祭りの後②
最後の文、キャラの名前間違えて書いてた、、、修正しましたので、、
ここ数日そうであったように、二人はテーブルに向かい合って座り朝食をとっていた。
本日のメニューは目玉焼き、オニオンスープに店で余ったバゲットとシンプルだ。パンをちぎりながら、かずさは目の前にいるハンスの様子を伺う。
早朝の子供のような態度を取ったハンスは一体何だったのだろうか。今、淡々と食事をしているハンスの様子を見ると、あれはかずさの夢だったのかとも思った。
あの後寝落ちしてしまい、再び目を覚ますといつの間にか元居た部屋のベッドの上にいた。
しかし、普段着にも着替えているし、荷造りの終わった荷物はベッドの横に置いてある。やはり早朝に街を出ようとした事は夢ではない。
「今日も一緒に行くだろう」
「ん?」
突然の質問にかずさはスープカップを傾けたままハンスを見る。どう言う事なのか、と視線で問うともう一度ハンスは口を開いた。
「今日も一緒に働くんだろ?」
その言葉でかずさはようやく話の意図を汲み取った。
正直なところ食堂へ行く事は考えていなかったが、少なくとも今日一日滞在するのなら手紙を渡せた報告もすべきだろうとかずさは頷く。
「うん、一緒に行くよ」
ハンスはその答えを聞いて頷くと何処となく安心した表情をした。
「あと、これ食べたらルナの…妹の持ち物がある場所に連れて行ってくれるか」
ハンスは真剣な眼差しでかずさにお願いする。その瞳からは初めて見る強い覚悟が伺えた。
ハンスの申し出にかずさは喜んで答える。
「もちろんだよ」
嬉しい気持ちのままかずさはパンにかぶりついたのだった。
朝食を終えると2人は普段より早い時間に家を出た。
連日、晴天が続いていたが本日は曇りだ。昨夜の祭りが嘘のように静かな朝だ。
今日は休日の店も多く、街ゆく人々はまばらだ。
2人はいつもの住宅街を抜け、橋を渡り、門をくぐって街へと入っていく。
「なぁ、その場所は街の中にあるのか」
問われたかずさは少し後ろを振り返ってハンスを見るがすぐに前を向いて言う。
「秘密だよ」
かずさはあえて答えない。着いてからのお楽しみ、というやつだ。まさか幼馴染の部屋にあるとは思っていないだろう。
頭を掻きながらハンスはそれ以上何も言わずにかずさの後ろをついていく。
いつもの広場を通り過ぎ、商店街の道へと進んでいくかずさを見て、ハンスは徐々に表情が険しくなっていく。嫌な予感がする。
しばらく歩を進めると、かずさはある場所で立ち止まった。
到着した場所はハンスが予想していた場所だった。そこは五月蝿い幼馴染の勤め先兼下宿先である。
『木工工房 シュライナー』の看板が掲げられた建物の横路地へと躊躇なくかずさは入っていく。
路地を入ってすぐ左手に出てきた扉をかずさはコンコンッとノックし、奥の部屋にいるであろう人物に声をかける。
「朝早くにごめんなさいー。ロビンー!いるー?」
かずさが呼びかけてしばらくすると上の方からドタバタと音がしたかと思うと階段を駆け降りてくる足音の後すぐに扉が開かれた。
「はいはいはーい!おはようー!かずさちゃーん!訪ねてきてくれるやなんて、なんや嬉しいわぁ!」
勢いよく出てきたロビンの茶髪は寝癖でピンピンに跳ねており、いかにも寝起きといった感じだ。朝一から通常モードの騒がしい親友に本当に元気だなとハンスは感心していた。
そんな幼馴染の存在に気づかず立て続けに話すロビン。
「かずさちゃん、もしかしてデートの誘い?!この街のことなら何でも紹介したるで!」
「デート…はまた今度行くとして、今回は別件だよ」
かずさ隣にいたハンスを強引に前に押し出す。
目の前に出てきた至近距離のハンスにロビンは一気にテンションが下がり半目になる。
「なんや、ハンスおったんかいな…」
「悪かったな、オレがいて…」
ハンスも顔を引き攣らせた。
はぁ、とため息を漏らし、明らかに気落ちした様子のロビンは扉を開け、2人を迎え入れる。
「入らんかい。オレの部屋に用があるんやろ」
ロビンは鋭い目を向けると自室へと続く階段を登る。
ハンスとかずさもその後に続いた。




