その6「世界よ、これが日本の緊縛だ!」
いよいよ碧衣VS縄の怪異!
そしてタイトルが実に不穏!(笑)
その6「世界よ、これが日本の緊縛だ!」
シュルッ、シュルルルッ! ズパッ、ズパズパッ!
(くっ……本当にしっっつこい!)
幾度切り裂いても諦めることなく縄を伸ばし続ける怪異に、柳眉をひそめながら碧衣は苛立たしげに吐き捨てる。
正直、強い相手だとは思わない。縄は苦無で簡単に切断できるし、三人娘一のスピードを誇る碧衣にとっては、この程度の攻撃など目をつむっていてもよけられる。
だが問題なのは、どうすればこいつを倒すことができるか--だ。
縄をいくら切り裂いても全く効いた様子が無い以上、やはり胴体を狙うしかないのだろう。しかし岩石で作られた胴はさすがの堅さで、苦無を投げつけたぐらいでは簡単に弾き飛ばされてしまう。
(こんなときにキイロがいれば--!)
本来こういう「固い」相手は、キイロの「杵」でぶん殴るのが一番だ。けれど間の悪いことに、今日は午前で学校が終わりのため。今頃キイロは食後のお昼寝真っ最中のハズだ。となると救援も当てにはならず、やはり自分で何とかするしかない!
(ならばッ!)
バニースーツの胸元から新しい苦無を取り出した碧衣は、「ハッ!」と机の島から跳び上がると同時に、右手に握りしめた苦無の先端に青の《神気》を集中させる!
迎撃しようと伸びた縄を左手の苦無でなぎ払い、懐(?)に飛び込むことに成功した碧衣は、ガラ空き状態の怪異の「眉間」に振りかぶった右手の苦無を叩きつけた!
「これで……どうだッ!」
ガキイイイイン! 教室に響き渡る激突音! けれど、そこは相手が岩石だけに、貫くまでには至らなかったが、怪異の顔面を足蹴にして跳び退きながら、碧衣は素早く計算を働かせる。
(さすがに一撃では無理……でも、ヒビぐらいは入れられた。なら、あそこを集中して狙い続ければ、いつかは穿つことができるはず!)
瞬時に判断を終えた碧衣は、机の天板に着地すると同時に、鋭い気迫を込めて叫んだ!
「《神気解放》! バニー・ブレイクッ!!」
瞬間、青のハイヒールが《神気》の光にまぶしく輝き、爆発的なスピードで跳び上がった碧衣は、そのまま怪異の「眉間」めがけて猛烈なラッシュを開始した!
「脳天をブチ抜かれて死ねッ! 《バニー・バーストラッシュスタッブ》!」
「ナワァァアアアアアアアッッ!?」
グサッ! グサッ! グサッ! グサッ!
突き刺しては跳び退き、再び跳び込んではまた刺し……教室の空間を自由自在に飛び回りつつ、同じ場所ばかりを執拗に狙い続ける碧衣に、さしもの怪異も恐怖に満ちた悲鳴を上げる! イヤだっていくら何でも「殺意高すぎ」じゃない!? うっすら笑みまで浮かべているし!!
「ナワッ! ナワァァアアアアッ!!」
やめろぉ! 来るなぁぁぁぁ!とばかりに縄を振り回しても、超高速の碧衣にはかすりもしない。そんな中、幾度も同じ場所ばかりをえぐられ続けた「眉間」のヒビは、もはや隠しようが無いレベルまで広がっていって--!
「これで……とどめよッ!!」
とはいえ、いつまでもラッシュが続けられるわけではない。切っ先に《神気》を集中させた碧衣は、苦無を両手持ちにして前にかざすと、まるで一本の鋭い矢のように、猛烈な勢いで怪異の「眉間」へと跳び込んだ--が!?
「…………なっ!?」
思わず碧衣が目を見開いたのも無理は無い! 切っ先が届くその寸前、怪異は何と自分の「額」を、鉢巻きよろしく二重の縄でぐるぐる巻きにしたのだ!
グサッ!!
