俺は、後悔しない選択肢を選び、そして……。
えー、今回、いろいろな電子機器? が出てきます。
僕は、かなり機械類に疎いため、誤用している可能性があります。
そんなことがあったら、コメントにて、お知らせください。
1
俺は、足りていないパズルのピースを必死に繋ぎ合わせて、正解にたどり着く。
親父が死ぬ前に残した、謎の真実を知るために。
俺、こたえ、こたえ、うるさいな……。
そして、俺のたどり着いた先には……
「これは……?」
そこにあったのは、旧式のブルーレイが置いてあった。
そして、小さな部屋には、他にも、テレビ、リモコン、ブルーレイで再生するであろう、ディスクがあった。
そして、部屋の真ん中には、「再生しろ」とだけ書かれた紙が無造作に置かれている。
俺は、指示通りにディスクをブルーレイにセットし、テレビの電源を入れ、録画欄にある、「レントへ」とあるものを再生する。
そして、すべての準備を終えると、テレビ画面に死んだ親父、光國の姿が……。
親父は、画面の中で、話を切り出す。
『よう、憐斗。ここにたどり着いたか。嬉しい限りだ。あの世界には行ってきたんだろ?』
分かっているくせに親父は、俺の知っている話をし始める。
『あの世界はな、俺が英雄になった世界だ。あの世界がなぜできたか、それは、今は話せない。まぁ、お前があの世界に行くように仕立てたのは俺だけどな』
親父は、こちらの焦りなど気にしていないような素振りでたらたらと、話をする。
まぁ、相手にこちらの焦りなど、わかるはずもないが。
『その理由も特にねぇ。でも、今のお前には、役に立ったんじゃないか?』
こちらのことはすべて見透かされているような、そんな違和感を覚える。
しかし、親父は、淡々と進めていく。
『率直にいこう。お前は、あの世界に戻りたくて、ここに来た、そうだな?』
親父の問いの選択肢は、俺には、一つしかない。
もちろん、イエス、だ。
『そうじゃなきゃ、ここで話は、終わりだ。そうじゃないなら、続けるぞ』
俺は、次の言葉を待つ。
『あの世界に戻るなら、簡単だ。このテレビの後ろにもう一つ部屋がある。そこに入れば、あの世界に帰れるぞ』
俺は、それを聞いて、すぐさま動き出そうとした。
しかし、それを画面の中から親父が制止させた。
『一つ、大事なことを言うのを忘れた。聞いてろよ』
なんだよ……と思いながらも、俺は、その大事なことを聞く。
『お前は……次にあの世界に行くと、役目を終えるまで、還れない』
俺は、それに衝撃を受けた。
しかし、親父は続ける。
『役目は、わかっているだろ? だから、俺からの最後のプレゼントだ』
役目とは、魔王退治のことだろう。
ヤッベェ、マジな異世界召喚って感じだ。
プレゼントってなんだ?
まさか……待ちに待ち望んだ……
『チートスキルをやろう』
ヤッタァァァァァァ!
遂に、遂に来たー!
異世界召喚っぽくなったな、いきなり。
『お前があっちの世界に行くと、自動的にゲットできるぞ』
ヤッタァァァ!
最初のポケ○ン選ぶと、自動的にゲットできる感じ?
『そのスキルの説明をするぞ。それがこれだ!』
«ぼっちは歩くのが速い»
・スキル発動中、だれにも気づかれない。
・ただし、走ると、スキル中断。さらに、接触及び、声を発しても、同様。
«ぼっちの不可視なる壁»
・発動中、自分の周り、半径1メートル以内で起きるすべての事象を封殺。
・ただし、その範囲内に自分以外の人間がいると、発動できず、侵入してきた場合、中断。
«ぼっちの優れし観察眼»
・発動中、相手のレベル、筋肉量、頭脳、自分との差、心情などがわかる。
・ただし、リア充などを見て、心が痛むと、発動中断。
«引きこもりの世界»
・発動時、周りの人々は、誰も触れることができなくなる。
・ただし、無理矢理、解除されることがある。
«ぼっちの友達作り»
・発動時、辺り一面を絶対零度のごとく冷やす。
・発動すると、自分にも、かなりのダメージ。
「……」
俺は、絶句した。
しかし、次の瞬間、俺の思考回路は、再稼働し、
「ただの駄スキルじゃねぇか!」
何だよ、この自分にもダメージあるチートスキルって。
確かに、性能はかなり高い。弱点がなければな……。
しかも、何だよ! この弱点設定。ぼっちの行動とかのマイナス面を具現化したたけじゃねぇか!
チートスキルじゃないな、これ。ただのぼっちスキルで、駄スキルだ。
あのくそ親父、ふざけてるだろ。
『おっと、言い忘れたことがあった』
「まだあんのかよ!」
俺は、ここで、ことごとく、信念を砕かれた。
だって、完全にふざけてるから。
それなら、ツッコミぐらいするよねぇ?
『お前がレベルアップすれば、新たなスキルも出るぞ』
「まだあんのかよ!」
おっと、デジャブ。
だけど、これ以上、駄スキルがあると思うと、辛くない?
『これで、終わりだ。行くなら、それなりの覚悟を持てよ』
俺は、リモコンに手を伸ばし、停止ボタンを押す。
そして、
「わかってるよ」
短く、そう答えた。
画面の中の親父が、微かに微笑んだ気がしたのは、気のせいだろうか。
奥の部屋に俺は、あの世界に戻るために、入る。
そして想う。
俺の帰りを待っているであろう、少女を。
また、こうも思う。
俺の異世界召喚には……
チートスキルがない!
蒼白い光に包まれ、俺は、還る。
俺が還るべき場所に……。
2
俺は、気づけば、異世界に来ていた。
部屋の中だろうか。天井もあり、窓から、月明かりが射し込んでいる。
部屋の中には、誰かいる。
暗くてよく見えないが、女性のようだ。
俺は、その人に驚かせないように、そっと近づいた。
いや、そっと近づくほうが驚くか。
そんなことが脳裏を過ったが、気にせず進む。
そこにいた人が、俺の存在に気づいたようだ。
スキル使うべきだつたかな……。
その人も、ゆっくりこちらに近づいてくる。
そして、月明かりに照らされ、現れたのは、鮮やかな金色の髪、燃えるような紅い瞳。
その姿は見慣れていた。
相手も、俺の顔を見たのか、紅い瞳に、涙の粒を作り、声を出した。
「レント……」
俺は、名前を呼ばれた。彼女に名前を呼ばれたのは、何日ぶりかはわからない。
しかし、あちらの世界で1日は過ごした。
ならば、あまり時間は、経っていないだろうが、俺は、久しく感じ、
「カリーナ、ただいま」
彼女、カリーナの名前を呼ぶ。もちろん、挨拶は忘れていない。
そして、彼女は……
「おかえり。おかえり、レント……」
そう言って、俺に、泣きながら飛びついてきた。
俺は、その様子に安心しながら……。
俺とカリーナの再会だった。
そして俺は、異世界に戻ってきたことを実感した。
評価くださいな。
評価してくれると、ありがたい。
次は、憐斗君が現実世界に行ってしまった後の、異世界の話です。




