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第四話 悪夢の予兆


レイン「…お待たせ」

ミルア「あ!ようやく降りてきた!」

ランザ「…おはよう、レイン」

レイン「…ん、おはよう父ちゃん」

ミルア「あなた、今日のご飯美味しい?」

ランザ「美味しいよ、ミルア」

ミルア「ふふっ、嬉しい♡」

レイン「…母ちゃん、俺の時と父ちゃんの時で態度違くない?」

ミルア「あら、そう?」

レイン「…なんか、父ちゃんの時だけ優しい」

ミルア「そんなことはないわ」

ミルア「それよりレイン、早くご飯食べて片付けなさい」

レイン「…はい」

レイン(…なんで父ちゃんにだけあんな甘いんだよ母ちゃんは…俺だって…)


ミルア「…レイン?」

レイン「…あ、あぁ…何母ちゃん、父ちゃん」

ミルア「…どうして泣いているの?」

レイン「…え…?」


バサバサバサッ


レイン「…分からない…でも…すっごく…長くて…寂しい…気持ちがした…」

ミルア「…そう」

レイン「…凄く…長い夢を見てたような…気がする…」


コンコンコン


ライト「レイン!お前が朝飯食い終わったら遊ぼうぜ!」

ランザ「…友達が来てるぞ、遊びに行ってきなさい」

レイン「…あ、うん…行ってくる」

レイン「…父ちゃんも、外に行くんでしょ?気を付けてね」

ランザ「あぁ、気を付けるよ」


─知りたければ進め


レイン(っ!?)

レイン(まただ…!)


ランザ「…レイン」

レイン「…何、父ちゃん」

ランザ「…俺が外から帰ってきたら」

ランザ「お前が見たがっていた、天井裏を見せてやる」

レイン「…天井…裏…?」

ランザ「あぁ、そうだ」

ランザ「楽しみにしてなさい」

レイン「…うん」


ガチャッ…


ライト「レイン?」

レイン「…ん、あぁ…」

ライト「お前、ほんと最近大丈夫かよ」

ライト「謎の声ずっと聞こえてるんだろ?それに、最近暗いし」

レイン「…まあな」

ライト「病院は行ったのか?」

レイン「…行けるわけねえだろ、金ねえのに」

ライト「なんか、すまんな」

レイン「…謝んなよ、そういうタチじゃねえだろ」


─レイン、歩め。そして、自由を手に入れろ


レイン「っ!?」

レイン「まただ…」

ライト「今度は何て言ってんだ」

レイン「…歩め。そして、自由を手に入れろ…だってさ」

ライト「なんだそれ」

レイン「知らねえよ!知ってたら怖くなんかねえよ!」

ライト「それもそうか」


ライト「今日は何して遊ぶか~」

レイン「ほんとにそれな」

レイン「もう遊べるところなくなったしなぁ…」

レイン「カラオケとかボーリングとかあればなぁ」

ライト「からおけ?ぼーりんぐ?なんだそれ」

レイン「え?なかったっけ」

ライト「聞いたことねえな」

レイン「あれ…おかしいな…」


街 商店街

レイン「…あの子可愛くね?」

ライト「ガキだなぁお前は」

レイン「まだ俺らは13だろ?ガキじゃねえか」

レイン「てか、胸でけえとか毎日言ってるお前の方がよっぽどガキだろ」

ライト「うるせえ!」

レイン「俺がガキならお前は赤ちゃんだな」

レイン「母ちゃんのおっぱいでも吸ってねんねしてろよ~」

ライト「うるせえ!じゃあお前は遊んで飯食って寝てろよ!」

レイン「え、それ今の俺になんらマイナスじゃなくない?」

ライト「確かに」


???「…あっ!すみません!道に迷ってしまって…」

レイン「あえ!?あ、えっとですね」

???「あっ!申し遅れました!私」

ランザ「ランザ・レインと言います!」

レイン「え?レイン?」

ランザ「はい!」

ライト「運命じゃんレイン!」

ランザ「えっ!?貴方もレイン!?すごい!運命ですね!」

レイン(なんだこの子…近くで見ると…可愛い…)


