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白いツバサ 連なる世界(第九幕if)  作者: 仲仁へび
第4章 4日目から6日目までの出来事

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第30話 もぬけの宿



 朝、定期連絡としてコヨミ達に連絡を入れようとしたけど、そちらも返事がなかった。

 中央領のどこかにいるルミナリアや三座ちゃん達の方も。


 不穏の気配が強くなってきた。


 イフィールさんの事もあり心配だ。

 そのため、午前はイフィールさん達が滞在している宿屋に寄ってみる事にした。それで、何もなかったらセルスティーさんの手伝いをしようという事で、意見がまとまった。






 カクエ宿屋


 イフィールが滞在している宿屋に向かった僕達だったけど、その部屋に人はいなかった。


「いない、ね」


 生活の痕跡はある。

 今もこの部屋でイフィールさん達が過ごしているのではないかと思えるくらいに。

 

 けれど、チャットに彼女達からの応答はない。

 これは何かあったと考えていいだろう。

 相変わらずコヨミ姫や他の面々にも連絡が繋がらないしで、何か関係があるのだろうか。


 とりあえず、尋ねる人間を変えることにした。

 選達はシステムの使い方を覚えていないが、華花なら覚えているはず。

 という事で、彼女にも連絡をとってみるのだが……。


「こっちもダメみたいだよー」


 部屋の様子を調べていたみんなに伝える。


 収穫なし。

 これは、あからさまに何かが起きている。


 けえど、それが何か分からないのが辛い。


 ディークさんがハイネルさんに意見を求める。


「どうする兄貴」

「連絡がつかない、か。……聖堂教をひきはらって隠れるか、今のままの生活を続けながら調査していくかの二択しかあるまい」


 ハイネルさんは姫ちゃんを見る。選択はこちらに任せるという事だろう。


 姫ちゃんは、きっぱりと告げた。

 言うべき事もしたい事も最初から決まっていたようだ。


「私はやっぱり、隠れるのは嫌かな。何が起こっているのか確かめて、必要な事をしたい。でも、ハイネルさん達の意見はどうなんですか?」

「私としては、逃げ隠れしてほしいところですな。現在の状況では、分からない事が多すぎる。しかし、私達は護衛なので」


 意見は対立しているようだ。

 ハイネルさんの意見に賛成するエアロが、口を開いた。

 彼女は不満げな様子だ。


「私も同意見ですよ。なんでそう進んで危ないところばっかり行きたがるんです? ちょっとくらい逃げ隠れしたっていいじゃないですか」


 そう文句を飛ばしてくるが、要するに心配してくれているのだろう。

 未利に次ぐツンデレだ。


 しかし、それに意を唱えるのはディーク。

 彼だけはこちらの考えと同じらしい。


「でも、俺は。姫乃様達に賛成だ。何とかできるなら何とかしたいって思う。兵士としては失格だろうけど」

「失格だな」

「兄貴……」


 しかし、自分の意見を表明してすぐばっさり切られて、意気消沈。

 ハイネルさんは兵士としての意見を述べている体だけど、兄として弟を心配してもいるのだろう。


 ディークさんは色んな意味で兵士らしくないから。


 僕達はそういうとこ、嫌いじゃないんだけどねー。


 沈んだ空気を追い払う様に、姫ちゃんが場をまとめていく。


「とりあえず、まずセルスティーさんに相談してみよう。未利とも話しをしなくちゃいけないし」

「そうだねー。大事な事はしっかりと報告連絡相談しなくちゃー」



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