Nパート
一日の流れとして。
:午前:
体操 → 抜出 → 大区分 → 道順組立 ⇒ ”ミーティング” ⇒ 道順組立 ⇒ ”書留交付・9時便交付” ⇒ 道順組立 → 配達 → 帰局 → 休憩
という流れである。
「と、見せかけてだ。お客様には見えない部分の業務について、今回取り上げる」
「そんなのがあるんですか?」
「時間にして、10分くらいなんだが大事なことだ」
”全体ミーティング”は局によって、色んなやり方があるから割愛するし(あんなに酷いのは滅多にないと思うけど)。
「書留の交付についても、森橋がまだ書留に触れられないから、これもパスな!」
「は、はい!」
新人が書留を任せられるのは、早くて1週間、遅くて3週間ほどだと思います。
「書留もやらずに仕事を辞める奴もいるからな」
作者も3週間くらいしてからです。書留を任されていないのだから、自分の業務は周りの先輩達よりも早く終わらせろよって言われます。
「事実、できねぇとしたら、この仕事辞めてるからな」
「……………」
「書留をミスしたら、”ごめんなさい”で終わらないから。その時になったら、また言うよ」
「は、はい!」
来たばかりの新人に書留を任せないのも郵便配達の基本。仕事の基本を学ぶためです。
郵便配達の基本として、”大区分”、”道順組立”、”配達”、”事故処理”……。
どの仕事の基本として、”仕事を理解する”、”仕事先の同僚・上司の名前と顔を覚える”、”お客様の名前と顔を覚える”
ホントに覚える事が多いです。
「”出発前作業”と”帰局後作業”についてだ」
多くの配達員は、”道順組立”をある程度完了したら、出発をするわけですが。
バイクに郵便物の積込から局に出発するまでの間に色々とやっています。これは人によって、色々とあるので紹介程度です。
1.トイレやタバコなどを済ませる。
配達地域についてしまうと、トイレは自由じゃないですし、タバコも今は結構な言われをされます(作者は吸いませんが、タバコくらいは良いと思います)。
2.不在票・ロール紙の補充。
配達中の消耗品はしっかりと確保しておきましょう。
「いや、これ。なんで説明を……?」
森橋くんだけでなく、誰しも思うことである。
この”出発前作業”って、家から学校に行く時の自宅の行動と大体同じである。これも郵便局に限った話ではないが、
「遅い奴はとっとと出発しろ!!タバコ休憩とか長すぎ!!」
仕事の休息時間には45分とか60分などの決まりがあるんですが。”出発前作業”を利用して、30分ぐらい、喫煙所で雑談して過ごして、仕事終わらねぇーとか叫ぶどーしようもない人達もいます。
吸うなとか休憩ばっかりしてるなって言ってるんじゃなくて
「遅い奴の仕事を、こっちに振るな!!ちゃんと残業与えてやらせるか!!いっそ残業代を払うな!」
配達時間より休憩時間が長すぎます……。雑談は仕事と一緒、って解釈する方がいるのは結構ですが。こーいうのが班内の人間に浸透して、班全体のアンバランスが出て来るのはホントに困るんです。
「俺達の班、普通にオカシイからな!!平均書留、50本って異常なんだぞ!!他の班だと、20いかなかったり、10もいかないとかもある!!」
班員の質も問われています。仕事がキツイキツイは、言う分には全然構いません。
ただ、具体的なデータを見てキツイとか言われたり、休憩中にグチグチ言っているとイライラしちゃいますね(笑)。
「俺達が他所の班にいったら、使えねぇのクビにすっからな!!」
「………な、内部事情を話すのはちょっと……」
「仕事が遅い奴の特徴は2つある。1つ、ミスが多い。2つ、行動が遅いOR休憩が多いOR雑談が長い!他の仕事だったら良い事もあるけど、この配達の仕事は日中が勝負だかんな!!極論、日が出てる時に休むって、もったいないからな!」
些細な事ですが、”出発前作業”が遅い方で仕事が早い方は……見た事ないです。
基本、事前準備はしています。
その上でどの仕事もよくやる、致命的なことは
「忘れ物をしないこと!」
午前に限って言えば、午前希望の郵便物と速達さえ、忘れなければいいです。
午後に配達すりゃあいいでなんとかなります。
「人によるが、まず”ロール紙”や”不在票”は仕事が始まる前に確保しておけ」
”不在票”に関しては、ホントに早い者勝ちです。
各区の書留の本数は、交付段階までは詳しく分かりません。1日の書留総数は、全体ミーティングで分かったりしますが、アテになりません。山口の言うように班のアンバランスはあります。
「さっきは怒ったけど。トイレやタバコを吸いに行くんだったら、……必ず、出発準備を済ませてからしろ!戻って来てから準備をするな!戻って来たら、台車を押して、エレベーター乗って、バイクのとこまで行け!」
些細な事ですが。トイレ休憩などを”中途半端なタイミング”でしない事を勧めます。ホントに実際、そーいう方がいますので、止めてくださいね。
なんでって言うと、理由はシンプルで。忘れ物に気付かないんですよ。忘れ物をすること事態は責めませんが、少しでもそれを無くす工夫や努力はしましょう。なので、トイレ休憩を行く場合は、業務に一区切りがついたところでいきましょう。
「忘れ物が仕事に響くというのは分かります(学校でもそうだったし)。具体的にどーいうのを忘れるんです」
