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異世界で囲われて  作者: するめいか
10/27

10.旅はダイジェスト風に。

 ここから馬車で王都まで約三日ほどの日程らしい。

 実はこの街、中々な都会らしい。

 レベルでいうと埼玉くらいだろうか。

 多分神奈川レベルまではいってない。

 とはいえ、三日も馬車に乗っているのかぁ……。

 こっちの世界に住んでいる人からすれば当たり前の日程というか近いと感じるかもしれんが、日本育ちで海外旅行にさえ行ったことのない俺にとっては、ただただ遠い以外の何物でもない。



 とはいえ、旅行をしている間、馬車の中でボーっと出来るのは良いことだ。

 幸いにも俺はお客様扱いで何もしなくていいとの事だし。

 まあ喋るお荷物扱いみたいな物だ。

 よく物語で「お客様扱いにしないで欲しい!」などとと憤る主人公を見たりするが、俺的には、意味わからん奴だ。

 俺なんて至れり尽くせりして貰える方がよっぽど嬉しい。

 まあそこは人生経験の差というか何というか……。








 そんな訳で、馬車に乗り王都に向かっているという訳だ。

 時折乗り心地やら体調の有無を聞かれながら、馬車内でまったりしている。

 ちなみに乗っているのはいわゆる箱馬車と言われるもので、中にふかふかの絨毯が敷きつめられて、いかにも高そうだ。

 飲み物を絨毯にこぼしたら、イヤな顔をされるだろう。

 と、まあそれでも乗り心地はイマイチだが、昼時に回復魔法をかけたら治ったのだから大したことあるまい。

 で結構暇なので、俺のお世話をしてくれる使用人さんと話して王都のことを聞いたりとノンビリした時間を楽しんでいる。

 このまま、王都じゃなく世界一周の旅に出るのを希望したいくらいだ。



 で、使用人さんに聞いたこの世界の旅事情だが、山賊やら盗賊などは、三か月に一度くらいの割合で旅人や商人の馬車が襲われることがあるかないかの事だ。

 特に夕暮れ時の逢魔が時と呼ばれる時間帯が多いそうだ。

 だから旅慣れた人や商人たちは朝の日の出くらいに出発をし、三時くらいには宿泊地に着く予定で動いているらしい。

 とはいえ、雨やら馬車の故障などで予定が大幅に遅くなることもしばし、そんな時によく襲われるらしい。

 ちなみに領主さんくらいの立場になれば、馬車は絶対に襲われないとのことである。

 まあそんな事をしたらどんな場所に潜んでいても見つけられ壊滅させられ極刑になるから、どんな大きな盗賊団でも手は出さないとのことだ。

 なら俺は大丈夫だな。何といっても主人公体質ではないからな。

 俺は安心して今日二度目のお休みタイムに突入した訳だ。












 天候も良く、それこそ何のトラブルも起こらずに馬車は進んで行った。

 それどころか「こんなにトラブルのない旅も初めてですね」と使用人さんに言われたくらいである。

 素晴らしき我が人生。

 そんな訳で道でのトラブル(他の馬車同士の諍い)さえも見ず、道をふさぐ原因ともなる脱輪をした馬車も見ず、予定していた時間よりも早く今日の宿泊地に着きそうだとのことだ。



 うむ。何事もない平穏な日々というのは素晴らしい。

 地球を中退してすぐさま強制的に習った教訓である。

 まあ、あのまま地球で普通に過ごしていたら毎日を悩みながら生活をしていたのだろう。

 では何が正しく何が間違っているなんて凡人な俺にはわからない。

 とはいえ、地球の生活が正しく異世界が間違っているとも思えない。

 反対もしかり。



 何となく哲学的に考えてしまうのは馬車に揺られて違う風景を見ているせいであろうか?

