194 とんでもないものが完成……!?
俺とミミは二人で、あーでもないこうでもないと言いながら、花を摘んだ。
試行錯誤の末、なんとかいい感じの花束に仕上がる。
「これは俺のアイテムボックスにしまっておくね」
『はーい!』
ミミの返事を聞き、花束をアイテムボックスへしまう。
これで準備完了。後は魔走車が完成した時に取り出せばOKだ。
その時はジョゼさんにバレないようにしつつ、ミミに渡せるとベストだな。
「俺も完成記念に何か贈りたいなぁ」
花束作りに触発され、俺も何かしたくなる。
魔走車完成のお祝いに贈るなら、何がいいかな。
『マスターは何にするの? お団子?』
「完成した日はご馳走にする予定だけど、それ以外にも何かやりたいな」
そうなると、プレゼントは食べ物以外がいいよな。
『お揃いの服にする? マスターとミミと一緒のお洋服』
「服かぁ……。そうだ、レース用の服を作ろう。ミミ、ナイスアイデアだ」
『んふ〜♪』
ナイスアイデアの提供者の頭を撫でつつ、詳細を詰めていく。
レース用の服、つまりレーシングスーツだ。
見た目やかっこよさは二の次で、事故から身を守るために特化した服になる。
そんなものを作るとなると、腕利きの職人に頼んでも完成まで相当掛かるはず。
本来なら、今から作っていては間に合わない。
だが、俺には錬金術がある。モンスターを素材にして、一気に作り出してしまおう。
「ブラックドラゴンを素材にすると、バレたときにややこしいから、素材の買い取り価格が高かったモンスターを使うか」
俺が使う分には問題ないが、人にあげてしまうので、素材に特殊なものを使うのはやめておいた方がいいよな。
そんなことをしなくても、買い取り価格の高いモンスターであれば、魔石も大きいし、強力なものに仕上がるはず。
今回はパイコーンを使ってみる。
こいつは速かったし、レーシングスーツにすれば縁起がいいかもしれない。
俺は創造補助スキルを使って、錬金術でレーシングスーツとヘルメットを作る方法を検索していく。
レーシングスーツは各所にプロテクターが入り、肋骨回りは衝撃を吸収する仕組みのものをイメージした。
付与魔法の類いはレースのルール上付けていいのか分からないので、使用しないことにする。
それを創造補助スキルでジョゼさんの寸法に設計。
こういった明確なイメージを元に錬金術を使用する前提で創造補助スキルを発動すれば、魔法陣の制作方法が頭の中に思い浮かぶ。
ついでに死骸内の魔石を使って魔力を供給して、錬金術を発動させる仕組みも搭載だ。
それを創造補助スキルで検索。検索結果の魔法陣を魔力で描いていく。
締めに、錬金術を発動させるための少量の魔力を通し、指を鳴らす。
するとボフンと白煙が上がり、煙が晴れるとレーシングスーツとヘルメットが姿を現した。
「うまくいったな。これをプレゼントにしよう」
『かっこいい服だね!』
「レースの時に着る服だよ。あ……、でも大丈夫かな」
と、ここまで作って気付く。
果たして、これを着て出場できるのだろうか……。
エントリーしてない人間が作業を手伝うのはルール違反。
レース当日に着る服を贈るのはどうなんだろう。
後でヴィヴィアンさんに聞いてみるか。ダメだったら別のプレゼントを考えるよう。
そうなったら、作業着なんかもいいかもしれない。
花束と服。喜んでもらえるといいな。




