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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第三章 世界探訪
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56 【悲報】伝説のドラゴン、集団にリンチされた件

56 【悲報】伝説のドラゴン、集団にリンチされた件



レイカ「やっぱりね〜。


    みんな、メインディッシュだよ!

    本気でやらないと死んじゃうぞ〜!」


「終わりだ」

「そんな……。命令通りにしたのに。」


 スカディたちが、膝を落とす。

 或いは地面に手をつく物も。

 絶望しているようだ。


「ホアアアアアアアアアアア!!」


 耳をつんざくような轟音と共に、

翼開長約20メートルの大きな鳥が空に羽ばたいた。


 その姿は、まるでフクロウのようであった。


 首の周りには、浮き輪のようなチューブがあり、中には液体が流れているようだ。


 羽毛はモフモフフワフワで金色に輝く。

 銀竜のようにメタリックだ。

 羽ばたきは無音だ。

 するどいクチバシと鋭利な爪。

 


 こまちゅが溜息をつきながら、

頬杖をつき面倒そうに言い放つ。


こまちゅ「はぁ。


     やはり起こされたか。

     天空竜『アマツミカボシ』


     めんどくさい。」


レイカ「何が『めんどくさい』よ。

    心の中は闘志で大炎上中でしょ!

    この時のために

    歩けなくなるくらい、

    魔力を溜めてたんでしょ。


    やっちゃうよ〜!!」


 レイカがシャドーボクシングをしている。


 天空竜がパチパチと電気を帯びる。

 首の周りの液体がポコポコと泡立つ。


ヌル(さっきの雪だるまが封印を解いた!?

  喋るだけじゃなく、スキルまで持っている

  ゴーレム。明らかに今までと違う!!


  てか、そんな考察をしている場合じゃない!

  ヤバい攻撃が来る!

  

  首の周りの液体⇄気体…。

  熱交換…。氷属性攻撃!!)


 攻撃が来ると思われる瞬間、

天空竜は炎に包まれた。


「ホアアアアアアアアアアアアアア」


 天空竜は絶叫した。

 息を大きく吸い込んだ天空竜が、

自分の体にブレスを吹き付ける。


 天空竜は氷を纏った。

その氷は、まるで逆立った鱗のように

トゲトゲしい。

 氷の鎧が、アカマルの魔法攻撃を無効化する。


アカマル「……むぅ。簡単にはいかぬか。」


ヌル「アレ、何なんですか?」


 ヌルはレイカに問う。


レイカ「先代たちの忘れ物?かな。」


こまちゅ「やり残しだ。」


レイカ「そうそう。そんなトコ。

    アタシ達の世代でやっつけようねって、

    子供の頃から燃えてたんだよ〜☆」


こまちゅ「……はぁ。」


 アマツミカボシは、また帯電しはじめた。


クルム「古の邪龍。破滅の金星"アマツミカボシ"。

    人々を恐怖に陥れた災厄の竜。

    高い知能と攻撃能力。

    

    火が弱点のようね。


    …レスベラ。アレやるわよ。」


レスベラ「マジか。  

     恥ずいけど、やるしかねーか。

     出し惜しみして死んだら

     意味ねーもんな。」


クルム「聖女の詩吟・喜」


レスベラ「天衣無縫の舞・怒」


クルム「戦神芸能・喜」


レスベラ「戦神芸能・怒」


ヌル(ん?

  噛み合ってない?違うけどいいのかな?)


 ヌルはモザイク魔法を、服を脱ぎ出した

レスベラの局部にかけた。


 ヌルは手で顔を覆うも、また指の隙間から

ガン見している。


フレゴリ「いい脱ぎっぷり!!

