その7「怪異は更に進化を遂げる!」
碧衣VS《縄の怪異》……というか緊縛展開続きデス!(笑)
その7「怪異は更に進化を遂げる!」
「ナワ……ナワナワナワ……」
ここでおさらいをすれば、この《縄の怪異》の存在基盤となる「欲望」は、すでに述べたように「美少女を縄で縛ること」である。
とはいえ、すでに制服美少女の知由美と千景、レアなバニー美少女であるあかりの三人を縛り、そして今度は「バニー美少女でなおかつ和風美少女」という激レアな碧衣まで縛れたわけで、となればもはや十分すぎるぐらいに「欲望」は満たされ、そのまま昇天……もとい「消滅」してもおかしくないはずであった。
……だが、繰り返すが碧衣はあまりにも「緊縛が似合いすぎた」--「欲望」が「満たされる」どころか、「もっと縄で悶えさせてやりたい」という、新たな、そして「より業の深い欲望」を生み出してしまう程にッッ!
「……んんっ!?」
自らを見下ろす怪異の瞳に、今までとは違う冥い光が宿っているのに気付いた碧衣は、背中がゾクリと粟立つのを感じる。おかしい、明らかに怪異の様子が変だ。いや今までも「変」だったけど(正しくは「変態」)、そういう意味じゃなくて、
まるで、より危険な存在へと「進化」を遂げてしまったかのような--!?
「んんっ……! んんんんっ!(=やめてッ! 来ないでっ!)」
身の危険を感じてもがく碧衣に、怪異の巨体がジワジワとにじり寄ってくる。そして、ついにほんのすぐ側にまで迫り、ジッと縛られた股間を凝視した怪異の単眼が、紅く不気味に光ったかと思うと--!
「ん”ん”ん”~~~~~ッッッ!!??」
次の瞬間、悲鳴と共にひときわ大きく仰け反った碧衣に、一体何が起こったのか!?
「ん”ん”っ……ん”んっ! ん”ん”んんんっん!」
注目すべきは、青のレオタードの股間に食い込む縄の形状! いや、もちろん縄であること自体に変わりはないが、よく見てみれば縄の一箇所に、まるで「瘤」のような「結び目」が生じている。一体いつの間に!? そして縄を解いて結び直したわけでも無いのにどうやって!?
不条理にも程があるが、実はそれこそが「覚醒強化」を遂げた《縄の怪異》--言うなれば、《ローパーACT2》の恐るべき「異能」! 単に「美少女を縛りたい」から「美少女を縛っていたぶりたい」へと欲望の性質が変わることで、怪異ローパーは「己の身体(=縄)に自在に『結び目』を生み出す能力」を獲得したのだ!
そして、もうお分かりだと思うが、ローパーAct2が縄に「結び目」を生み出したその箇所とは--!!
「ん”ん”ッ……ん”んんッッッ!!!」
「とんでもない場所」に「結び目」を押し当てられた碧衣の口から、たまらずくぐもった叫びが漏れる! だが、碧衣が悶えれば悶えるほど、「結び目」は更に深く「そこ」へと沈み込み、それどころか上下に揺れ動く縄の動きに合わせて、えぐるように「その場所」を蹂躙する!
「ん”ん”ッ! ん”ん”~~~ッッッ!!!」
あまりにも強烈な刺激に、黒髪を振り乱して悶える碧衣。しかも、まだ怪異のターンは終わらない! 新たなる力が生み出した淫靡な眺めに興奮した怪異は、更に力を試さんとすべく、碧衣の「お尻」へと視線を向けるや、再び異能を発現させた!
「ん”ん”ん”!!??」
瞬間、お尻に生じた新たな刺激に、大きく碧衣は目を見開く! なぜなら新たに生み出された「結び目」の場所は、未だ誰にも触られたことのない「恥ずかしい場所」の、丁度真上であったのだ!
「ん”ん”ッ……ん”ん”んんん~~~~~ッッッ!!」
そんな「はしたない場所」をグリグリ♪と「結び目」で刺激された碧衣は、初めて感じる背徳的な刺激に、更に激しく悶絶する!
