど、マリアンナ母さんがそのまま養子として預かってくれる事になり、マリアンナ母さん達には感謝するしかない。

養子としてくれたマリアンナ母さんの家は旦那さんのジャック父さん、マリアンナ母さん、兄さんのロック、養子でこの体の持ち主のリアクの四人家族。

父さんのジャックさんは昔、何処かの王国の騎士団に居たみたいでマリアンナさんと駆け落ちして、この村に来たらしくその時にはすでに兄さんのロックがお腹に居たらしい。

リアクを預かったのも、何かの縁として二人は迷う事なく預かってくれたので、こうして兄さんとここまで大きくなれたので出来れば大きくなったら、何時は家族へ恩を返す事を誓い、今日もリアクは教会兼孤児院へ向かう。


リアク「こんちは」


まず教会側の大扉前で声を掛ける。

3歳そこらの力では重くて開かない重厚な扉である。


マザー「おはよう、リアク」


この教会のマザーがリアクが入れるだけの幅で扉を開けて向かい入れてくれる。

小さな教会ではあるが歴史が古いらしく荘厳な雰囲気があり、何処か懐かしく感じてとても好きな場所であった。

リアクの家と教会は二件隣なのでジャック家では既に家に居ない=教会と認知されている。

リアク本来の人格も転生の人格もそこまで敬けんな信仰者では無いが、やはり縁あって生かせてもらったのでなんとなくではあるが教会に来たらまず礼拝堂で感謝の祈りをする事が日課になっている。

まあ、特にする事も無いので、リアクの赴くまま生活している。

祈りは大体前世の感覚で30分位その場で祈っている、それが終わるとマザーの部屋にある本を「見に」行く、まだ字が読めないの基本は植物図鑑や動物図鑑、魔法陣解説書なのを視覚的に頭に入れている。


マザー「文字を教えましょうか?」


とマザーに提案されたが、ただでさえ忙しいマザーの手を煩わせるわけにもいかないので、そこは「見てるだけで楽しい」と3歳児らしく断った。

この世界は本が貴重で特に図鑑や解説書などは大変高価で、教会の本はすべて貴族や領主が入れ替えの為に持っていた本が余るのでそれを寄贈されたものだ。

文字や言葉に関しては前世の教科書みたいなものがあるわけでもなく、育ててもらっているジャック一家ですらジャックが以前居た騎士団での書類仕事の為に読み書きができる程度でマリアンヌやロックは読み書きは出来ないらしい。


リアク?(教育もインフラも足りてないくて、不便を感じているけどこの雰囲気は好きだなぁ・・・)


何時も通りマザーの執務室で窓から差し込む日の光が当たる場所で図鑑を床に広げて見ていたら、マザーと一緒に綺麗な恰好をした中年の男性が入って来た。


中年紳士「この子ですか?、マザー」


マザー「はい、リアクと言います、家の用事が無い時はまず神に祈りを捧げ、それから夕方までここで図鑑や解説書などを見て、暗くなる前に声を掛けて帰って行きます」


マザーが嬉しそうにリアクの事を男性に説明する。


リアク?(ん、この流れはまずいかも・・・)


リアクはジャック一家と暮らしているとしても「養子」だ、そこはどう頑張っても変わらない、ロックとは出来るだけ喧嘩しない様に立ち回ってるし、母のマリアンナさんとは手伝う事があれば手伝っている、父のジャックは村の見回りや狩りをしている為、家に居る時は並べくいう事を聞いてるしわがままを言わない様にしている。

ただ、さすがに3歳児が図鑑や解説書を朝から夕方まで何も言わないで眺めているのはやはり変わり過ぎて居たのだろう、この世界は貴族社会なので優秀な人間とみられる人間が居ればその家に引き込み政治利用は当たり前、むしろ血がつながっていればいるほど本人の希望を通す為に、身代わりで差し出される。

ジャック一家がどいう答えを出すかわわからないが優秀だから引き取りたいと言われたら裕福な家庭の方へ養子にだすのが一般的らしい。

つい先日も村の村長の娘が養子に行った、美人で気立ても良かったから子爵の目に留まり、三女として迎えられたとマリアンナ母さんが言っていた。


リアク?(やっちゃったかなぁ・・・、見るからに田舎で次の町へ行く為の通過点、馬や馬車なら次の町にその日の内に着ける距離と聞いていたので、目立たないと思って油断したかな・・・)


中年紳士「こんにちわ」


男性はリアクに優しく声を掛ける。


リアク「こん・・・、にち・・・、わ・・・」


中年紳士「僕は図鑑が好きなのかい?」


男性が優しく声を掛けてくれたが、警戒の為に声を出さずに顔を上下した。


中年紳士「そうか、その本は何の本かな?」


リアクは本を閉じて表紙を見せる。


中年紳士「植物図鑑か」


リアク?(字が読める人だ、やばいこの流れは引き取りになるかもしれない、まだジャック一家に何も恩返ししてない、逃げるか)


リアクはその場から全力で逃げた、マザーの部屋から出て直ぐには家に帰らず、教会を出て一旦外に隠れて時間を潰す。

日が暮れ始めたので、あたりを警戒しつつ家に帰る。


リアク「ただいま・・・」


マリアンナ「お帰り、リアク、マザーが探しに来たわよ?、何があったの?」


マリアンナ母さんからその言葉を聞いて、リアクはマリアンナの足に抱き着いた。


マリアンナ「あら、どうしたの?、教えてくれる?」


リアク「マザーのおへやで・・・、ずかんてた、おとこのひときて、おはなしされて、こわくてにげた・・・」


マリアンナ「怖かったのね、じゃあ母さんマザーにリアク帰って来た事伝えるから部屋に居てくれる?」


頷いて部屋に向かうリアク。

部屋にはベッドが一つと、大きめのクッションが一つの何も無い部屋。

リアクはクッションの裏に身を隠すかの良いに入り込む。

その後、マリアンナが帰って来た時は再び居なくなっていて、ちょっとした騒ぎになったがロックによってクッションの下で寝ているのを発見され事なきを得たのだった。




チート物を書きたくなって書き出しました。

不定期で更新となりますがよろしくお願いいたします。

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