プロローグ
貴族ものは関係性がよく分からないので難しいですね…まだ理解出来てません。現実では有り得ないだろうことも創作なので許してください(・∀・)
それは突然の事だった。
お父様に呼ばれて書斎に訪れると、深刻な顔をしたお父様が一言
「ロベルタ、君に結婚の申し込みがきている」
ロベルタは今年で18になるのでそろそろ結婚しても可笑しくない年頃だが、ロベルタが生まれ育ったこのアトランティカ家は王室よりも長いとされる歴史ある血筋だけが取り柄の貧乏伯爵家。我が家の血筋を遡れば王室にも連なる古くからこの領地を守ってきた由緒正しき家柄だ。しかし不幸にも10年前の類を見ない大飢饉により今や没落寸前、ロベルタも貧困により姿はゲッソリしており、流行遅れのドレスを着た様相は貴族というにはみすぼらしい。いくら歴史ある血筋といえど沈みゆく船に自ら乗りたいというものはおらず、今までそういった相手もいなかったのだ。そんな泥舟令嬢を貰い受けようとはどんなもの好きなのだろうか。
「お受けします」
ロベルタはニッコリと微笑みそう言った。
父親は間髪入れずに言い放った娘に驚いて
「え!?ロベルタ…相手を聞かなくていいのかい?嫌だったら断ってもいいんだよ?汗」
「私、お父様とお母様には感謝してるんです。誰が相手でも我が家の為になるのでしたらお受けするつもりでした」
そうなのだ。こんな貧乏伯爵家といえども、実はロベルタにはいくつか結婚の打診は来ていた。そのどれもが、金はやるから若い娘を嫁に差し出せといった下心が見え見えの将来ロベルタが絶対幸せになれないであろう変態糞爺からの打診だ。しかし、人格者の両親は大切な娘をこれ以上不幸にしない為に頑なに断っていてくれたのだ。娘を差し出せば今ある問題が全て解決するとわかっていても、だ。ロベルタは両親の深い愛に感謝してもしきれなかった。そんな父親がこんなに深刻な顔をして言ってきたのだ。口では断っていいとは言っていても、実際は断れないんだろうなとわかってしまった。でもロベルタは元よりどんな相手に嫁ぐ事になっても優しい両親に恩を返したいと思っていたので断るという選択肢はなかった。
父親は娘のその言葉を聞きグッと拳をにぎりしめ
「……すまない。」
一言謝った。
「…お父様、謝らないでください!私は大丈夫です!きっと幸せになってみせますから♪そう言えば、お母様はどちらに?」
お父様は気まずそうに目を逸らすと、
「シルヴィアは相手の名前を聞いた途端倒れちゃったんだ、だから今は寝室で寝ているよ」
苦笑いしながら言った。
その答えに戦々恐々としながらロベルタは
「お父様……その方のお名前は?」
と尋ねた。
誰にでも嫁ぐつもりでいたロベルタだったが名前を聞いただけで倒れるとなると流石に少し怖い。そんなに恐ろしい相手なのだろうか。父親は少し戸惑った後
「マリウス・ランベルト公爵様だ」
その名前を口にした。
マリウス公爵といえば、国王の右腕にして国1番の魔法使いと名高いこの国で知らない者はいない美貌の麗人だ。若くして魔術師団長という地位を賜ったこともあり、言いよる女性が後を絶たない。にも関わらず女性関係の噂を聞いたことがないので女性には興味がないのかと思っていたが違うのだろうか?そんな有名人が一体何故私なんかと結婚を…?不思議に思いはしたが思ったより素敵な相手だった事にロベルタは安心した。
「お母様が倒れたというのでどんな恐ろしい方かと思ったら美貌の公爵様と言われる有名人なだけではありませんか。もちろん、私では身分不相応だとは思いますが…なぜお母様はお倒れになったのでしょう?少し大袈裟では?」
ロベルタののほほんとした台詞に
「ロ、ロベルタ!まさか魔王公爵の噂は知らないのかい?!」
「魔王公爵…?」
父親は真っ青になった。
曰く、美貌の公爵は表向きの噂で裏では冷酷無慈悲で残酷な"魔王公爵"と呼ばれいるらしい。なんでも、気に入らない者は老若男女容赦なく殺すとか、魔法で1国を焼き払っただの言われているんだとか。
…なるほどね。美貌の公爵様がなぜこの歳まで独身だったか不思議だったけどこんな噂があるなら納得ね。でも私には関係ない。
「お父様、所詮噂でしょ?大丈夫よ。案外いい方かもしれないし」
こうして私は、マリウス・ランベルト公爵またの名を悪魔公爵に嫁ぐ事になったのであった。
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