(こんなヤツに……こんなヤツに好き放題にされるだなんて……!)
甘く見ていた分屈辱は深く、美しい切れ長の瞳に悔し涙を滲ませる碧衣。けれど、固く緊縛されたこの状態では抵抗さえもままならず、前後同時に責められながらもただ耐えるしか方法が無い!
「ナワッ……♪ ナワナワナワッ♪」
一方、そんな碧衣を嘲笑うかのように、今やすっかり「緊縛プレイ」にハマった怪異は、単眼を爛々と輝かせながら、二つの「結び目」を巧みに活かしてレオタードの股間をいじめ抜く!
(アア……ナントイウ楽シサダ……♪)
碧衣を自在にいたぶりながら、《縄の怪異》はゴミ置き場でただ処分を待つだけだった頃の自分を思い出す。この学園が成立すると同時に「備品」として納品されてから15年、特に良い想いをしたこともなく、ただただ「便利な道具」として人に使われ続け、そして「役に立たなくなった」からと処分される。思えば何と理不尽なことか--
だが、幸運なことに、自分はこうして「目覚める」ことができた。せっかくこうして「力」を得たのだ。誰が簡単に「満足」などしてやるものか! 俺はこの「力」を使って、とことんまで「緊縛」を極めてみせるッ!!
そう決意すると同時に、全身に力がみなぎるのを感じて、怪異は「ナワァァァッ!!!」と咆哮する!
まずは手始めとして、この青バニー少女の「股縄」の仕上げだ! 股間に縄を通しただけでなく、前後二箇所に「結び目」を設けて更に完成度を高めたものの、しかしこれでもまだ完璧ではない。
何が足りないか?--そう、まだもう一箇所、「結び目」を設けるべき場所がある!
(まっ、まだ何かする気なの!?)
いきなり咆哮したかと思うと再び単眼を光らせた怪異に、碧衣はゾクリと戦慄する! かと言って、どうすることもできはしないし、それどころか、激しく続く「股縄責め」の前に碧衣はすでに陥落寸前、ここで更にもう一押し「責め」が加わったとしたら、とても耐えきれるような状態ではなくて--!
(いやっ……これ以上はやめて……! このままじゃ……私……私ッ!)
苦悶とは違う恐怖に顔を歪ませる碧衣に、しかし怪異はますます昂ぶるばかりで、股の付け根を責める「結び目」の、その「少し上の辺り」を凝視しながら、三度その恐るべき異能を発現させようとした--
まさにそのときだった!
「--狼藉はそこまでよ! この変態怪異!!」
三つ目となる「結び目」が、碧衣の「最も敏感であろう場所」に生み出されようとしたその寸前、地学教室の入り口からドーーーン!とばかりに登場したのは誰あろう!
宗春の行った……によってどうにかマヒ状態から回復し、いやそれどころか、むしろそれまで以上に全身に《神気》をみなぎらせた赤いバニースーツの美少女戦士、バニーレッド・吉川あかりであった!!
「んんんっ!(=あかりっ!)」
「ごめん碧衣、遅くなって。それに、酷い目に遭わせたみたいでホントにごめん! 後は私に任せて! こいつは絶対、あたしがぶちのめしてみせるから!」
息も絶え絶えの状態から一変、パアアッと顔を明るくさせた碧衣に、あかりは力強く宣言すると、そのままずんずん中に進んで怪異との距離を詰めていく。
「ナ……ナワアァァ!」
陽炎のように立ち上る《神気》に、さすがに気圧された様子の怪異は、やむなく碧衣への責めを中断すると、まるでトカゲの尻尾よろしく股縄を断ち切り(碧衣「んんんッ!?(=それより解放してよ!?」)、威嚇するかのごとく左右に縄を構え直す。
だが、あかりは臆することなく一触即発の間合いにまで迫ると、左足を前屈立ちの形で踏み出し、左手を前に構えたいわゆる「半身の構え」を取るや、ギョロリとした怪異の単眼を真っ向からにらみ据えた!
「さぁ、決着にするよ、《縄の怪異》。この学園の平和は--あたしが守る!」




