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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第7章 3巡目

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第63話 仮面の下

 


 六日目 夕方


 その後も、作戦を決行する前に、できるだけの打ち合わせを行った。

 それ以降は体力温存。


 夕方。窓の外にたゆたう夕くらげを見つめながら、聖堂教会の部屋の中で待機。


 イフィールさんは無事、未利もだ。コヨミ姫達とも連絡がついている。


 その代わりアジスティアは助けられてないから、そこが不安だった。


 こんな事はこれっきりにしたい。

 姫ちゃんがアスウェルの能力を映して使えばすぐにループできるだろうけど、彼女だって大変だろうからできれば頼りたくないな。


 やり直せるといっても、仲間に傷ついてほしくない。


 窓の外でふよふよたゆたっている夕くらげを眺めていると、姫ちゃんから話しかけられた。


「考え事してる?」

「してない時ってないと思うよー」


 こうみえて、けっこう必死なんだよね。

 表情には出ないと思うけど。


 でも恰好悪いから自分からはそんな事言えない。


「少しは元気でた?」

「もちろんー」

「うーん、強がってそう」

「あれー、逆効果だったかなー」


 見透かされていたらしい。

 おどけた態度で笑顔を繕うものの、姫ちゃんは心配そうな表情のままだった。


「取り繕うのには自信あったつもりだったんだけどなー」

「そうだね。最初はあんまり分からなかったよ。啓区って、自分の感情隠すの得意だなって。けど、今はちょっと分かるようになってきたかな。ううん、もしかしたら、色々思ってくれるようになった……? 悲しんでくれたり、喜んでくれたり。前はもっと距離を置いてたように見えたから」


 僕はモブNPCだって、そういう意識だったからねー。

 でも、運命は変わった。

 変える事が出来たから。


 だから、向き合う心が変わったんじゃないかな。

 この世界に対しての。皆に対しての。


「姫ちゃん達のおかげでねー。僕もそれなりに希望がもてるようになったのでー」

「私が頑張ったんじゃないと思う。だって、私が何かして運命が変わるなら、啓区がいなかった世界でも、色々もっとよくできたと思う。でもそれができなかったから、今の世界がある。だから、運命が変わったのは、啓区が頑張ったからだよ」


 そんな風に言われると、照れちゃうなー。


 姫ちゃんは、何かに気が付いたように頷く。


「だから、……なのかな?」

「?」

「何でもない、こっちの話。尊敬してるよ。だから君をみならないと、って思ったくらい」

「あはは、過剰すぎる期待だと思うけど、受け取っておくよー」


 夕暮れ空を眺めながらの穏やかな時間が過ぎていく。

 そのわずか数時間後には、この町が地獄になるか、その平穏が守られるかの分岐点がやってくるだろう。



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