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予定と洞察

 






「さてと、コイツどうしようかな。とりあえず従魔にするか」


 俺はさっき倒した盗賊団のボスをアンデッドにするために死霊術を行使する。


「ネクロフィールサモンアンデッド」


 魔方陣が展開して真っ二つに別れた盗賊団のボスの死体を闇が包む。


 今俺のクラスはネクロマンサーの最上位職のソウルテイカーで固定されている。

 何故かメニューからクラス変更の項目が消えてるので他のクラスに変更は出来ないっぽい。

 それでも最上位職は他のクラスの有能なスキルを複数付け替える事が出来たから問題ないけど、一部弊害があった。


「うーむ。闇系統にかなり偏った構成にしたのはロマンを追い求めた結果だから仕方ないけど、やっぱ他のスキルが使えないのはちょっとマズイかな」


 習得魔術の光魔法と精霊魔法の表示がグレーになっていて使用できない。

 これでは大規模な回復魔法と蘇生魔法が使えない。光魔法は回復の要だしパーティー戦では重宝するし、精霊魔法は補助に長けた有能な魔法だ。


 まあ俺は基本的にソロメインでクエストをやり込む時間が多かったから、あんまりパーティー戦を意識した構成にはしなかった。たまにフレンドや辻パーティーで使うぐらいだったからだ。


 代わりに自己強化や妨害魔法、攻撃系統のスキルや魔法ばっかりになっている。なので自分を回復する魔法やスキル構成はしっかり整えてあるが、回復アイテムの類が一切ないのはこれはこれで問題だろう。


 やはり希少で高性能なアイテムの損失は堪えるな。


「…今は考えてもしょうがないか。なんとかなるだろう」


 そんなことを思考してたら従魔化が完了したようだ。



 闇の中からゆらりと立ち上がった盗賊の首領は灰色の肌を持った屍人として甦った。




 バルタス・ボルドール


 ランク: B

 種族: デスリベンジャー

 異名: 双頭の牙


 生前アルケオン神聖王国に仕えていた元中隊長騎士。とある諸事情で引退を余儀無くした。王国騎士団に強い怨恨を持つ。




 ランクBか。

 デスリベンジャーはそれなりに使える中堅のアンデッド戦士だ。

 そうか、このオヤジは元騎士の中隊長か。なんかただ者じゃない感じだったからな、盗賊になったのもワケありか。

 ちょっと聞いてみるか。



「バルタスさん、あんたなんで騎士やめたんだ?」


「……おれ、は、やってない…やつらが…はめやが…」



 なんかブツブツ言ってて意思疎通は無理か。


 しかし知ってる名前があった。アルケオン王国か。いつの間にか神聖王国になってたんだ。ま、千年経てば国も変わるか。


 となるとここはロスリーナ中央大陸に位置するのか。


 うん、王国に行ってみるのもいいな。


 とりあえずこの派手に散らかしたパーティ会場を綺麗に片付けてからにするか。


「アルモディア、他に生物の気配はあるか?」


 俺の影からアルモディアがスッと現れる。


「いえ。この洞穴にそれらしい反応は在りません、ご主人様」


「そうか、ならここの始末は任せていいか?」


「御意に」


 アルモディアは恭しくお辞儀をすると、自身の影を伸ばし広げて洞穴中に拡散させた。


 盗賊たちの屍はアルモディアの伸ばした影の中に沈み、血の一滴も残さず消えていく。


 俺は洞穴の奥に視線を向ける。


「うーむ、盗賊団ならば性奴隷の何人かぐらいいるかと思ったけど、いなかったか。実は硬派な盗賊団だったとか?いや、どいつも俺を輪姦そうとしてたから、女日照りだったのは間違いないようだけど」


 盗賊たちが欲情したのも俺の至高のアバターがメチャシコの存在だったからだろう。俺も男だから分かる。体は女だが。




 あとは盗賊なら宝物と相場は決まってる。

 悲しいことに今の俺は所持金ゼロなのである。なので金目の物を物色することにする。










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