「……よくあるので言えば、”定形郵便物の詰み忘れ”、”速達の忘れ”、”書留の忘れ”だな。先に解決策から言うと、”準備してからの休憩”と”やり方の固定化”だな」
準備してからのトイレやタバコの方がかなりの確率で忘れ物が減ります。
ホントの新人の内はこっちだけ気を付ければいいです。
「色んな区を回されると、やり方が変わってくるんだよ。業務が同じでもな……。野球やサッカーでポジションが違うと普段のプレイに違いが出るだろ?配達の仕事で区が違うからって、あんまり言い訳になんねぇんだ。悲しいけどな」
”積込”の仕方には色々ありますが。……やり方は本人がやりたいように任せましょう。これは配達業務に関して、影響するものです。
代表的な例として挙げるのなら、”定形郵便物”を前カバンに詰め込む動作です。
配達ルートに沿って詰め込むわけですから、”その逆”に詰め込んでいく必要があります。前カバンから取り出しやすい位置に”定形郵便物”の束を置かないと意味がありませんから。
その”積込”の最中に、”定形郵便物”を積み忘れるというのはよくあります。
「このやり方の場合、”道順組立”をした”定形郵便物”は元の区分口に戻すからな」
この場合は、”定形郵便物”を積み込んだ後。もう一度、しっかりと区分口を確認してください。シンプルな方法が一番です。
「あとは離れの区分口にしてある、大型マンションの”定形郵便物”だ。こーいうのって、最近できたばかりのところが多いんだよ」
新人の場合は、そうなんだ、としか思えませんが……。
沢山新築などができても、区分口を増やしてくれることはあまりないです(予算ない)。
そのため、わずかに空いている区分口に新築マンションのコマを作っています。なので、1コマなのに50世帯以上をぶちこんだりしたり、道順通りの区分口であることはないんです。
こればかりはしょうがないんですが、結果として、見えていないところ・確認のし忘れによる、集合住宅の”定形郵便物”の束、忘れってのはあります。
「それと”速達”と”午前配”の忘れだな。新人から1年は、俺は酸っぱく言うけど、”速達”と”午前配”を配達してから、”通常配達”をしろ!絶対にな!」
ドーーーンッと効果音が付きそうなくらいの山口の発言。
「だははははは、山口くんは身に染みてるようだねぇ~」
「お前が時間指定忘れて、俺が代わりに行ってやったよな~」
「あーっ!うっせーうっせー!!木下さんと矢木さんは黙ってて!!」
「だ、誰しもある事なんですね……」
”道順組立”の中に速達や時間指定を組み込むやり方はある。だが、それを新人にやらせたくない。無論、
「例えば、最初に行く会社とか学校とかは、速達や時間指定を組み込んでいいが。それ以外は許さんぞ」
OKを出せるのもある。だが、基本はNGを山口は言う。自分自身も弄られるくらいにやってきた事だが、”時間指定”の忘れ物は、誤魔化しがきかないのだ。
それと、大事おおごとにする事ではないんだが、”速達”の忘れは結構、響く時もある。森橋くんは真面目だから、その疑問を感じないけれど
「時間指定の寄り忘れは、新人の行事みたいなもんだ。今、注意してもお前も忘れる。だから、先に回るようにな!」
「は、はい!!」
「………”他の理由”があるんだけどな」
◇ ◇
ブロロロロロロ
「独り立ちは明日からか」
山口の後ろをつけて、森橋くんもバイクで追いかける。ちょっとぼやいておく。
なぜに”出発前準備”の項目を用意したかというと、……。配達員の特徴によるが、配達業務におけるルート決めというのは、必ずしも正しくあるとは限らないからだ。
午前配に大型マンションがあれば、そのマンションの通常郵便をやっておくといったこと。
現地着いてから、今日の配達ルートを考えようではなく、できるなら出発前の段階。もっと良くなれば
「仕事ができる俺達はいつも決めてるけどな」
優秀な方は、どの区を任せても、”自分のやり方”を再現できます。
それは会社が用意している基本動作を踏襲して、自分流のやり方をします。作者も会社の基本動作を無視した動きをしています。それは会社が机上の空論や井戸端会議で決めた基本動作をやった上で、自分に合わない部分を省はぶいたと、してます。
間違えないで欲しいのは、会社の”基本動作”は大事です。これをやった上で考えてください。やりもしないで、自分の”意見はこうだ”ってやったら取り返しがつきません。あれは自分がどーいう行動をするか、自分自身でご理解してください。会社は自分のミスのケツを拭いてくれるので。
ウザいくらいの注意事項を述べたところで、
山口が言わなかった、”他の理由”というところを代わって解説していきます。
新人の内は、どーいう風に配達していくか、そこに注力してもらいたいです。
まず、慣れない道を決められたルートで通る、あて名とポストをしっかり確認して投函する、”時間指定”や”速達”を考慮して配達する。
とにかく、不安もあるかと思います。
道順組立を終えて、出発準備、積込、現地までの距離(これに関しては配属によるが)。
諸々を含めて、配達を始めるまでの時間は10分近くは掛かります。短いか長いかは人によりますが、業務開始を8:00からとして、10:00に出発、10:10に配達業務をします。
そこで、今日のあなたの”速達”は何本ですか?”午前配”はいくつですか?