     ピューイ♪ピューイ♪」


 脱ぎ出したレスベラを見た

フレームアイとゴリアシが盛り上がり、

口笛と声援を飛ばす。


 それを見た、こまちゅとレイカが

魔法で援護する。


 花びらが現れ、風が舞い、

花吹雪がレスベラを覆う。


 数枚の花びらがレスベラから離れ加速し、

まっすぐフレームアイとゴリアシの目を直撃した。


 また、数枚の花びらが、顔を手で覆っていた

ヌルの指の隙間を通り抜け、

ヌルの目にも直撃する。


ヌルフレゴリ「ぐあああああああああ!」


レイカ「のぞき野郎とムッツリ野郎は成敗だよ☆

    早く仕事してこいっつーの!」


 顔を抑えたフレームアイとゴリアシが走り出す。


 ヘンゼルとアカマルは背を向けていたので

無罪のようだ。紳士である。


 裸になり、花びらの衣を纏ったレスベラが、

気合を入れ刀を振り回す。


レスベラ「シャー!かかってこいやオラァ!!」


 魔力を喉に集中していた、クルムが歌い出した。


クルム「あるぅひぃ〜↓♪

    もりのなぁかぁ〜↑♪」


ヌル(おっ!この歌は!?)


クルム「くまぁさぁんにぃ〜↓♪

    でぅえぁったぅあー↑♪


    ひさしぶーりーのーにーぐぅー↑♪

    こんやーはー

    くーまぁーなーべぇーだぁー↓♪」


ヌル(やっぱり知らない歌だったあああああ!!

  熊さん逃げてええええええ!!)

  ガガーン!!


レイカ「クルちゃん…。」


こまちゅ「ほぅ。面白い呪術だな。」


レスベラ「ありがとう熊さん!!

     でもアタシは、ハンバーグの方が

     いいなあああああああ!!!」


 レスベラの体から炎が噴出し、

炎がレスベラの体を包み袴へと姿を変える。


 レスベラの

奥義『軻遇突智乃袴・カグツチノハカマ』である。


ヌル(熊さんの、実話かよオオオオオオオ!)


  「てか、呑気にツッコミ入れてる

   場合じゃねー!!」


  (どうしよ?)


 ヌルは、燦々と照りつける太陽に注目した。


 太陽。氷。たくさんのスカディ。


ヌル(はっ!!アレが使えるかも。)


  「レイカ様!

   スカディの長の名前はわかりますか?」


レイカ「『ほえほえ』ちゃんだよん☆

    それがどったの?」


ヌル「ありがとうございます!」


 ヌルは風魔法【骨伝導スピーカ】を使って

周りのスカディに話しかけた。


ヌル「みなさん、落ち着いて聞いてください。

   これは、俺がみなさんの頭の中に

   魔法で一方的に話しかけています。

   みなさんの考えは俺には読めないので

   返事しないでください。


   魔法で氷の手鏡を作り、

   太陽の光を反射させ、

   天空竜の黒い部分を狙ってください。


   太陽の光を使い、強烈な攻撃ができます!

   これだけのメンバーがいれば、

   きっと勝てます。


   諦めないでください!!

   共に戦いましょう!!


   ほえほえさん!スカディの皆さん!

   よろしくお願いします!」


 スカディの長、

ほえほえが立ち上がり声を上げる。


 青い髪に白い肌。服装は白装束のようだ。

 とても防寒着には見えない。

 寒さに強いのだろう。

 スカディの長は、凛とした細身の女性だった。


ほえほえ「皆のもの!!聴こえたな?

