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195 新たな依頼と、まさかの再会……!?

 

 その日の夕食後、お茶で一服していると、ジョゼさんから工房に依頼が来たことを告げられる。


「まるもっちー君。また依頼が来た。頼めるか?」


「分かりました。今度はどんな依頼ですか?」


 またコンロとオーブンかな。


「今回は冷蔵庫の取り付けだな。新しく部屋を借りた人からの依頼なんだ。行ってくれるかい?」


「もちろんです。明日早速向かいますね」


「助かるよ」


 というわけで、明日は工房の仕事をすることになった。


 翌朝、工房に届いていた冷蔵庫を受け取り、依頼人の家へと向かう。


 そこは五階建ての集合住宅だった。


 依頼人の部屋は三階。メモを確認しながら部屋を探す。


 ここかな?


「こんにちは。クマさん工房から来ました」


『こんにちは!』


 扉をノックし、ミミと二人で挨拶。


 さて、ご在宅だろうか。


 数秒待っていると、ドタドタと足音が聞こえ、勢いよく扉が開かれた。


「おう、待ってたぜ……って、あんたは!」


「おお! また会えるとは思っていなかったぜ!」


 扉を開けて出てきたのは二人の男だった。


 というか、以前森で傷の治療をした冒険者の二人組だ。


「ああ、あの時の。体の調子はどうですか?」


 その後、変わりないだろうか。


「あんたのお陰で問題ないぜ!」


「依頼もこなせて、やっと部屋を借りれるようになったんだ」


 どうやら後遺症も無く、順調に生活できているみたいだ。


「こいつとルームシェアだが、宿に居続けるより安くなるからな」


「やっと、俺たちも冒険者らしくなってきたってわけさ」


 冒険者として依頼の達成率が上がり、新しく部屋を借りたってことか。


「それはおめでとうございます。それで今日は冷蔵庫の取り付けでしたね?」


 と、依頼を確認する。


「そうなんだ。あがってくれ」


「初めに買うのは、やっぱり冷蔵庫だよな」


 二人に招かれ、部屋へお邪魔する。


 中はまだ引っ越したばかりなのか、何もなくて殺風景だった。


 本当にこの冷蔵庫が初めて買った魔道具なんだろう。


 二人に案内されて、キッチンへ着く。


「この辺りに設置しますか?」


 賃貸だと冷蔵庫の設置場所は大体決まっている。


 丁度いい空間を指差し、確認する。


「ああ。そこで頼む」


「これでやっと食い物を保存できる……」


「よし。動作も問題なしっと。それじゃあ、サインをいただけますか?」


 二人が感慨に耽っている間に冷蔵庫を設置。


 起動して問題ないことを確認し、書類にサインを求めた


「分かった、これでいいか? しかし、あんたは錬金術師だったんだな」


「俺も驚いたぜ。てっきり冒険者かと思っていたぜ」


「錬金術師の助手をやりながら、冒険者もやっている感じですね」


 と、書類を受け取りながら、答える。


 錬金術師と言えるほどの仕事はしてないんだけどね。


「おお〜、大変だな。休みがなさそうだ」


「俺らも、稼ぎが少ない時は臨時の仕事をやったりするもんな」


 訳知り顔の二人が自身の体験を語りながら深く頷く。


 俺の場合、稼ぎが少なくて兼業しているわけじゃないんだけどな。


「錬金術師の方は、それほど忙しくはないですよ。今はレース前なので。俺はメンバーとしてエントリーされていないので、こうやってたまに来る依頼をこなすくらいなんです」


 冒険者の依頼も錬金術師の仕事もそれほど忙しくない。


 冒険者の依頼は積極的にこなしていないし、錬金術師はレース前でできることがないのだ。


 大半の時間は料理に費やす毎日である。


「そうか! もうすぐレースだもんな。あんたのところの工房も出場するのか」


「それは応援に行きてえな! 自由席のチケットなら、買えるかもしれんぞ」


「ありがとうございます。でも、無理しないでくださいね」


「チケットくらいなら、なんでもねえよ。問題は買えるかどうかだな」


「だよなぁ。人気だから当日券も大行列になるはずだぜ」


「予選のチケットってそんなに人気なんですか?」


 となると、俺も買えない可能性がでてくるな……。


「違えよ。本選だよ! 応援するなら本選だろ?」


「だよな。観るなら本選だろうが。予選は通っておけよ」


「わ、分かりました。応援してもらえたら、うちの先生も喜ぶと思います」


「おう。予選通過できることを祈ってるぜ」


「俺たちも頑張って本選チケット手に入れるからよ」


 と、二人とレースの話で一通り盛り上がった後、部屋を辞去した。


 もしあの二人がチケットを買えたら、目一杯応援してもらおう。


 二人の家を後にし、一旦工房に戻る。


 ジョゼさんに依頼完了の報告と書類を提出した後は、いつも通り街の外へ料理作りに向かった。



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