本庄 凛(ほんじょう りん)8-4
私は怜と離され、薄暗いコンクリートに囲まれた部屋に1人、放り込まれた。
中には白いベッドと簡易なトイレがある…独房の様な部屋だった。
「お嬢さんをこんな所に入れて申し訳ないが…少しの間、我慢してくれたまえ」
柳隊長がそう言って鍵をかける。
四角い窓だけが付いた、白いドアは頑丈な鍵が外に付けられていた。
内側からは…逃げる事が出来ないだろう。
怜はどこに連れていかれたのか…。
無事だと良いけれど…。
しばらくして、誰かが鍵を開けた。
マスクをした紫の…イヤリング。
「もう一度採血させていただきますね」
彼女の後ろには銃を持った隊員が2人いた。
おそらく私を逃がさない為の…付き添い。
彼女は薬品を並べ、その場で私の血液を調べ始めた。
「やっぱり…」
何かを考え始める。
「あなたには確かに2つ反応がありますが、彼の方にはないので…どこかで検体にあなたの体液が混じったんでしょうかね?身に覚えあります?」
「え…?」
「いえ、もう一度ね。検査したんです。先程彼の方を。そしたら無いんですよ。反応が。なのでもしかしたら新しい事例なのか、あなたのが混じったのか調べろと所長から命令されたのです」
あの日…の…服。
思い当たる事はあった。私の涙。
「服から取ったのが悪かったのですね」
彼女がため息を付いた。
「しかし、あなたも思ったより反応が薄いですね。…反応が薄まる事があるのでしょうか…」
血と薬品を混ぜた物を頻りに見る。
「新しい副司令はあなたに植え付けろと言っていますが…無駄な事をしたくないので、確認してきます」
彼女が部屋から出ようとすると、目の前にジャンが居た。
「その必要はない」
「ですが…所長からは…」
「お前は黙って準備をしろ」
渋々と言う感じで彼女は出て行く…隊員と一緒に。
私はジャンと二人きりになった。
「…子ウサギ…」
子ウサギ?
「やっと…」
目が血走っている様に見える。
後ろに下がる私を…追い詰める様にゆっくりと…近付いてきた。
「…はぁ…はぁ…」
目の前で息を荒くする彼…。
首にかけられた手に力が入る。
息が出来ず、朦朧とした頭で…この人をどこで見たか思い出した…。
「…はぁ…はっ…」
第二基地で…訓練していた…隊員…。
見下ろした時に…目の合った…。
「はぁ…子ウサギ…はっ…」
カチャン…
首から引き千切られたネックレスが…ベッドから床に落ちた。
「…やっぱ…柔らかいな…」
私の体に痛みが走る。
「…震えてんの…?」
…。
「…泣いてんの?」
…。
「…」
…。
「…はぁ…っ…うっ…」
…。
「…やっぱ…お前…はじめてか…」
…。




