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刺客。

 周囲には誰もいない。はずだった。


 あたしには何かがいる気配、は、感じられないけれどたぶん何かがいるんだろうな。


 真剣な顔のアーサー。タイミングを測って。


「よし、行くよ! ついてきて!」


 そう小声で言うとバシャンとお湯から立ち上がりそのまま脱衣所目掛けて走り出した。あたしもマジックシールド、魔力による防御膜を周囲にはりめぐらせながら後を追った。


 アーサーは走りながら両手を広げて、その広げた両手からソニックブレードを放つ。


 魔法剣の応用、手刀に魔力、今回は風のヤイバを纏い放ったのか。


 水飛沫があがり壁に金属の様なものが叩きつけられたのがわかった。


 ガシャン! 


 機械が壊れるようなそんな音、人ではない?


 ちらっとみたそこには犬の様な機械? が壊れて倒れていた。



 脱衣所に飛び込んだあたしたち、アーサーが自分の服とあたしのワンピースを手に取ると、


「ごめん、時間がない、下着は諦めて!」


 そう言うとワンピースだけあたしに放る。


 さっと自分の服を羽織ると「急いで!」と、そのまま廊下に出た。


 あたしもワンピースだけかぶって急いで後を追う。


 後ろではバリン! と、扉が割れて飛び出してくる機械犬。


 認識阻害、だったのかな? さっきまで見えなかったのは。


 今は姿を現したそれが追ってくるのをアーサーはソニックブレードで牽制し、そしてあたしの手を取って。


「部屋まで急ぐよ! みんなが心配だ!」


 と、あたしの手を引いて廊下を走った。





 階段を走って登りながら、「あれは……何?」そう呟いたあたしにアーサーが答える。


「あれは自動人形オート・マタ。犬型の戦闘用。大昔の技術の代物だからあんまり見ないかもしれない。もう軍で保有しているものしか存在しないはずだし」


「え? それって……」


「ごめん。巻き込んだ。あれの狙いはたぶん僕」


 なんでアーサーが軍の機械犬に狙われるの? どうして……?


「騎士団の中にいる間はここまで大っぴらに襲ってくることは無かったんだけどな。油断した。こんな少人数で行動してるのを好機と見られちゃったのかも。ほんとごめん」


 そう苦々しい顔で答えるアーサー。


 でもそれって、え、なに?


 それって国の中にアーサーの命を狙ってる人が居るって事?


 でもそれって、アーサーが男の子だったら、王子だったら、じゃ、なかったの?


「僕がもし男の子として育ってたら、きっと生きていられなかったに違いないって。そうずっとお母様に言われ続けてた」


「兄様の周りには、そういう大人が居るんだよって」


 あたしはアーサーが悔しそうに語ったそんなセリフを思い返していた。

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新連載はじめました♪
『あたしのお母様は異世界転移ヒロインでした。』 もよろしくおねがいします♬
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