 こんな詩人的な自分が素晴らしい。

 とはいえ、ここで間違って日記やら詩を書くと絶対に後悔するだろう。

 まあそもそも俺は日記やら手帳などは書けないタイプである。

 日記帳や手帳を選ぶのを頑張ってしまい、買った時点で達成感を覚えてしまうから。

 大抵、三日坊主どころか十月に買ったのち、その日記は二年後に発掘といった具合である。

 であるから、旅の記憶は目に焼け付けておく。

 半分以上、お昼寝をしているが。



 ちなみに最近、昔のことは鮮明に覚えているが前日のことはあんまり覚えていないのだ。

 残念なことに二日前の昼食など頭の片隅にすらないという徹底ぶりだ。

 色々な意味で俺は危ない状況なのだ。

 ここいらで頭を強制的に活性化させた異世界へのダイブはもしかしたら正しかったのかもしれない。

 あくまで記憶に関してだけだが。








 そんなどうしようもいことを分析していたら本日の宿泊地に着いたようである。

 現在の時刻は、まだ午後十二時半。

 早すぎる到着である。

 宿の人も困るに違いない。

 まあ諦めてくれ。

 俺は文句言わないから。



 実際、まだ準備の途中だったらしく、ただでさえ慌ただしい所に油を注いでしまったらしい。

 他人事だから冷静に見れることもある。

 俺には頑張ってくれとしか言えない。

 そんな訳で時間が余って退屈な俺たちは、少し観光を楽しむことにした。

 で宿の人に聞いたら、ここの名物は卵焼きらしいとのこと。

 食べてくるから昼の食事は準備しないでも大丈夫との旨を伝えて使用人さんと護衛の人たちと食べに行くことにした。



 で、卵焼きを買った訳だが。

 ふむ、でかい。色も形も日本と同じ物であり少し安心をした。

 ちなみに俺が驚いた大きさだが、屋台の焼きそばのパックくらいのサイズである。

 チラリと同じ店で購入した人を見ると、空けて普通に食べているが、俺にはこのサイズは無理だ。

 そんな訳で店の人に言って使用人さんと分けて貰うことにした。

 ちなみに先ほどから話題にのぼる使用人さんは十代後半の若者(男)である。



 まあ同性と年齢が俺よりも下ということもあり、結構気楽に話すことが出来た。

 そんな馬車に揺られながら道中に、俺の変なウンチクをいっぱい教えてみた。

 例えば、一生懸命に働き過ぎて身体を壊しても誰も面倒をみてくれないのでほどほどでいいとか、自然の中でアリは20%しか頑張って働いていなく、他の80%は適当に働いているから君も適当で大丈夫だとか。

 きっと将来有望であろう若者に残念なことを教え、尚その適当に話したウンチク話を納得させてしまった。



 これは俺の罪であろうか。

 だが、これで彼は過労死をしないだろう。

 そう考えれば、俺は未来ある彼を救ったのだろう。

 これもまた何が正しく何が間違っている定義なのだろう。

 ただ領主さんの立場で言うと間違っているに決まっているだろ! と言われるだろうが。

 俺を王都に丸投げしなければ、そんなことに……あっあれだ! 腐った果物理論だ。

 獅子身中の虫である。



 その獅子身中の虫である俺は、卵焼きに醤油をつけて食べている。

 使用人さんと半分に分けても結構大きな卵焼き。

 もう同じ味に飽きたので醤油を付けて食べている。

 他の人にも醤油を勧めたがなかなか評判はいいようだ。

 外国人にも反応の良い醤油である。

 この異世界でも強さは一緒みたいだ。



 卵焼きを食べ終え、一時間くらいのんびりして帰ると、すでに宿の用意は出来ていた。

 で、俺たちの泊まる貴族御用達の宿だが、特筆することなどなかった。

 領主さんに借りた部屋をこじんまりとし、備え付けの家具のランクを下げたくらいだろうか。

 まあシンプルで俺的には文句などないが。



 ちなみに領主さんの所までは遠く及ばないが、お風呂はあった。

 何というか五右衛門風呂みたいな感じである。

 俺には洗浄という生活魔法があるので、湯船に浸かっておしまいである。

 洗わなくていいのがポイント高い。

 洗浄魔法を使ってさっさとお風呂へ入る。

 この魔法があるから身体は冷えないのだ。








 で、翌日も何の問題もなく、予定よりもだいぶ早く宿泊地へと着いた。

 特に何も書くことがないくらい順調に着いたし、新たな出会いとかもなかった。

 まあ前日と違ったのは、景色と宿に早く着いたが準備してあったことくらいだろうか。

 あと、馬車内でのことだが、使用人さんが徐々に色々なことに疑問を持ち始めたようである。

 うんうん♪ 悩め! 若者よ! ←悩ませた張本人は結構他人事。

 きっと悩んだ後は、上手に手抜きが出来る人間になっているだろう。

 掃除は、見える所だけやればいいのだ的、人間に。

 で、潔癖症の方に怒られるのだ。



 そして、書くことに困る日がもう一日続いたあと、王都が見えた。

 大きくて立派な城と、その前に大きくそびえる門に結構維持費が大変なんだろうなぁと、どうしようもない考えが頭につく。

 小市民な俺は、立派な城など見るとすぐ金の事を思い浮かべてしまうのだ。

 そこにロマンチックな部分などはない。

 ただ、掃除など面倒くさいだろうなぁと的外れな部分は多々あるが。



 まあそんなこんなで王都に到着である。

 俺の今考えていることは、偉い人と会うの面倒くさいなぁと思うのと、こっちの礼儀作法を知らないので王族やら貴族やらに怒られないというか罰せられないだろうかの不安である。

 王さまやら王子さま、で王女さまに会って話をしてみたいなど、これっぽっちも思っていない。

 で、だ。王さまや王子さまがイケメンで、王妃さまや王女さまが美女だろうと俺には全くどうでもいいことなのだ。



 いい歳したオッサンが、テレビのアイドルに本気で恋をしないのと同レベルである。

 違う世界の人たち(まあ異世界だから全員といえば全員だけどとか言っている意味が違う!)だから俺には全く興味が湧かないのだ。

 まあせいぜい興味があるとすれば普段どんな仕事をしているのだとか、時間のある時って何をして暇つぶしをしているのだとか、そんな事くらいだ。

 知らなくても一向に構わないとも言う。



 で、門に馬車が近づいていく。

 さすがにノーチェックでは無さそうである。

 とはいえ、馬車を運転している人が身分証を見せたらあっさり入国である。



 遂にやって来た王都。

 可憐な姫君、そして待ち受ける刺客(王子)にどうやってマツシロは立ち向かうのか!

 ---次話、宿敵---

 君は新たな歴史の目撃者となるような、ならないような……。なったらいいね!

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