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191 家完成と思いきや、まさかの事態に……!

 

『お家を作るの?』


「うん。ミミは家に欲しい物とかある?」


 と、ミミにリクエストを聞く。


『ミミはねぇ、日向ぼっこできる場所がほしいの』


「よし、作ってみるか」


 それなら、縁側かベランダがあれば良さそうだな。


『やったー! ミミね、マスターと一緒にお昼寝したいの』


「それは気持ち良さそうだね」


『んふー♪』


「とはいえ、まずはキッチンだよな。料理屋の調理室をイメージして……」


 家を作るといっても、中心となるのは調理場だ。


 元々の目的は料理を作る場所を確保する事なので、そこはブレないでおく。


 というわけで、キッチンから順に必要な部屋を思い描いていく。


「次はダイニングだな。キッチンを大きくするから、完全に分離しよう」


 ダイニングキッチンとかあるけど、そうすると部屋が大きくなりすぎる。


 冷暖房が効きにくくなるから、二部屋に分けてしまおう。


 でも、リビングと二部屋作る必要もないから、リビングダイニングみたいな感じかな。


 そこから縁側に出られるようにしておけば、ミミのリクエストにも応えられる。


「後は……、トイレ。それに風呂」


 俺たちはトイレを使う必要がないが、お客様を招いた時に必要になる。


 体を洗うのは魔法で済ますこともできるが、入浴は気持ちいいので風呂はあった方がいい。


「俺とミミの部屋。寝室も別で作るか」


 一応それぞれにプライベートな空間は必要かな。


 俺とミミは一緒に寝るので、寝室は私室とは別に作成してしまおう。


「あ、客間がいるな。んん〜、二つくらいでいいか?」


 基本使わない部屋になるし、あまり沢山あってもしょうがないよな。


 と、数を適当に決定。


 後、足りないものはなんだろう?


「ウォークインクローゼットがいるか。収納スペースは多めにして。窓を配置。玄関と階段の位置を決めてっと。あ、勝手口もいるな」


 思いつくままに創造補助スキルで部屋をイメージし、それを家としてまとめあげる。


 うーん、これで大丈夫か? 


 意外と思い浮かばないぞ。


「あ、外から見えないように外壁も作っておこう。別個にするとアイテムボックスに分けて収納されちゃうから、一体化しないとな……。モンスター対策に全体的に強度も上げておくか」


 と、外壁を設計していてモンスターの存在を思い出す。


 今作っている家は街中で出すことは少なく、屋外で出すことがメインになる。


 そうなってくると、モンスターに襲われても大丈夫な強度は確保しておかないと。


 今までは調理する間しか使っていなかったのでモンスターに襲われることはなかったけど、家として使って寝泊りすることを考えると頑丈な方がいいよな。


「家全体の強度を限界まで上げよう。ついでに結界も展開できるようにしてしまえ。後、温度と匂いも遮断するか」


 機能全盛りである。


 ひとまずはこんなものでいいか。


 足りないものが出てきたり、不具合を感じたりしたら、直せばいい。


 錬金術を使えば、強引な魔改造ならぬ魔リフォームができる。


 増改築も思いのままなのである。


 そうなると、設計段階で時間をかける必要はない。失敗した部分を後から直していけばいい。


「よし、後は作ってから考えよう」


 俺はアイテムボックスからブラックドラゴンの死骸を一つ取り出した。


 こいつを素材にして、錬金術で家を建ててしまう。


 創造補助スキルで思い描いた家のレシピを検索し、魔法陣を描く。


 そして、魔力を通して指を鳴らす。


 途端、設計した家と同規模の白煙が上がり、煙が消えると立派な一軒家が姿を現した。


 その隣には錬金術で使いきれなかった分の魔石が転がっている。


「お、うまくいったな」


 外観は元の世界の二階建て家屋といった感じに仕上がった。


 色は無難に白。屋根は濃い目のグレー。至って普通の見た目である。


 逆にその見た目のせいで森の中では浮きまくっているが……。


『すごーい! 大きいお家が出てきたよ!』


「そんなつもりはなかったんだけど、成り行きでマイホームを手に入れてしまったな」


 土地は買ってないから、テントみたいな扱いだけどね。


 冒険者の俺には、持ち運びが出来るこのタイプのほうが使い勝手がいい。


 だけど……。


「――なんというか、普通過ぎるな。せっかくブラックドラゴンの死骸を使ったのに、意外性の欠片もない……」


 普通オブ普通。


 異世界まで来て元の世界の普通の家に住むというのも、どうだろう。


 ぐぬぬ、こんなのでいいのか? いや、ダメだ!


 もっと想像力を働かせるべきだ。


 錬金術で無茶が出来るんだから、もっとぶっ飛んだものでもいいじゃないか。



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