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20話 ヴァイキング その2

 海上に半径10メートルほどの円形闘技場が生成された。船も闘技場に打ち上げれらヴァイキングたちも戸惑っている。

 

 「佐藤くん!乗客と船を降りて()()()()にでも籠っていて。」

 

 サキエさんんに言われたオレたちは船から飛び降りて、即座に地面にドームを成形した。

 

 「みなさん、この中です。」

 

 乗客と一緒にドームに入り入り口を封鎖した。ドームは厚さ30センチの岩盤、弓矢でも剣でも簡単には壊せないように成形した。

 

 「上出来ね佐藤くん。」

 

 次の瞬間、サキエさんは薙刀を思いきり薙ぐ。

 

 ヴァイキングたちは一瞬にして、3人斬られた。

 

 クラディウスさんとサキエさんは船内のヴァイキングを片付け、ヤツらの船に飛び込む。

 

 『このじじいと女、めちゃくちゃつえーぞ!』

 『魔法を使ってやがる!ただものじゃねー』

 

 ヴァイキングたちが弓矢を放つが2人とも余裕綽綽で避ける。


 「この身体強化の魔法ってのは本当にすごいわ。反応速度まで上がっている。」

 

 サキエさんはこの1週間でクラディウスさんにみっちり鍛えられた。オレは全く習得できなかったが、サキエさんはなんと1週間で身体強化を習得したのだ。

 

 2人はヴァイキングたちを切り倒す。

 

 「すごい身体が軽い、力がみなぎる。パワーも男に負ける気がしないわ!」

 

 「サキエどの!さすがですな、このクラディウス長年、兵の育成に勤めてきましたが、1週間で覚えたものなどおりませぬ。」

 

 この場に2人を相手に出来るものなどいなかった。そして、このままヴァイキングを蹴散らし完全勝利に終わるかと思いきやサキエさんの太刀を受けたヤツがいた。

 

 「んっ!?」

 

 そいつは身に鎧を纏っており明らかに他のヴァイキングたちとは違う。

 

 『おかしらー!助かった!』

 

 (おかしら?ヴァイキングたちの頭か)

 

 「おい、小娘。いい加減にしろや、オレの子分を大勢斬りやがって。」

 

 「はっ!?仕掛けてきたのはそっちでしょう?」

 

 「そりゃぁ、それがオレたちの仕事だからな。」

 

 「説明になってないわね。」

 

 「それにしてもお前ら強いよな。魔法も使えるし、剣の腕もいい。さっきの根暗やろうも訳の分からない魔法を使ってたしな。」

 

 「・・・なに?お喋りしたいの?」

 

 「ははは、単刀直入に言うぜ。お前らオレと一緒に仕事しないか?」

 

 「はっ!?するわけないでしょ。ワタシたちにはやることがあるのよ!」

 

 「もう少し考えてくれよ。見ての通りこいつら弱っちくて使えないんだわ。」

 

 『おっおかしら・・・。』

 

 ヴァイキングたちはお頭の言葉を聞き、意気消沈している。

 

 「あんたね、部下の世話をするのが上の役目でしょ。使えないからって見捨てるんじゃないわよ。」

 

 これはオレに向けて言われている気がした・・。

 

 「ははは、そりゃ悪かった、小娘にそんなこと言われるとは思わなかったぜ。まぁ、それは置いといて、うちの船団に来てくれねーか?うちの国で今後、大きな戦いがあって、兵士はいくらでも欲しいんだわ。」

 

 「だからお断りだって!」

 

 サキエさんは薙刀を薙いだが、剣で防がれた。

 

 「こいつもまさか身体強化を使ってる?」

 

 「サキエどの気をつけてください!その男は身体強化を使っております。」

 

 「へへ、うちの周辺じゃ”バーサーク”っていう名前の魔法なんだけどな。あのジジイとお嬢ちゃんも使ってるんだろ?」

 

 「・・・ええ。」

  

 「よし!お嬢ちゃんよ、オレと決闘しねーか?負けた方が勝った側の言いなりでどうだ?」

 

 なんとヴァイキングのお頭はサキエさんに決闘を挑んできた。積み荷を狙っていたヴァイキングがどうしてこうなったのだろうか?

 

 『ちょっちょっとお頭さん、この船の積み荷を奪わないとオレたちの取り分が無いじゃないですか?決闘何かいいから早く積み荷を奪っちゃいましょうよ。』

 

 カイルがお頭に進言した。、


 しかし、次の瞬間、カイルはお頭に首をはねられた。カイルのパーティーに戦慄が走る。

 

 「うるせぇ、さっき言っただろうが、戦力が欲しいんだよ・・・。積み荷は他からも奪えるとしてもこの上玉はなかなかいねぇんだ。」

 

 「なんてやつなの・・。仲間をあっさりと。」 

 

 「お嬢ちゃん、こいつは仲間じゃねぇよ。ただの裏切り者だ、こういうやつの末路ってのは遅かれ速かれこうなるものさ。」

 

 「・・・確かにそうかも。」

 

 「物分かりが良いお嬢ちゃんだな。ますます気に入った、どうだ決闘受けてくれねーか?」

 

 「サキエどの!そんなもの受けてはいけません。2人でかかってとっとと方付けましょう!」

 

 「うるせえジジイ!!余計な事は言うんじゃねーよ!」

  

 「なんだと・・・青二才が。切り伏せてやろうか?」

 

 クラディウスさんの顔に眉間にシワが入る。オレはあんなに怒ったクラディウスさんを見たことはない。

 

 「待ってクラディウスさん!」

 

 「サキエどの!?」

 

 「受けて立つわ、その決闘。」

 

 やっぱり、サキエさんの悪い癖が出てしまった・・・。

 

 「駄目ですってサキエどの!この決闘ワタクシたちにメリットなどありません。」

 

 「そういうのじゃないわクラディウスさん。これは武士道よ!」

 

 「ブシドー・・・・?」

 

 ダメだ、ヴァイキングも頭おかしいが、サキエさんも似たようなところがある。

 

 「敵に背を向けない。逃げることは一生の恥!」

 

 「そ、そうなのですか?」

 

 クラディウスさんも、さすがに戸惑っている。


 「それに。」

 

 「それに?」

 

 「ワタシ1人でコイツと戦ってみたいわ・・・。」

 

 サキエさん、何を孫〇空みたいなこと言ってるんだ・・・。

 

 「・・・ブシドーは分からないですが、その気持ち分からなくもないです。アナタは冒険者であると同時に1人の武人なのですな。」

 

 「へへへ、話はまとまったかい?」

 

 「えぇ、決闘をしましょう。」

 

 「ありがとうよ。ウォルケル船団頭領”ウォルケル・ブロックス”、戦いの神”オーリア”に誓いこの決闘を行うぜ。」

 

 「ワタシも誓うわ。」

 

 こうして、なぜかサキエさんとヴァイキングが決闘をすることとなった。

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