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学園戦兎トリプルバニー!~えっちな怪異は許さない!バニー戦士の三人娘は「ピンチ」に負けず魔を祓う~  作者: 優パパ★&タマネギーニョ
第8話「学園の人魚に迫る魔手! 碧衣、決死の水中戦!」
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その9「開戦! 青のバニー戦士VS《プールの怪異》ジェリーマン!」

GW毎日更新続きデス!

(良かった……碧衣さん、変身できて……)


 無地復活を果たした碧衣に、宗春はホッと安堵する。まだ全然事件は解決していないけど、玉神の加護もあることだし、何より碧衣さんならきっと何とかしてくれ……って、え? 碧衣さん??


 気が付けば至近距離からものすご~く不機嫌……というか物騒な顔をされていて、宗春はたちまちギョッとなる。てか、至近距離って……そ、そうだった! 今のこの状態は!?


「……何であんたが私に抱きついてんのよ?」


 恐らくこれも《神衣》の力なのだろう。水の中だというのに普通にしゃべれるとか便利……って、そんなこと感心してる場合じゃないし! てか、抱きついたの碧衣さんの方ですよねぇ!?


「とっとと離れろ! このエロ春ッ!!」


 あたふたする宗春をドカッ!と突き飛ばし、続けてギロッと一瞥した後、「後で殺す」と吐き捨てる碧衣。いやもうマジで怖すぎるしッ!(ガクブル)


 でもギリ助かったことに、どうやら「キス」のことは覚えてないようで(そんなことバレたらマジで殺されかねない!)、碧衣は最後にもう一度ギロッとすごむや、もはや宗春など眼中にないとばかりに、水底を蹴って突進した!


(はっ……速いッ!)


 驚嘆する宗春の前で、碧衣はあっという間に怪異との距離を詰めていく。すごい、「泳ぐ」というよりまるで、「空を飛んでいる」みたいだ! これも《神衣》の力!?


--フッ、まぁ吾輩の生んだ《神衣》であるからそれぐらい当然じゃが、特に碧衣のものは特別製でな。水中でも高速移動ができる、いわば《水陸両用バニースーツ》よ!


(…………バニースーツにそんな機能いります?)


 思わずツッコむ宗春に、玉神は「何をッ! 『水陸両用』は男の浪漫じゃろうが!」とワケのわからぬ返しをする。まぁ、そのこだわりは正直意味不明だけど、実際役に立ってはいるしな……


 と、いつものやり取りをしている間に、碧衣は怪異の真後ろに迫る! そして、胸元から苦無を抜くやいなや、三姉妹に夢中でガラ空きの背中に、勢い良く切っ先を突き立てた!


「グガアアアアアッッ!?」


 背中を刺された怪異の口から、苦悶の叫びがほとばしる! 


 とはいえ、普通の人間なら致命傷な一撃でも、そこはあくまで「水の塊」だけに大きなダメージを受けた様子はないが、《神気》をまとった刃相手に無傷とはいかないようで、怪異の動きが一瞬止まる!


「今ッ!」


 その隙を逃すことなく、素早く前方に回り込む碧衣。同時に別の苦無を胸元から引き抜き、怪異の食腕に切りつけた!


 シュバッ! シュバシュバシュバッ!!


 青い光に煌めく刃は水の触腕を軽々断ち切り、三姉妹を拘束から解放する!


「えっ、碧衣様ですか!?」「そ、そのお姿は一体!?」「何でバニーガールなの??」


「いいから早くプールから上がって!」


 目を丸くする姉妹たちに素早く指示して、両手に苦無を構えた碧衣は、「逃がスか!」と迫る新たな腕を次から次へと払い除ける! 彼女たちが無事に脱出できるまで、一ミリたりとも近づけはしないという、それはまさに鉄壁の構えであった!


(……でもそれはそうと、思いっきり「正体バレ」してますけど大丈夫なんですか?)


--《認識阻害》も万能ではないからのう。今回みたいなバレバレなケースはさすがに誤魔化せぬよ。でもまぁ、「記憶ぐらい」なら後で「どうとでもできる」から別にいいんじゃね?(・∀・)


(さ、さらっと怖いこと言ってますよね……)


 と、宗春と玉神がヒソヒソやり取りをしているその間にも、三姉妹はプールの端に辿り着いて--!


「碧衣、全員上がったよ!」


「わかった!」


 ジャバーーン! 朋代の叫びが聞こえると同時に、碧衣もまたイルカのように水中からジャンプを決めると、そのままくるっと回転を決めてプールサイドに着地する。


 そして碧衣は怒りと闘志に柳眉を逆立て、改めて怪異に向き直った! 


「キ、貴様あアぁッ!」


 だが、そこは相手も怪異である。射貫くようなその視線にも怯まず、逆に激しい怒りを込めて、怪異は碧衣に向けて叫んだ!


「何ダ『そノ格好』はッ! 『競泳水着』ハどうシたッッ!!」


「え……?」「そっち……?」「ブレなさすぎでしょ……」


 村上姉妹たちがドン引きする中、怒り狂った怪異が吠える!


