Mパート
「”大区分”が一通り終わったら、”道順組立”だ」
「凄く長いミーティングのせいで、色々吹っ飛んだんですけど……」
「奇遇だな。作者も1か月ぶりにこれ書くから、色々忘れてたんだよ」
”道順組立”
配達業務を行う際には、必須な作業である。
この作業を主軸としたお話もあるので、詳しく見てみたい場合はそちらをお願いします。
「じゃあ、この業務は省くか」
「探して読むの面倒なんで……」
「まぁ、そうだな。業務の確認って事で、”道順組立”とはなにか?どのような作業なのか?という解説だけにしようと思う。コツとかは、別の方で見てくれ(長いんだな、これが)」
そもそも”道順組立”とは?
配達を行うために、配達ルート通りに郵便物を並べる作業である。
この配達ルートは、”大区分”によって、街区分けされた区分口にそれぞれに”道順”があり、それに沿って郵便物(定形サイズ・定形外サイズと分ける)を並べる。
配達ルートは、”配達原簿”と呼ばれる資料があり、こちらに”世帯主”、”家族”、”企業名”、”住所”、”転居情報”、”順番”などが記載されている。
この”配達原簿”は区分口によって、複数枚用意されており、これをページ毎に並べてから始めます。
”定形外”は区分口内に入った、定形外郵便物。”定形”は区分口内に入った定形郵便物と、”2パス”と呼ばれる、”定形郵便物”が機械である程度の道順が成された定形郵便物の束と一緒に並べます。
「この白いケースに詰まった定形郵便も並べるんですね」
「新人にやりがちなのは、2パスを忘れて組立をしちまう事だな」
2パスの大まかな仕組みは。
道順通りに並べつつ、”同番地で固めている”という状態です。
マンションやアパートは部屋番号の順番。……もとい、”配達原簿”に記載された通りに”2パス”は整備されてやってきます。
「2パスでも区分口でもそうだけど、昔住んでた人の郵便物や全然違う人の郵便物も来る。それは”道順組立”をした人にしか分からないから、そこはまず絶対に注意するべき点。特に集合住宅はな」
”道順組立”の注意点①
前に住んでいた人ORそもそもいない人の郵便物は、”道順組立”をしないこと。
新人配達員も間違えますし、ベテランの方々も間違える事は多々あります。
郵便に限った話になって割と腹が立つ話ではありますが、そもそもな話。差出人が受取人の住所を間違えていても、郵便局を除いた宅配においてはクレームになる事はありません。これはAMAZONなどの通販で、受取人が住所を間違えて住所登録した時も同様です。
差出人(あるいは、受取人が記入した住所)が指定した住所に、ちゃんと荷物が届いていれば、業者としては誤配でもなく正当な配達になります。文句言いたきゃ、差出人に言え、住所間違えてるのなら頼んだお前が悪い。といった感じの対応で十分過ぎる正当性が出ます。
お荷物を出す際は、しっかりと住所・電話番号を間違えないように。
「まず、”道順組立”の段階で、前に住んでた人の郵便物を入れたら、誤配するって必ず頭に入れてな」
「は、はい!間違えないように組立します……」
郵便の場合。前に住んでいた人は、転送OR返還処理が成されます。
郵便の転送は、お客様から転居情報を受理してから”1年間”です。ずーっと転送を行っているわけではありません。転送期間が切れた郵便物は返還処理になります。
また、郵便物によっては”転送不要”という差出人の指示があります。この場合は、受取人の転居情報があったとしても、返還処理になります。
「これは道順に並べる作業だが、道順にならない事は新人の内は良くある。そこんとこは苦労しとけ。配達で苦労すっから。全員通る道」
”道順組立”の注意点②
配達原簿を見ながら、郵便物を左から順々に並べていく作業ですが。新人の内は特に並びも乱れてます。
正確にやっていると豪語してもそんなもんです。
「集合住宅はさっき言ったように、前に住んでいた人を組み込まなければいい。ただ平地の場合、この並び間違いが思いっきり響く」
「そうですね」
「それと”大区分”がちゃんとしてない内は気を付けろ。慣れ始めで特にやるのが、苗字しか確認しない・部屋番号や住所の思い込みで組込、配達をするケースだ。(木下さんがよくやる)」
”道順組立”の前に、”大区分”の業務を行っています。この作業でミスや思い込みがあると、”道順組立”にも影響が出ます。
何年とやってきても、配達原簿で見ているのは”苗字”と”部屋番号”くらいしか意識せず、同一ではなくても似ているだけでも、脳みそは反応しちゃいます。郵便物の字体はモニターと違い、ハッキリしているとは限らないです。
似た例として
1.”佐川” ”佐山”
2.”稲生” ”稲井”
3.”遠藤” ”進藤”
4.”北砂流町1-19-7 西井 北砂流町1-19-17 西井”
5.”砂流町3-5-3 203号室 北砂流町1-5-3 203号室”
