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第2話 約束とクッキー

次の日の朝、私は今日も少し早く起きて、お昼の為に準備をした。


私は冷蔵庫から昨日作った市松模様のクッキーを取り出した。


少し気合が入って、多めに作ってしまった。


これ、いつもなら4日は持つよね......


ただ私が食べたかっただけと言いながら袋に詰め変えた。


もし谷口くんたちが食べに来なくても、休み時間に食べればいいよね。


むしろその方がいっぱい食べられてお得だし......


それにさきちゃんの分も増えるし......


誰かに言い訳をしながら袋をバッグに入れた。




午前中の授業は気が付いたら、谷口くんを目で追っていた。


昨日作ったクッキーもおいしいって言ってくれるかな。とか、


また嬉しそうな顔見られたらいいなって考えていたらお昼になっていた。


あとでさきちゃんに、授業内容聞いとかないと......


私がお弁当を準備していると、谷口くんたちが声をかけてきた。


「佐々木さん、今日もお菓子持ってきてる?よかったら食べたい!」


声をかけてきてくれて少し嬉しかったけど、


恥ずかしくて少し目を逸らしながら、


バッグから小分けにしたクッキーを渡した。


「はい、クッキー」


彼は嬉しそうに目を輝かせながら言った。


「ありがとう!今日のもおいしそう!あとで感想言うね!」


彼は小さく手を振ると、鈴木くんと斎藤くんを引き連れて、自分の席に戻っていった。


谷口くんたちが、いつ私のクッキーに口を付けるかチラチラ見ながら、


いつもより少し早いペースでお弁当を食べた。


谷口くんたちもちょうどお弁当を食べ終わったみたいで、


3人の視線が私のクッキーに集まっている。


そんなにじろじろ見られると、


形が整ったのを選んできたはずだけど、不安になる......


谷口くんたちの反応を直接見るのが怖くて、机を見てしまった。


なんとなく谷口くんたちが盛り上がってるみたいだけど、


私は机を見たままだった。


しばらくすると静かになって、谷口くんが声をかけてきた。


「佐々木さん、今日のクッキーもすっごいおいしかった!作ってきてくれてありがとう!」


私は谷口くんの顔から目を逸らせなくなった。


こんなに真っすぐな言葉に、どう反応すればいいかわからなくなった。


「うん......」


私はとりあえず頷いた。


「このクッキーどうやって作ったの?お店のみたいでおいしかった!佐々木さんの作る他のお菓子も食べてみたい!」


私が反応すると、谷口くんはより嬉しそうに矢継ぎ早に畳みかけてきた。


どこから答えていいかわからず口をパクパクさせてしまう。


すると鈴木くんが助け舟を出してくれた。


「おい、谷。佐々木さんが困ってるだろ?もっとゆっくり話せ。佐々木さん、こいつこんなだけど悪い奴じゃないんだ」


谷口くんは少し落ち着いたけど、嬉しそうに1つ1つ確認するように言った。


「ごめん、佐々木さん。えーっと、クッキーすっごいおいしかった。佐々木さんのお菓子また食べたいって思った。佐々木さんさえよければまた貰えると嬉しい。」


「ふふっ......」


急にゆっくり言葉を選んで話し始めるから、私は少し笑ってしまった。


谷口くんが少し不安そうに聞いてきた。


「なんか俺変な事言った?」


「うん」


自分でも頬が緩んでるのがわかりながら、私はそう答えた。


「俺は真面目に、佐々木さんのお菓子食べたいから。だからまた欲しい」


谷口くんは手を合わせて、祈りながら言った。


「うん、いいよ。また作ってあげる」


私の声は少し明るく震えていた。

読んでくださり、ありがとうございます。

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