192 錬金術発動! 衝撃の展開に……!
錬金術で無茶が出来るんだから、もっとぶっ飛んだものでもいいじゃないか。
「再挑戦だ!」
『作りなおすの?』
「うん、折角色々作れるんだから、ちょっと冒険してみるよ」
『頑張って!』
何か参考になる家はないか……。
と、考えて思いついたのはヴィヴィアンさんの工房だ。
あの宮殿みたいな工房を真似て、豪邸でも作ってみるか。
と、再度創造補助スキルでレシピをイメージしていく。
こう、部屋が何個もあって、召し使いがいるような豪邸……。
寝室は天蓋つきのベッドが入るほど天井を高く。
二階にはバーベキューができるほど広大なベランダでも付けとくか。
風呂も泳げるくらい広くして、獅子の口からお湯が出るようにしてやれ。
ダイニングは食堂くらいの広さにして、食卓を異様に細長くしよう。
テーブルの上にはキャンドルを設置。そうなってくると暖炉もいるな。
車なんてないけど、十台くらい入る車庫もおまけで付けておくか。
まあ、こんな感じか?
「よし、これでどうだ!」
と、再度イメージしたレシピを元に、一軒家を魔リフォームする。
元の素材がブラックドラゴンの死骸なので、素材不足になる事はない。
使用魔力も問題なし。
錬金術を発動させ、大豪邸を顕現させた。
『わぁ! おっきいね!』
「フッフッフ、やるならこれくらいやってしまって問題なかったんだ。早速中を見てまわろうか」
『探検だね!』
というわけで、俺たちは完成した豪邸の見学ツアーへと繰り出した。
そして、一時間後。
「元の一軒家に戻すか……」
『うん、ミミも前のお家の方が好き』
という結論に至った。
豪邸自体は素晴らしい完成度だった。
しかし、俺たち二人が暮らすにはあまりにも大きすぎて広すぎた。
掃除や運用に関しては、魔法を使えばなんとかなる。
が、問題は広さから来る不便さだ。
現在地から目的の部屋へ向かうのに無意味に時間がかかる。
部屋数を増やしたはいいが、使わない部屋が多すぎる。
風呂や食堂は二人で使うと広すぎる。
というか、寂しい。広大なホールの真ん中に二人だけでいるようなものだ。
二人しかいないので異常に静かだし、照明を消すとお化け屋敷にでもいる気分だった。
そんなわけでミミにも不評を買ってしまった。
やっぱり手頃な大きさが一番なのだ。
派手さより、使いやすさ。そういう結論に至った。そりゃそうか……。
というわけで、錬金術で大豪邸を元の一軒家に戻す。
「お、落ち着く……。やっぱり我が家はリラックスできるのが大前提だよな」
そもそも、この家でも充分に大きい。俺は一体何を血迷っていたのだろうか。
「さて、家も出来たし、料理するか」
新たな調理室ならぬ、一軒家を作ることに成功した俺はその日の料理を早速新居で作ることにした。
やっぱり広い空間だと調理し易いな。
気持ちよく料理を終え、置き引き鞄を確認するも盗られた形跡はなかった。
まあ、今日は家作りで派手に騒いだし、人が近づきにくい雰囲気だったかもしれない。
それから数日、料理のたびに家の側に鞄を設置してみるも、置き引きに遭うことはなかった。
たまに鞄の中の食料が森の動物に荒らされたくらいだ。
代わりに、冒険者の間で森の中に謎の家が突然現れるという噂話は立った……。
それくらいには頑張ったんだが、成果は出ず。
ギルドマスターも、ダメ元で依頼したと言っていたし、これは無理かもしれない。
手がかりが欲しいが、置き引き犯に遭遇しなければどうしようもないのだ。
残念だがこれ以上は諦めるしかないかもしれない。
その日も料理を作ろうと家を取り出した時、ミミに手を引かれる。
『マスター』
「なあに?」
どうしたのかな。