どのようなルートで回りますか?どのお宅に”午前配”はありましたか?
午前配の”書留”はいくつですか?午前配にゆうパックはありましたか?
何も書いてないので、この質問責めも訳分からないと思いますし。
そーいう答えが正しいと思ってください。
同じ区を毎日こなせば、記憶がゴッチャになります。誰も”速達”と”午前配”の位置や順番を明確に覚えてません。”朝の便”と”書留交付”、”9時便”という……。数時間の内に、3回も”速達”などが来てしまいます。
”朝の便”でもらった”速達”・”午前配”だけで、ルートを組んでも、崩されるケースはあると思ってください。全ての”速達”・”午前配”が出揃った時点で、最終的なルートを頭にインプットするように。これが結局、”出発前作業”の時にするか、”積込”の時に決めるか。いちお、作者は後者です。
新人のミスにありがちなのは、”全部できました”、”終わりました”って言葉なんですよね。
別の方がよく見返すと間違えや見落としに気付いておらず、指導者や先輩方もすぐに気付けません。
で、”速達”や”午前配”、”12時~14時”、”16時~18時”などの時間指定の寄り忘れは、誰もが普通にやります!!
特に気を付けるのは、”速達”と”定形外の時間指定”
この2つは端末上には残らず、存在するかどうかは担当の配達員しか分からない。
”うげっ、書留カバンの中に昨日の速達が残ってる!!”
”12時~14時の荷物を寄り忘れた!!”
という事は誰でもあります。そして、そーいうミスはヤバイです。特に速達を日を跨いで配達するのとか。
そーいうミスを新人の内から防ぐため。
”午前配”・”速達”は、最初に寄る。
”12時~14時”・”16時~18時”は、配達が終わったら寄る。
といった決め事を身をもって感じて欲しいんです。
同じこと言いますが、
”速達を寄り忘れて、次の日送りにするのはかなりヤバイです”
例に挙げましたが、書留カバンの中から”速達”が出て来たり、不在票と不在票の間に挟まっていたとか、バイクのキャリーケースに”速達”が引っかかっていたとか、実際に起きてます。
”速達”がそーなりやすいのは、”通常郵便”とは別組で纏めている事が多いからです。だったら、通常郵便と一緒にすりゃあいいって、単純な解決策もありますが、午後分の郵便物まで準備するなんて、新人にはもっと難しいですし。中には待っている速達もあるので、新人にはオススメしません。
だから、そーいう力技でやる解決策は手段の1つとして、丁寧な配達を心がけるとしたら、早めに寄ってください。書留カバンの中に”速達”を入れるのは珍しい行為ではないんですが、逆に、”書留”を”速達”と勘違いして、処理してしまうという事例もあります。
そうなれば、客に届いていても、端末上での不符合ふふごうが発生し、”書留”の捜索という面倒な事態になります。届いてれば結果としていいですが、”書留”や”ゆうパック”はそれで良いだろうって解決にはなりません。
ブロロロロロロ
「おーしっ、じゃあ、今日から道順に教えるけど、先に午前配とか潰すから待ってて」
「はい」
もう1つに、”キャリーケースや書留カバンの整理”がしやすくなる事です。
郵便物が減ったとか騒いだ話はありますが、近頃は郵便物に厚みが増して、嵩張りやすくて鬱陶しいです。”速達”や”午前配の書留”なんて封筒サイズなのに、こっちを優先して配るってのはオカシイ話だろって愚痴りたいものですが。
どんな人も、自分一人で道順に並べても、全てを記憶できません。時間が経てば経つほど、忘れます。
そこで早い段階で”速達”と”午前配”を潰すのは、”キャリーケース”や”書留カバン”の中を綺麗にする意味では有効です。それ+、”大型の郵便物”を潰して回るといった手法を取り入れるのも良いです。
忘れ物というのは、局に残してきただけでなく、現地の”寄り忘れ”ということも該当します。こんなの日常茶飯事です。
”寄り忘れ”がないという状況に持ち込んでからの配達はかなり早くなります。




