世界情勢
テクテクと森を歩く白獅子ジークレオヴァルトとその背に跨がる白銀の髪が腰まである超露出度の高い改造巫女装束を身に付けた美しい女性ゼレスデウナ。
その隣をパタパタ飛行する吸血姫アルモディアと地面を黒い影となり移動するエルドアザル。
これから向かう先はアルケオン神聖王国。
かつてゲームの世界にも同じ名前の王国があったが同じ国とは限らない。
ダークネスセブンズソードの世界には五つの大陸がある。
北側には溶けることの無い雪と氷に覆われた山脈が連なる永冬大陸ナハリヤ。
東側には肥沃な大地に多種多様な妖精、精霊、幻獣が住まう幻精大陸ネウズガート。
西側には広大な湖、湿地帯があり外海へと繋がる航路が開拓されている湾岸大陸エレジッド。
南側には荒野と砂漠が広がり、火山連峰がある熱地大陸ロギア。
そして中央に位置するロスリーナ大陸がある。
さらに外海を抜けると世界の果てに辿り着くという話があるが、確かめて生きて帰った者はいない。
そして五つの大陸を含め、総じて魔物と呼ばれる災厄が生き物を脅かしている。
未だ見ぬ新天地を開拓したり、魔物を倒して生計を立てるのが冒険者と呼ばれる者だ。
この他にも神々と天使が住まう天上界、悪魔や魔神が跋扈する冥界がある。
ちなみに世界の果ての狭間はラスボス戦で訪れた異空間である。天上界や冥界は設定上はあることになってるが実際にゲームでは行くことは無かった。
「ここがかつてのロスリーナ大陸であれば、アルケオン王国にいずれは辿り着くとは思うけど…俺が闇の女神を倒したことにより闇の力は減少し、魔物の発生は緩やかになったはず。…それから千年後の今の世界情勢はどうなってるんだか判るか?」
俺はジークレオヴァルトのフサフサの毛並みをモフモフしながら従魔たちに聞いてみる。
「…ご主人様、妾たちは千年近く外界から離れていたので現状の世界が如何様に変わったのか詳しくは…」
アルモディアが申し訳なさそうに言う。
そうだった、こいつら俺がいない間の千年間引きこもってたんだ。なんか申し訳ない。
でもせめてここら辺の地形ぐらいは把握したいんだよ
な。
これがゲームのダークネスセブンズソードなら行った場所はポータルゲートで自由に瞬間移動が出来たのに。
メニューを開いてもマップ関連のコマンドは出ないし、ポータルゲートも無くなってるのか使えない。
地道にマッピングしないといけないのか。
飛行魔法でもあればどこでも飛んで行けるんだけど、残念ながらダークネスセブンズソードには飛行魔法は存在していなかった。
もしかしたら今のこの世界のダークネスセブンズソードなら飛行魔法があるかもしれいが。
「…飛行。空を飛ぶ。飛ぶなら鳥とか竜とか…竜?エルドアザル!!お前がいるじゃん!!」
「!? ドウシタ主ヨ、敵カ?」
唐突に名を呼ばれ、影の中から巨大な頭を覗かせるエルドアザル。
「お前に乗って移動すれば万事解決するだろう。お前空飛べるし」
「ワ、我ガ主ヲ、ノ、乗セテ?ナント名誉ナ…シカシ良イノカ?主ヨ?」
「わ、我が君よっ!我は用済みですか!?もう必要無いというのですか!?御役御免なのですか!?ウォオオオオオッ!!!」
ジークレオヴァルトがガーンとショックを受けて遠吠えしながら嘆いている。
「勘違いするな、泣くなジーク。俺はお前のモフモフを見捨てはしないぞ。何故ならモフモフは正義だからな」
「わ、我が君…なんという優しさと労り…あふぅ」
モシャモシャと黄金の鬣を撫でてやると気持ちよさそうにトロンとする。チョロいな。
「…ご、ご主人様。ご主人様がお望みなら妾もともに何処までも幾らでも飛んでイきますっ!」
アルモディアが赤い顔をして、フンスッと鼻息荒くする。お前はどこに飛んでイくつもりだ、と問い詰めたい。
そんなこんなで俺はエルドアザルの頭に乗り、モルズの森を抜けることと周辺一帯の把握をする事にした。