「神聖ナ競泳水着をナイがしろニするトは、何たル冒涜ッ! 許さン、許さンぞ貴様ァァッ!!」


「…………あんたにだけは『競泳水着への冒涜』とか言われたくないわね」


 そんな怪異を冷ややかに見下ろしながら、馬鹿にしたように碧衣は笑う。


「それにもうプールから上がっちゃったから、あんた何にもできないじゃない。何をどう『許さない』のか、教えてもらっちゃおうかしら? もしかして、さっきの水鉄砲みたいなヤツ? ハッ! あんなショボい攻撃、今の私に通じるわけないでしょ。何なら試しに撃ってみる?」


「グ……グぬぬぬ……ひ、卑怯ダぞ貴様あァァ!!」


「それもあんたにだけは言われたくないわね。でも……」


 そこで碧衣はフッと笑うと、濡れて艶やかさを増した黒髪を優雅に払う。そして挑発的な視線を怪異に向けるや、まさに「学園の女王様」な威風で言い放った!


「あんたみたいなのが巣くっていたら、おちおちプールも使えやしないし、特別のお慈悲で遊んであげる。あんだけ『好き放題』してくれたんだもの、楽に死ねると思わないことね。たっぷりといたぶってあげるから--覚悟しなさい、この変態怪異ッ!」


 ダンッ! 瞬間、碧衣はプールサイドを両足で蹴ると、美しいフォームで飛び込みを決める!


「なッ……!?」


 まさか自分から来るとは思わず、唖然とした様子の怪異であったが、しかしそれも一瞬! ザブン!と頭から水に潜るやグングン近づいてくる碧衣を捕獲するべく、怪異は水の触腕を伸ばす!


 バシュッ! バシュバシュバシュッ!!


 だが、碧衣が振るう両手苦無に触腕は次々と切り裂かれるばかりで、捕獲どころか指一本すら触れられない! それどころか碧衣はまさに人魚そのものな動きで、水中を自在に移動しながら、怪異に斬撃を加えてくる!


「おッ……おノれえェェェ!!」


 苦痛に苛立ちを募らせた怪異が更に触腕を荒ぶらせるも、そんな大ぶりな動きが碧衣に通じるハズもない。あっさり全てをかわされたばかりか、かいくぐって懐に入り込んだ碧衣にズブリ!と苦無を突き立てられて、怪異は「グがかあああアッッ!!」と悲鳴を上げた!


 そんな圧倒的な機動力の違いに、誰が見ても碧衣のワンサイド--というか「嬲り殺し」にさえ見える戦況であった--が!


(で、でも玉神様、これってヤバイんじゃ……)


 あのままプール内にいたら巻き添えになりそうなので、こっそり上がってプールサイドから観戦していた宗春が(なお《玉神アイ》のおかげで水中の様子もクリアーに見えるぞ!)、水中で繰り広げられる激闘を見ながら、思わず玉神に問いかける。


 確かに戦いは碧衣が押してる。でも、いくら刃物で斬ろうが刺そうが、水で出来た身体に決定的なダメージを与えているようには見えない。しかも相手は水がある限り、無限に触腕を増殖できるし、身体だって再生できる。いくら玉神の《神気》でパワーUPしているとはいえ、このまま長期戦になれば、やはり碧衣は不利なのではないか??


--まぁいくら《怪異》とはいえ、この水全部がアヤツの自由になるわけではないぞ。あくまで《核》になる存在があって、それがプールの水に溶け込み、拡散したその範囲の水を操っておるという感じじゃな。その意味では《水の精霊》ウンディーヌというよりスライム、いや人型じゃから「ジェリーマン」にしとくか。やっぱウンディーヌは美少女であって欲しいし……な、ムネッチもそう思うじゃろ??


(いや、そんなのはどうでもいいですから!) 


 《核》--そう言えばさっき「何かちっこい人形みたいなの」がプールに飛び込むのを見たけど、恐らくはアレが本体なのだろう。そしてそれがプールの水に溶け込み、存在を拡散することで、今の《怪異》の姿になっている。それは分かったけど、でもじゃあどうすれば……!?


--簡単なことじゃ。《核》そのものにダメージを与えたらよい。普通の刃では無理じゃが、そこは吾輩の《神気》が宿っておるからの。


(そ、そりゃそうかも知れませんが……)


 とはいえ、怪異の《核》とやらは希釈されて拡散しているわけで、そんなに簡単な話ではない。例えて言えば、本来ならダメージ100を与えられる攻撃が、ダメージ1になるようなものだ。いつかは倒せるのかも知れないけど、その前に碧衣さんの体力が尽きそう。それとも自分からケンカを買ったわけだし、碧衣さんには何か秘策が……?


--あ~特に無いと思うぞ? アレは単にキレてるだけじゃ。あかりやキイロと違って、碧衣は賢いわりに直情的じゃからなぁ。しかし「刃物振り回すヒス女」とか、我が使徒ながら恐ろしい子!


(全然ダメじゃないですか!?)


 ガビーン!とショックを受ける宗春(@でも玉神の言うことも分かる)だったが、そのとき、玉神が不意にニヤッと笑うと、意味深な口調で言葉を続けた。


--と・こ・ろ・が! 実は吾輩ちゃんには「策がある」んだなぁ♪ ねぇ、ムネッチ、聞きたい? 聞きたい??

果たして玉神の作戦とは!?続きはまた明日!

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