ライト「ねえねえランザちゃ~ん?」

ライト「彼氏とかいる~?」

ランザ「ふぇっ…!?い、いないですけど…」

ライト「じゃあこの後お茶でも」

レイン「やめろバカ」

レイン「…ごめんなさい、こいついっつもこうで」

ランザ「…レインさんは、凄い大人っぽいんですね」

レイン「…まあ、色々あって」

ランザ「色々?」


ズキンッ


レイン「…ってぇ」

ランザ「大丈夫ですか!?」


ランザ「…っ!」

ランザ「…レインさん…」

レイン「…?」

ランザ「…どうして…泣いているんですか…?」

レイン「…また…」

ランザ「…また、って…」

レイン「…朝にも…母ちゃんに…何で泣いてるのって…聞かれて…」

ランザ「…何か原因が…?もしかしてトラウマとか…?」

レイン「…トラウマ…みたいなものかな…」

レイン「…俺は…ああするしか…なかったのかって…」

レイン「…俺は…自由を求めただけなのに…」

レイン「…自由に縛られた…奴隷だった…だからあんなことをした…」


ランザ「…誰にでも間違いはありますよ」

ランザ「…大事なのは、過去じゃない」

ランザ「これからの、レインさんの行動です」

レイン「…ランザ…さん…」

ランザ「…私とレインさんは今日が初めてだけど…私…その気持ち…よくわかります…」

ランザ「…大事な人を…この手で奪った記憶があって…誰かは分からないけど…」

ランザ「…本当に…そうするしかないのかって…前まで思ってた…でも…」

ランザ「過去は変えられない…これからどう藻掻いたって…分かった…だったら…」

ランザ「…前向きに歩こうって思えて、今でもまだ悲しいし、殺しちゃったのは嫌だけど…」

ランザ「誰かが…私に語りかけてくれた気がした…」

ランザ「…私は自由だ…忘れてもいいから…胸張って生きろって…」

レイン「…そっか…ランザさんも…」

レイン「…なんか、気持ちが少し楽になった気がする」


ゴーン…ゴーン


ランザ「…?」

レイン「…あー、帰って来たのか」

ライト「おいおい、そんな事言うなよ!英雄だぞ!」


ザッ……ザッ……


ライト「…っ!?」

ランザ「…ひどい…」


???「あのっ!!娘は!!娘はどこなんですか!!」

ケイル隊長「…貴方は…ケリー・スピット隊員の…お父様ですか…」

ケリー父「はい!!うちの娘は!!どこなんですか!!」

ケイル隊長「…貴方の…娘さんは…っ!」

ケリー父「…まさか…!」

ケイル隊長「…敵部隊に気が付かれ…時刻推定13時31分に…戦死しました…っ!」

ケリー父「っ!!」

ケイル隊長「…貴方の…娘さんは…!!最後まで…!勇敢かつ…恩義に満ち溢れた…!!」

ケイル隊長「良い人でした…!!我々は…心より…っ!!ご冥福を申し上げます…!!!」

ケリー父「あ…あぁ…!!」

ケリー父「あぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!!!!!!」

カイル副長「…これは、娘さんのご遺体です」

ケリー父「…ケリー…」

カイル副長「…娘さんは敵の集中砲火により、指のみのご帰還です」

ケリー父「…ケリーは…お役に立てましたか…我々イゾラ州の…未来の星になれましたか…!!」

ケイル隊長「…もちろんです…!!貴方の娘さんは…ケリー隊員は…!!」

ケイル隊長「ご立派に亡くなられました…!!」

カイル副長「…あなたの娘さんが残してくれた功績は、我々の進撃の糧になりました」

カイル副長「…我々は、貴方へ、そして貴方の娘さんへの最大の敬意を示します」

ケイル隊長「総員!!英雄を称え、敬礼せよ!!」

隊員全員「は…っ!!!」


英雄

それは、何の事だろうか

ケリー・スピットか

はたまた

隊員全員か

誰にもわからない

でも、これだけは分かった

この世界には、英雄もクソもない

明日には死んでいるかもしれない

英雄とて、死ぬ

英雄だから死なない

そんな甘い世界があれば嬉しかった

そんな世界があるなら、行きたかった

そう思うだろう

この世界では

英雄などというものを

語っている暇なんてないのだ


ランザ「私たちも…ああなるのかな…」

レイン「なるわけねえだろ…そうだと言ってくれよ…」


ドォォォォン


レイン「!?」

ランザ「きゃぁ!!」

ライト「なんだ!?門のところからだぞ!!」


そうして、私たちは嫌でもわからされた

この世界では、奴らから逃げる事などできない事に

俺たちは自由という翼をもがれた、鳥だという事に


次回 悪夢


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