有名RPGの設定を後付けする話
お久しぶりです。
小説の展開に行き詰まったり、君と紡ぐお空の本格RPGが忙しかったりで、しばらく読む専だったんですけど、そろそろ書けるかなということで、リハビリを兼ねてマックで女子高生から聞いた昔話を。
古●場最終日にやることかって話ですけど。序盤あんだけ古●場に逃げられると、モチベがなあ……。
むかしむかし、ビデオゲーム(コンピュータゲーム)の業界が今よりもっと大らかで、国産RPGが海外の名作をお手本に作られてた時代がありました。当然、なろうコンのゲーム部門みたいな――――
『魅力的な設定』は、作品に奥行きを与え、伏線を作り、要所で大きなインパクトを生み出す力が
――――ちゃんとしたものはほとんどなく、ノリと雰囲気だけで国民的大ヒット作になったりしてました。
そういうヒット作の存在と、当時は最高に勢いがあった攻略本文化はやがて、公式ガイドなどのファンブックの誕生につながります。よくあるメディアミックス。
そしてその手のファンブックの役割はというと、ゲームや物語の世界観を掘り下げ、より重層的な楽しみをユーザーに提供すること。平面のドット絵でしかない街のマップが立体的なイラストに起こされてみたり、ゲーム内では伺い知れない武器やモンスターについてのうんちくなんていうものも欠かせません。
だがしかし、ノリと雰囲気だけで作られたので、設定がない。設定がないのだ。
設定がないなら作ればいいじゃない、ということになり、ファンブックの制作に携わるライターたちが頭を捻ってモンスターの設定を考え、紹介文を書き上げていきます。
見た目コウモリだから洞窟とかによくいることに……フィールドでも出会うけど、夜になると出現率上がるから、説明つくか。って、こいつが出てくる洞窟あったっけ? は? 洞窟には出ない?
見たまんま黄金製のゴーレムだから、とても硬い……と。
どうやって仲間を呼ぶんだろうな。まあ、手招きだよな。手しかないし。
ベス? ベスってなんだ?
例えるなら、そういう感じの作業です。例えるなら、ですよ?
それでまあ、「これならゲーム的にも海外のRPGと照らし合わせてみても、TRPGの人たち御用達の魔物図鑑みたいなのともそれほど乖離しないし、いい出来なんじゃないの」みたいなとこまでこぎつけて、ゲーム会社にチェックしていただくとですね。
「いやあ、このモンスターはね……こうじゃないんですよ」
「あ、そうでしたか。では、どんな感じなのですか?」
「それを考えるのがそちらの仕事でしょう」
「???」
という禅問答にもなってないような問答(または担当者の気分)があったりして、リテイクからの応酬があり、忘れた頃に最初の原稿を送るとあっさり通ってやっぱりただの気分じゃねえかみたいなことがあり。
そうやって今の世界観が形作られていったんだと、マックで女子高生が言ってました。
……なんでこの話を書いたんでしょうね。なろう的になんか役に立つとこありますかね。
あれかな、感想とかで設定にダメ出しされたときに「お前が言うな」って開き直ればいいよっていう教訓とかに……ならんか。
しかしまあアレですね、このシリーズの「ライターに必要なもの、作家に必要なもの」に登場した編集者氏が言ってたまんまみたいなやつをなろうコンで見かけると、なんかじわじわきますね。芯になるものはいくつかお決まりになってて、そこからどれだけ拡げたり外したりしていくかってことなんでしょうね。
そろそろ書けるネタも尽きそうですが、ではまたそのうちに。