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ロボ君と私的情事  作者: 露瀬
最終章
98/98

プロローグ

 そこは、素晴らしき世界でした。


 果てしなく高い空には、どこまでも澄んだ蒼さが続いており、とても深い海には、暗くとも安らぎのある温かさが満ちていました。


 緑の大地には、優しい風と光に育まれた多くの命が歌い踊り、空には鳥が、野に花が、さまざまな色声を世界に届けていたのです。


 そこは、楽園としか思えない幸せな世界。


 とてもとても広くて大きな新しい世界、その宇宙の片隅に、ほんの少しだけ分けられた小さな世界。


 まるでお皿のような形であった元の世界を芯にして、まん丸に作り直されたこの世界は、真っ白な人によって『地球』と名付けられました。


 私達の、新しい居場所なのです。


 真っ白な新しい神さまは全てを理解すると、世界に命を生み出し、そして自身にも色かたちを与えました、今は少しだけお休み中のようです。


 もう日記を書く必要もないでしょう、私の記憶は全て伝えたのですから、世界は色付いているのですから。


 ただ、続きのページだけが、未来だけが真っ白なのです。


 それはとても素敵なことなのです、わくわくするのです。


 目が覚めたら、私も新しい人生に再び色をつけましょう……きっと逢えると、信じてるから。


 彼との出逢いを、夢見ながら。









 はい、皆さん、おはようございます。


 ん、こんばんわかも知れないって? こんにちはの可能性もあるだって? ……なーに言ってるんですか! おはようは基本なのです! 最高でしょう、なんたって新しい朝をお迎えするのですからね、希望に満ちた一日なのです、ワクワクしなきゃ損ですよ。


 私の名前は佐倉サクラ、何処にでも居る15歳の女の子です。艶やかで長い黒髪にはちょっとだけ自信もあるし、結構、それなりに、顔面的な偏差値も高い方だと自負しています。


「いーつまで寝てるつもりですか! 」


 忙しい両親は留守にしがちなのですが、私は頑張っています、だって二人とも私達の為に働いてくれてるのだし、家事くらいはしてあげたいのです……それにね、寂しくは無いんだよ? だって、私にはさ。


「ぐうっ……サクラ……布団に飛び乗るのはやめてくれって……いつも言ってるだろう」


 大好きな人が、いるんだもの。


「なに言ってるんですか、これで何度目だと思っているのですか、何回言っても起きない方が悪いのです、まったく、だらしないんですから……もう朝食の支度も終わってしまったのですよ、早くしないとまた二人に怒られてしまいます」


 ……ん?


「……それは、少し面倒だな……というか、奴らはなんでウチに入り浸ってんだよ、こないだから普通に朝飯食ってるんだが」


「毎日玄関先で待たせる訳にもいかないでしょう、それにご飯は大勢の方が楽しいですし、お友達ならそういったものです、そもそも、こうなってしまったのは朝からしゃんとしない誰かさんが悪いのですからね、早く顔を洗ってきてください、だらしのない所を二人に見せたくありません、まったく、私がいないと眠ったままで干からびてしまうかもしれませんよ、こんな怠け者のミイラなんて、博物館に寄贈しても喜ばれません……もう、本当に仕方のない人ですよね……」


 あれ? なんかおかしくない? これ、なんか変じゃない?


「お兄ちゃんは」


 ……いやいや、いやいやいや! おかしいやろ! なんかもうツッコミどころが多過ぎて混乱してきたんだけどね! ひとつだけ言わせてくださいませ……なんで兄妹なんだよ! 設定まちがってるだろ! 赤い糸どこいった!


「そう言うなよ……なぁサクラ、今日の朝飯は」


「はいはい、約束どおりベーコンエッグ作ってますからね、カリカリのやつですよ……ねぇ……あの、ね、お兄ちゃん、下に降りる前に……」


 おいこら、なんで顔赤らめてんの、兄妹設定どこいった、というかお前サーラやろ! なんだこれ、いつの間にすり替わった、私が残業してた隙に何してんのさ。


「なんだ、今日は甘えたい日なのか? ……ほら、おいで」


 はいストップ! 境界線! 越えてるから! 踏み出す勇気はいらないから! なんだこれ……あ、いや、そういえば……私が居ない間はサーラに代打を頼んでたような……いやいやいや、それでもおかしいやろ!


「えへ……大好きです、お兄ちゃん」


「ああ、俺もだ……世界で一番だよ、ぶっちぎりでな」


 はいおかしい! 何もかも間違ってるから! ちょっと誰か! 止めなさいよこの兄妹を、わたし認めないよ! 許さへんぞ!


「……世間一般の兄妹は、そのようにいやらしい真似を、ね……致したりは、しませんわ」


「なかなか降りて来ないので、まさかとは思っていたのですが……やはりサクラは、僕が懸念していたとおりの……いやらしい……男を誑かす、淫売……ビッチ……畜生道」


 はいきた! いいぞ、奴らに制裁を! 主にロボ君の方にやってください、あと畜生道ってなに?


 いやいや、今はそれよりも……なんだこれ、全然分かってないじゃん、神さま分かってないよ! ちゃんと教えたでしょ! えぇい、あの耳長やろう、叩き起こして逆さに吊るしてやるからね!


 はい、とりあえずやり直し!





 やり直しを要求します!!!!












これにて完結となります。

ここまでお付き合いしてくださった皆様には、日本海溝よりも僅かに深く感謝いたします。


こっからサクラ達は異世界に転生して、なんやかんやと話は続きますが、そちらの話はまた別の外伝になりまする。


とりあえず仕事が片付いたら、またコチコチと本編を書き進めていきますので、もしも万が一、退屈だから仕方ない、次も読んでやんよ、でも勘違いはしないでね! という方がいらっしゃいましたら、ぜひ続編の方も可愛がってやってくださいませ。


かしこ

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