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お菓子とあなた  作者: シロ
第一章 カップケーキと始まる約束
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閑話 市松模様クッキー 後編

手を洗ってスマホを見ると、さきちゃんからLINEが来ていた。


「今日はなに作ってるの?できたら写真送って~⋆⟡」


胸の奥が、少しだけ温かくなった。


「あと2時間くらいでできるから、もうちょっと待ってて」


そこまで送って、少し迷った。


お昼休みのこと、さきちゃんに話そうかな......


「今日谷口くんたちに、カップケーキ食べてもらったんだ おいしいって言ってくれて嬉しかった」


しばらくすると、さきちゃんから返信が来た。


「まいちゃんが私以外にお菓子あげるのめずらしいね なにかあったの?」


何度か打ち直して、送った。


「谷口くんたちが、私の食べてるカップケーキに興味持って、食べたいって言ってきたからあげただけだよ」


すると、すぐに返信があった。


「ふ~ん そうなんだ~ なにか面白いことあったら教えてね~⋆⟡」


変な勘違いされてそう......


面白いことなんて、ないのに......


ここで、あげる約束しちゃったの言ったら、からかわれそうだし今度言おう......


そう思って、私は時間をつぶすために部屋に戻って宿題を片付けた。




宿題が一段落すると、いい時間になっていた。


「そろそろ仕上げ頑張ろう」


そう口に出しながら、キッチンに戻って、オーブンの予熱をした。


予熱をするときの、この独特な音を聞くと、もう少しで焼くんだって気がして、


少しだけわくわくしていた。


生地を冷蔵庫から取り出して、ココアとバニラを交互にして、市松模様になるように整えた。


合わせ面には、残しておいた卵白を塗ってくっつけた。


これで、バラバラになりにくいはず......


その後に周りにチョコ生地を巻いてあげた。


「ここまでは順調。あとはきれいに切って......」


等間隔で切り終わると、ちょうどよくオーブンの予熱が終わった。


クッキングシートを天板に敷いて、生地を並べた。


生地を落とさないように、気を付けながらオーブンに入れた。


入れ終わった瞬間、少し息が漏れた。


いつもは焼いている間は別のことをしてるのに、今日はオーブンの前を、行ったり来たりしていた。


どうして、こんなに気になるんだろう......


何度も作ってるはずのに、なんでだろう。


そんなことをしていると、オーブンから甘い匂いがしてきた。


体は自然と耐熱マットの準備をしていた。


準備が終わって少し待つと、オーブンが時間を教えてくれた。


私はいつもより、ゆっくり扉を開けた。


甘い匂いに包まれながら、出来を確認した。


「うん、できてそう......あとは火が通ってるか確認して......」


爪楊枝で確認したけど、大丈夫そうだった。


落とさないように気を付けて、耐熱マットに天板を運んだ。


できたてを試しに一つとって、息で冷ましてから口に含んだ。


バニラとココアの香りが鼻に抜けておいしかった。


ちゃんと、喜んでもらえそうかな......


しばらくすると、粗熱を取り終わった。


さきちゃんに見せる用のクッキーを何枚か分けて、残りは冷蔵庫に入れた。


お皿にきれいに置いて写真を撮った。


「さすが私、見た目も完璧のはず」


また、「おいしい」って言ってくれるかな......


さきちゃんに写真を送りながら、少しわくわくしている私がいた。


よろこんでくれるといいな......


それでも、胸の奥が少しだけ落ち着かなかった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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