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多難。

目を覚ましたら、あたり一面がお嬢様風なピンクでうめつくされていた。

「気分はいかがですか?」

最近聞いたような声にそう聴かれた。

「……チカチカする。」

ぼーっとしながらそう呟いて__________思い出した。

「ああああああああああああああっ!!」

……幸いこの世界には防音魔法という素晴らしいものがあり、私の声が此処__________王宮中に響き渡る、なんてことはなかった。


「~~~~!!……なんて声だすんですかルカ様!?」

しかし至近距離にいたその侍女は餌食となったらしく、耳鳴りがしているのか耳朶を抑えながらにらんできた。

「……ごめん。」

侍女には悪いが、君が耳を抑えている間私は状況を把握させてもらおう。

さて_____________目の前にいるこの人は、おそらく私の侍女。名前はわからないけど、昨日(?)のパーティでの私に対する態度からよほど近しい間柄だったのだろうとうかがえる。……まぁ、5歳児に近しいも間柄もないとは思うけどね。とりあえず信頼はおけるだろう。

次に……思い出したくないが、あの悪夢。まさかの父親が金髪碧眼の超絶イケメンでさらに若干ヤンデレ属性な親ばかだという……なんてことだ。この国大丈夫か。というか私は第二王女って言われてたから少なくとも上に一人王女様はいるはずなんだけど……まさか、私が抱きしめられてた時見て見ぬふりしてた貴族らしい方々はすでに知っていたとか……?アりすぎて笑えない。

ぶるっと鳥肌が立つのを感じながら侍女を盗み見ると、むすっとした顔でベットから引きずり降ろされた。

「ほら、今日から朝食はほかの王族の皆さんととることになってるんですから遅れないように準備しないと!」

「……ふぁーい。」

内心『は?今日からってどういうこと?』と思ったが素直に従うことにする。5歳児なんだからそうそう怪しまれないと思ってもぼろが出たら困る。

その侍女に連れられて、支度室?というか服やらなんやら置いてあるところに来た。

「はい、ルカ様ここに座って!」

そういえばさっきもだったけど、私の愛称はルカっていうのか、やっぱり安直だなあと思いつつ、

指定された椅子の真ん前には鏡が置いてあった。

さて、転生先の私の顔はどんなだろう、前と同じってのは嫌だな。どうせなら違う顔で生きたい……なんて思って見ると、


「……う、わ。」

呆然、に尽きる。何この人形みたいな金髪碧眼少女。いや、髪が金髪なのは自分でもわかるし、国王様を見た時からそれは予想してたけどさ……

なんだこの美少女。

おめめぱっちりの二重で、高い鼻。形のいい唇。こりゃ親ばかにもなりますわ。乙女ゲームのヒロインみたいだ。うわぁ……

「はいルカ様御髪とおりますよー」

「イタッ!」

そんな感動も侍女の遠慮ない髪結いのせいで現実に引き戻されてしまったけど。

くっそこの……覚えてろ……

あ、そういえばまだこの人の名前聞いてなかった。どうしよう、いつ聞こう……今更名前なんて、って思われるかもしれないしな……





「はい終わりでーす。さて、行きましょうか。」

結局名前も聞き出せず支度が終わってしまった。いや……聞き出せなかったというか、聞き出す暇もなかったというか……皆さん知ってます?王女様の支度って、たかが5歳児に小一時間かけるんですよ……?

まだコルセットとかないだけましか。まぁ幼女にそんなの巻き付けないわな。

さて、やっと朝食かぁ……もうクッタクタでおなかぺっこぺこだ。

……って、やばくないか?これ。

私テーブルマナーとか無理なんだけど!?

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