”大区分”の時とは違い、じっくり見ておらず、道順組立中はかなり早く手が動き、人間の目の捉え方は一部分を認識して判断しています。そこに記憶と経験が混ざって、”配達した事がある”って頭は、余計に判断に自信を持ちます。似た苗字が並んだりしたり、読みにくい会社名、似た住所なのはその都度注意しましょう。
「これは住所にも言える事だ。違うマンションの郵便を組み込む場合は、だいたい、”大区分”を間違えてるから。マンションの組立は、自ずと”部屋番号”しか確認しねぇから」
誤配の対応・原因の研究などでまた触れるところにします。
”道順組立”の注意点③
”郵便物の処理”は間違えないこと。
これについては、
「お客様が間違えてたり、申告しねぇのがそもそも悪い!!」
「あ、はい」
「ぶっちゃけ、転送・還付処理なんてな、費用がムダだ!ホントに……」
95%は従来通り、配達という処理がされる。(道順組立をした上で)
残りの5%くらいが、”転送”、”還付”という処理になる。(大まか)。
処理の判断は、簡単ではあるが、
「どの仕事も”間違い”は面倒なんだよ」
前と同じ話になるが、”転送”と”還付”を間違えてしまうと、他の人達が気付いてくれる可能性はほぼない。判断は簡単だが、だからこそ、このミスは大きくなる。
「転送シールを貼った郵便物が、まさか間違えてるなんて、転送先で任された担当者は考えもしないからな。還付も同じで、誤還付を想定しないし、判断できない。配達地域の誤配なら謝って回収で済むけど」
処理を間違えると面倒だよって事を山口に教えてもらった上で、
「山口さん。転送や還付の処理を判断するには、どうすればいいんです?いや、配達原簿に載ってるし、転送シールも区分口に入ってますけど」
郵便物の処理の判断。
1.配達原簿の下の方に赤色の文字で、”転居者”が書かれています。これは主に”一部転居者”です。
2.配達原簿のファイルに入った裏側に、”転出一覧”と呼ばれるモノが差し込まれてます。これは転居届を出されたお客様の情報が記載されてます。
3.区分口の中にある、転送シールを確認する。
「基本はこの3つだ。とはいえ、お客様は転居届を出さないで勝手に退去する事もある。その場合、反映されないからな(こっちで処理しなきゃいけないが)。転居情報が無くなっていたら、還付処理だ」
「転送シールと転出一覧を確認すればいいんですね」
「……というわけにもいかない」
基本はその3つを守っていれば大丈夫なのだが、在り来たりで例外的なパターンがある。
「空き家に人が入ってくる可能性がある。なんでも返せばいいってもんじゃねぇんだ」
配達原簿が全てを記録しているわけではなく、”現在”の状況を記録してるだけ。
転入してくる人よりも早く郵便物が届くケースもある。そして、それを確認せずに返すとこっちの責任になる。分からない郵便物は現地調査。確認ハガキの投函となるが……
「同居人や旧姓だって事もある。分からない郵便物は確認する」
「けど、それはキリがないような」
「まぁな。中には過去の人も記録してるのもあるがな。新人は特に意識して欲しいのは、……どの職場でも変わらないけど」
4.班内の人間に確認をとる。
任される地区を知ってる人は班内に何人かいるものです。過去の転居者・住人だと分かる事は良くあります。
「こーいうのは俺や実さん、木下さんに訊いてくれ。すぐに答えるから」
5.郵便物の種類によって判断する。
現在、住まわれている方が欲しい郵便物はあるものです。その種類によって、処理の判断が異なります。判断ができるという事は確認の手間が省ける事に繋がります。
A.公共料金・インターネット開設・不動産関係
お住まいに必要な書類は先に到着しやすい。(お客様が転入届を提出するよりも前に)
B.AMAZONや楽天といった、通販関係のゆうパケット・ゆうパック
転入と同じく、お客様が”自ら”頼んでいる事はよくあります。
「郵便物による判断で注意して欲しい事がそれぞれ1つずつある。Aの場合、そもそも住んでた人が死去してる場合も郵便物が来る(死亡を伝えてないケース)。Bの場合、転入してきたばかりだから、お客様が部屋番号や住所を間違えてるケースがある。特に部屋番号。どっちも滅多にはないがな」
新人の内は、”郵便物による判断”は個人では勧めません。
還付処理は相方がしっかり確認すりゃあ、済む話ですが。新人が判断した郵便はまったく信用していません。”この郵便物は絶対に居ない”って分かるのもあるんですが、それを新人に伝えてしまうと、いる人間の郵便を誤還付する事があります。
配達が遅れるなんて事は大した事ではないですが、処理を間違えると余計に面倒です。
とりあえず、1か月です。
1か月はこの仕事を続けてからこーいう事を覚えたり、見て来たりしてください。
図を作り過ぎた……(すまん)