     この者の言う通りにやるぞ。」


 スカディ達が立ち上がり、

魔法で氷の鏡を作り始めた。


 レスベラが走り出そうとした時、

花びらが束となりレスベラを抑止した。


こまちゅ「待たれよ。

     奴は攻撃の後に溜めが入る。

     その隙を狙うのだ。」


レスベラ「ありがとう!助かった!」


 聴覚に優れたアマツミカボシには、

クルムの歌が聴こえていた。

 クルムの歌声を聴いたアマツミカボシは、

発電できなくなる弱体の呪いを受けた。


 アマツミカボシは、空気を吸い込み膨らみ、

風船のようになった。

 アマツミカボシが空気を細く、

高圧にし吐き出した。

 首の周りの液体が激しく泡立つ。


ヘンゼル「…ショックフリーザ。

     噂の超低温冷凍ビームか。」


 アマツミカボシが吐き出した冷凍ブレスが

一行を目がけて、ほとばしる。


 フレームアイが左に避け、

ゴリアシは右に避けた。


フレゴリ「あぶねっ!!」


 ヘンゼルが前に立ち大楯を構え、魔力をこめる。

 大きな光の盾が現れ、冷凍ブレスを受け止めた。

 キラキラとダイヤモンドダストが舞い散る。


 レスベラが走り出した。


 天空竜との距離は、およそ100メートル。


 ヌルは、スカディたちに号令をかける。


ヌル「行きましょう!まずは、左目!」


 およそ150人が持つ鏡が太陽の光を反射し、

アマツミカボシの左目を狙う。


ヌル「行けえ!!

   これが、ローマ軍の軍艦を燃やし、

   『晴れた日は攻撃できなかった』

    とまで言わせしめた、

    【アルキメデスの熱光線】だあああ!」


「ホアアアアアアアアアアア」


 アマツミカボシが絶叫し、墜落した。


 起き上がったアマツミカボシは

空気を吸い込みはじめる。


 うまーるが、ヌルのカバンから鍋を取り出し、

アマツミカボシを狙い構えた。


ヌル「ああっ!俺のお気に入りの鍋っ!!」


 うまーるが帯電すると、鍋が高速で射出された。


 龍神村での連携攻撃『レールガン』の

原理である、"ローレンツ力“の説明を聞いた、

うまーるが、あの後から自力で何とかできないか

と試行錯誤していたのだ。


 うまーるが亜音速で放った鍋が、

アマツミカボシの眉間に命中した。

 アマツミカボシはヨロケて、

溜めていた空気を吐き出してしまう。


 うまーるがガッツポーズをキメた。

 ヌルはお気に入りの鍋を失い、項垂れるorz


「ホアアアアアアアアアアア」


 アマツミカボシがついに、ブチ切れたようだ。


 よろけたアマツミカボシが体勢を立て直し、

また空気を吸い込む。


ヌル「アマツが溜めはじめました!

   動きの無い今がチャンスです!!

   右目を!!」


 ヌルは立ち上がり、

スカディたちに号令をかける。


 アマツミカボシは、右目を焼かれながらも、

相打ち覚悟なのか、構わず空気を吐き出した。

 それは、あの銀竜が使ったような

音の壁をぶち破る波動砲のようなモノであった。


レイカ「キタキタ♪


    風の攻撃は倍返しだよん♪


   【蜂比礼・はちのひれ】

    全開!そ〜れっ☆」


 レイカは、まるでテニスラケットをフルスイングするかのように、首に巻いていたフワフワモコモコのストールを振った。


 ヌルたちに向けて放たれたショックキャノンが、倍の威力となりアマツミカボシに返された。


 アマツミカボシの耳から血が噴き出す。


 先に走り出していた、

フレームアイとゴリアシが

アマツミカボシの足元に到達した。


フレームアイ「神風無双!!」


挿絵(By みてみん)


 フレームアイの剣による斬撃と、風の魔法斬撃による連撃が、アマツミカボシの脚を切り刻む。


 倒れそうになるアマツミカボシを、

ゴリアシが蹴り上げる。


ゴリアシ「まだ倒れんのは早えよ!!


     ラムジェット・インパクト!!」


 アマツミカボシが身に纏う

胴部分の氷装甲が砕け散った。


 アカマル「……加勢する。」


 燃え上がり走るレスベラの足下に、

炎の鳥が現れ、レスベラを乗せて飛び上がる。


レスベラ「うっひょー!マジか!


     練習で1度も上手く行かなかったアレ、

     試してみるか!


     イクゼ!炎の太刀!」


 レスベラは、足元の鳳凰をミヅハノメに纏わせ、アマツミカボシに斬りかかる。


レスベラ「酒乱一刀流【焼け裂け・ヤケザケ】」


 斬られたアマツミカボシが、炎に包まれ倒れた。









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