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呪いでTSして筋力を失ったので支援に徹底したら男パーティを追放された僕 ~追放されたけどもう遅かった。  作者: 終乃スェーシャ(N号)
六章:両親が期待した“理想の長男”は娘になって彼氏を紹介しに帰還。~育て方を後悔したってもう遅い。
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ボクは一度惰眠を貪ることにする。きっと熟睡するから何をされても起きないとは思う。ボクに悪戯するんじゃないぞ? まぁ何をされても起きれないかもしれないが……

お久しぶりです。年末年始だらけて、腰をやってと期間が空いてしまいました。申し訳ない。

ノクターンは今1万文字ぐらいです。

今回はちょっと短めですが、リハビリ兼ねてなのでご愛嬌を。


感想、レビュー、ブックマーク、ポイント、いいね!!待っているぞ?




 ――問題なく出航し、しばらくは甲板で海風を浴びていたが、そのうち四方八方全て水平線が際限なく伸びていくだけになると、飽きて部屋に戻った。


 急な決定ではあったが幸い、二等船室は空いているおかげで個室だ。


 空いていなければ大部屋に吊されたハンモックで集団で過ごすことになるところだった。


 そうなれば何人がエルクロに性癖やらを破壊されるか想像もできない。


(うぅ……すまない。酔ってしまってね。それで少し服を脱いだだけだったんだが。みたいなことをボクがするとでも?)


 頭の片隅でエルクロが嘲っていると、本物のエルクロはそそくさと窓を開けた。


 海風が強く吹き込んで、長い黒髪を靡かせていく。


 髪は血を吸って鮮やかな赤い色彩を帯びていた。


 エルクロは深呼吸を何度か繰り返すと、ベルトを緩め、ボタンを外していく。


 服が緩むと、色白い肌の曲線が曝け出されていく。


 首筋から華奢な肩、鎖骨が視界に入っても、釘付けにされた。


 エルクロは嫌がる様子もなく、むしろフンと、満たされるみたいに鼻で笑うと、蠱惑的に微笑んでくる。


「すまない。酔ってしまってね」


 そう言ってちょこんと、隣に座った。


「それ他の人にしないでくださいね? 勘違いさせますよ」


「君の考えは勘違いではないと思うがね?」


 真紅の双眸が爛々と、妖しい光に満ちたまま見上げてくる。顔を覗き込んでくる。


 牙が垣間見えて、唾を呑み込む他なかった。


 指先が首元を撫でた。


「三日も移動に掛かるのだから少しぐらいお互い暇は潰すべきではないかね?」


 甘い囁きが耳元をくすぐる。元男だとか女だとかは関係ない。エルクロが、エルクロが、甘えてきている。


 その事実が熱を込み上げさせて、ゆっくりとエルクロの衣服に手を掛けた瞬間――。


 研ぎ澄ました知覚に第三者が触れた。


「誰ですか!?」


「…………ニャゴーン」


「なんだ。猫ではないか」


 ――ここは船だぞ。そんな訳があるか。


「サンゲツ……!!」


 慌てて扉を開けるもそこに彼の姿はなく、代わりに扉には防音の魔法陣が刻まれていた。


 余計なお世話が過ぎる。


「その方陣は、我が友サンゲツのものではないか」


「そのフレーズ好きなんですか……?」


 なんだか雰囲気がなくなってしまって、部屋で2人きりに戻ってもしばらく沈黙が続いた。


 エルクロはわざとらしく欠伸をすると窓を閉め直して、無警戒にベッドに寝転がっていく。


「ボクは一度惰眠を貪ることにする。きっと熟睡するから何をされても起きないとは思う。ボクに悪戯するんじゃないぞ? まぁ何をされても起きれないかもしれないが……」


 そう言ってエルクロは小さな寝息をすぴーと立てて寝始める。


 確かに夜は眠れていない。疲れているのだろう。


 俺はそう判断して一緒に昼寝をしたが、目を覚ましてみるとエルクロは少し不満げだった。


 ジトリと冷たい視線が突き刺していたが、原因は分からない。



 さておき、余計なお世話はまだ続いた。


 いや、もう余計なお世話などという表現はやめよう。


 だる絡みと揶揄いだ。


 水平線に日が沈み、やれる暇つぶしも釣りと……まぁ、他は言葉にしなくてもいいだろう。


 それでとっとと食堂に向かうや否や、シェフが駆けつけてきて俺たちの手を強く握ってきた。


「ああ!! ギンロウ様! エルクロ様! まさかお二人があのお方のご友人だとは!! あのお方の料理を観られるとは、料理人としてまたとない機会でございます!!」


「…………ルロウ」


 姿は見せてこないが余計なことをしたのは明らかだった。


 感激するシェフに背を押されて、個室に案内されると次々と料理がテーブルを飾っていく。


 スッポンの生き血。


 グリフォンの睾丸と心臓のロースト。


 燻製鰻と牡蠣と香草ワイン蒸し。


 カタツムリと鹿茸と火竜の卵黄のアヒージョ。


 胡桃とアーモンド、蜂蜜のペースト。


 どれもこれも精力をつけるための料理だ。


 エルクロも流石に気づいたのか、目を見開いて顔を赤らめて、


「……おぉ」


 とだけぼやいた。


 ――おおじゃないが。


「こちらは隣室のお客様からです」


 袋が渡される。中に入っていたのはどこぞの変態司祭が大好きなスク水衣装と、シスター服だった。


『主の御使いがおっしゃっています。聖人は目を瞑りますと』


『これを使って仲良くするように。アズより』


「……おお」


「おおじゃないが」


 思わず声が出ると、エルクロに冷ややかな視線を向けられた。


「……いやまぁ、着て欲しいなら着るがね?」


 耳元で囁かれた。

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