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ロボ君と私的情事  作者: 露瀬
第3章
35/98

自序

 そこは、まっしろな場所でした。


 まっしろな空、まっしろな大地、どこまでもまっしろな、でも、はっきりと境目の生まれた世界。


 そんな、まっしろな世界にの真ん中にひとり、日記を読みふける人が座っています。


 相変わらずまっしろな、まるで、もやのように心もとない姿の人なのです。


 しかし、熱心に日記を読み続けるその人には、よく見ると、ページをめくる為の指が生まれていました。今まで、随分と時間をかけて、何日もかけてめくっていた日記帳も、今はすらすらと読み進めることができるのです。



 それから何百年が過ぎたものか、ふと、その真っ白な人は気付きました、なぜだか、日記の文字が読みづらいのです。


 世界が、暗くなり始めていました、夜が訪れていたのです。闇が生まれていたのです。


 ああ、ひかりが欲しい。


 真っ白な人は願いました、だって、この暗さでは、日記が読めなくなってしまうから。


 そして、真っ白な人の願いは、真っ暗な空に届きました。


 

 夜空に瞬くいくつかの星と、日記を照らす、柔らかな月明かり、世界に光が生まれたのです。


 もうじき、夜が明けて、太陽も生まれることでしょう。


 でも、真っ白な人は朝まで待てません。



 日記には、まだまだ続きがあるのですから。


 




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