第十九話 約束した事
私は、スぺランザ島フォールオン州で生まれた
王家「ランカ家」として
ライズ父「おい、ライズ」
ライズ父「さっさと働けよ」
私は奴隷だった
性処理も、家事も、炊事も
お父様の身の回りの事は全てやらされた
ライズ母「ランザ…ごめんね…守ってあげられなくて…ごめんね…」
お母様は、いっつも謝ってばっかりだった
違うのに、お母様のせいじゃないのに
ライズ「…お母様…?どうして泣いてるの…?」
ライズ母「私が…私が守ってあげられないから…貴方に…ばっかり…!」
ライズ母「…ライズ…限界になったら逃げなさい…私の事は置いて…逃げて…!」
ライズ「…なん…で…?」
お母様はいつもそうだった
いっつもいっつも、私ばっかり優先して
自分の事は一切気にしないで
ライズ父「おい、ライズ」
ライズ父「しゃぶれよ」
ライズ「…はい…お父様…」
私は、もう諦めていた
もう逃げられないって
私だって逃げたかった
でも、世界は残酷だった
いっつも逃げられない
逃げられたとしても
二日後にはつかまっちゃうし
そのたびに重たい罰が来ちゃう…
ライズ母「戦いなさい!!ライズ!!」
ライズ母「人は挑戦するのを諦めた時…初めて負ける…!!」
ライズ「…でも」
ライズ母「でもじゃない!!」
ライズ母「貴方は何にも行動せずにできないと決めつけるの!?違うでしょう!!」
ライズ母「私は…私は貴方がいたから戦える!!」
ライズ母「人は…!!守るべきモノが出来た時…強くなれる…!!」
ライズ母「良いから…!!黙って戦え!!!」
ライズ「っ!!」
バチンッ
ライズ「…お母様」
ライズ母「…ライズ…」
ライズ母「っ!!」
ライズ「…もう…何も奪わせない…誰も奪わせない…」
ライズ「だって私は…往生際の悪い…良い子ぶった…悪魔の子なんだから…」
ライズ母「…その目…良い目してるわね…」
私は初めて、自分の為に戦えた
お父様は死に、お母様も瀕死の重傷だった
でも私に悔いはなかった
ライズ母「…ライズ…貴方はこれから…ランザ・レインとして…生きなさい…」
ライズ母「…大事な…心から守りたいと思える人に…出会うまで…」
ライズ「…嫌だ…だって…そうしたら…お母様の子供じゃなくなっちゃう…」
ライズ母「…貴方が…本当の名前を思い出す時が…必ず来る…だから…おね…がい…」
ライズ母「…私の姉が…イゾラ州に…いる…から…」
ライズ母「…そこに…生きなさい」
ライズ母「…レインを…宜しく…ね…」
私は気が付けば、記憶がなくなっていた
でも、思い出した
お母様が言っていた、本当の名前を思い出す時が来る
ようやく、理解した
──
バキン
ゴキャァ
フリーズ「ごはっ!?」
ランザ「…巨…人…?」
ドクンッ…
ランザ「…あぁ…ようやく思い出した…」
ランザ「…私は…民族でもマリア族でも…フレイズ族でもなかった…」
次回 知性を持った巨人