本来であればヒビの場所に命中したハズの碧衣の刃は、ぶ厚く撒かれた縄を貫くばかりで、怪異の「眉間」にまで届かない! 愕然とする碧衣に続けて怪異の縄が迫り、「くっ!」とそれ以上の攻撃を諦めた碧衣は、苦無を縄に突き刺したままひとまず後方の島へと跳び退いた。
(……ちっ、この怪異……思った以上に面倒ね……)
同時に《バニー・ブレイク》も解け、全身に消耗を感じる碧衣。しかしそれでも動じることなく、碧衣は胸元から新たな苦無を取り出すや、素早く両手に構え直す。
(こうなるともう私じゃ無理。となれば、後はあかりがマヒから回復するまで、時間稼ぎに徹するしか無いわね……)
《バニー・ブレイク》を使った後だけに、正直これまでのような動きはできそうにないが、それでもこいつの攻撃ぐらいは十分にしのぎきれるはず。そう、冷静に状況を見定めると、反転攻勢に出ようとする怪異に向けて、隙の無い構えをみせる碧衣であったが--
「あああああああ~~~~んんん☆☆☆」
「--んなあっ!?」
いきなり入り口方向から飛び込んで来た「感極まったような甘い叫び」(@しかも聞き覚えがある!)に、動揺した碧衣が思わず振り向いてしまった、まさにそのとき!
それまで苦無に切り裂かれ、床に散らばっていた「縄の切れ端たち」が突如動き始めたかと思うと、一転「隙だらけ」になった碧衣めがけて四方から一斉に襲いかかった!
「しっ、しまった!? んんん!!」
奇襲をまともに受ける形になった碧衣に、たちまち幾本もの縄が絡み付く! 何本かは返り討ちに斬り捨てたものの、何せ切れ端の数が多い! あっという間に足首を縛られ、両腕をまとめて後ろで縛られ、更には猿ぐつわのように口まで封じられて、抵抗不能の状態にされた碧衣は、そのままドゥ……!と机の島に横倒しになった!
(やられた……まさかこいつらが動くだなんて……!)
おそらくは、簡単に縄を切らせていたのもこの作戦のためだったのだろう。弱いと見下していた相手に足下を掬われる形になって、碧衣は悔しさにギリギリと縄を噛みしめる。
しかし短い切れ端とはいえ、そこはあくまで怪異の一部、両手両脚を縛る縄は碧衣の力ではどうにもできず、横倒しの状態のままジタバタともがくしかない碧衣に、ニンマリと単眼を緩めた怪異がゆっくりとにじり寄ってくる。
「んん……んんんん!!(=来るなッ! この変態ッ!)」
だが、口を封じられていては女王様の罵声も効き目は無い。そんな「獲物」の姿に怪異はますます笑みを深めると、シュルシュルと左の縄を伸ばしていく。
碧衣のお腹辺りへと伸びた縄は、まずはレオタードの上からぐるりと腰回りを一周、そしておへその下でくるりと結び目を作った後、先端は続いて碧衣の下腹部へと向かう!
「んんっ!?(=な、何を!?)」
猛烈に嫌な予感がして、碧衣が本能的に身をよじったその瞬間! 太股の隙間をくぐり抜けた先端が、そこから一気に後ろに回り込むや、腰縄にくるりと結びつき--
仕上げとばかりに碧衣の股間を、キュッ!と勢い良く締め上げた!!
「んあああああっ!!?」
いくらレオタード越しとはいえ、お股とお尻にキリリと縄を食い込まされた碧衣が、たまらず悶絶の呻きを上げる! しかも今の碧衣は《神気》を大幅に消耗し、半ば「発情」状態になっているだけに、その衝撃はなおさらだ!
「くっ……んんん!!」
どうにかして縄を緩めようと、碧衣は必死に身をよじる。しかし縄は緩まるどころか、もがけばもがく程余計に食い込むばかりで、猿ぐつわから漏れる碧衣の呻きはますます苦悶の響きを強くした。
「んんっ!? んんんんんんんんっっ!」
そう、これこそが「亀甲縛り」や「乳房縛り」と並んで、ジャパニーズ緊縛エロスの粋と称される「股縄」! ちなみに海外の愛好家たちには「Sakura」の愛称で知られるこの技だが、乳房縛りの愛称「Shinju」と並んで、何がどう「桜」で「真珠」なのかは正直サッパリだ!(笑)
「んっ……んんんっ! んんんんんっっ!!」
とはいえ、敏感な股間に縄を食い込まされ、頬を紅潮させながら長い黒髪を振り乱して悶える碧衣の姿は、とても17歳の少女とは思わぬほどの淫靡さで、これぞまさに「THE日本の緊縛美」! 実に感動的かつ官能的な眺めであることに違いは無い!!
--そして、そのあまりにも「緊縛が似合いすぎる姿」が、それをマジマジと見つめる《怪異》に、「とある変化」を引き起こした。
果たしてどうなる碧衣!?がんばれ怪異!(笑)
続きはお盆最終日の15日(火)で!




