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凡人以下の俺に異世界でチートスキルがあったら奇跡だと思います。  作者: 羽矢隼
第2章 俺は異世界に帰りたい。
9/20

 俺は、後悔しない選択肢を選び、そして……。

 えー、今回、いろいろな電子機器? が出てきます。

 僕は、かなり機械類に疎いため、誤用している可能性があります。

 そんなことがあったら、コメントにて、お知らせください。

 

  1

 俺は、足りていないパズルのピースを必死に繋ぎ合わせて、正解(こたえ)にたどり着く。

 親父が死ぬ前に残した、謎の真実(こたえ)を知るために。

 俺、こたえ、こたえ、うるさいな……。

 そして、俺のたどり着いた先には……


「これは……?」


 そこにあったのは、旧式のブルーレイが置いてあった。

 そして、小さな部屋には、他にも、テレビ、リモコン、ブルーレイで再生するであろう、ディスクがあった。

 そして、部屋の真ん中には、「再生しろ」とだけ書かれた紙が無造作に置かれている。

 俺は、指示通りにディスクをブルーレイにセットし、テレビの電源を入れ、録画欄にある、「レントへ」とあるものを再生する。

 そして、すべての準備を終えると、テレビ画面に死んだ親父、光國の姿が……。

 親父は、画面の中で、話を切り出す。


『よう、憐斗。ここにたどり着いたか。嬉しい限りだ。あの世界には行ってきたんだろ?』


 分かっているくせに親父は、俺の知っている話をし始める。


『あの世界はな、俺が英雄になった世界だ。あの世界がなぜできたか、それは、今は話せない。まぁ、お前があの世界に行くように仕立てたのは俺だけどな』


 親父は、こちらの焦りなど気にしていないような素振りでたらたらと、話をする。

 まぁ、相手にこちらの焦りなど、わかるはずもないが。


『その理由も特にねぇ。でも、今のお前には、役に立ったんじゃないか?』


 こちらのことはすべて見透かされているような、そんな違和感を覚える。

 しかし、親父は、淡々と進めていく。


『率直にいこう。お前は、あの世界に戻りたくて、ここに来た、そうだな?』


 親父の問いの選択肢は、俺には、一つしかない。

 もちろん、イエス、だ。


『そうじゃなきゃ、ここで話は、終わりだ。そうじゃないなら、続けるぞ』


 俺は、次の言葉を待つ。


『あの世界に戻るなら、簡単だ。このテレビの後ろにもう一つ部屋がある。そこに入れば、あの世界に帰れるぞ』


 俺は、それを聞いて、すぐさま動き出そうとした。

 しかし、それを画面の中から親父が制止させた。


『一つ、大事なことを言うのを忘れた。聞いてろよ』


 なんだよ……と思いながらも、俺は、その大事なことを聞く。


『お前は……次にあの世界に行くと、役目を終えるまで、還れない』


 俺は、それに衝撃を受けた。

 しかし、親父は続ける。


『役目は、わかっているだろ? だから、俺からの最後のプレゼントだ』


 役目とは、魔王退治のことだろう。

 ヤッベェ、マジな異世界召喚って感じだ。

 プレゼントってなんだ?

 まさか……待ちに待ち望んだ……


『チートスキルをやろう』


 ヤッタァァァァァァ!

 遂に、遂に来たー!

 異世界召喚っぽくなったな、いきなり。

 

『お前があっちの世界に行くと、自動的にゲットできるぞ』


 ヤッタァァァ!

 最初のポケ○ン選ぶと、自動的にゲットできる感じ?

 

『そのスキルの説明をするぞ。それがこれだ!』


«ぼっちは歩くのが速い(スピニング・オンリー)»

 ・スキル発動中、だれにも気づかれない。

 ・ただし、走ると、スキル中断。さらに、接触及び、声を発しても、同様。


«ぼっちの不可視なる壁(ゼロ・アラウンド・フィールド)»

 ・発動中、自分の周り、半径1メートル以内で起きるすべての事象を封殺。

 ・ただし、その範囲内に自分以外の人間がいると、発動できず、侵入してきた場合、中断。


«ぼっちの優れし観察眼(ロンリー・アイ)»

 ・発動中、相手のレベル、筋肉量、頭脳、自分との差、心情などがわかる。

 ・ただし、リア充などを見て、心が痛むと、発動中断。


«引きこもりの世界(クロニクル・ワールド)»

 ・発動時、周りの人々は、誰も触れることができなくなる。

 ・ただし、無理矢理、解除されることがある。


«ぼっちの友達作り(ジ・エンド・ブリザード)»

 ・発動時、辺り一面を絶対零度のごとく冷やす。

 ・発動すると、自分にも、かなりのダメージ。


「……」


 俺は、絶句した。

 しかし、次の瞬間、俺の思考回路は、再稼働し、


「ただの駄スキルじゃねぇか!」


 何だよ、この自分にもダメージあるチートスキルって。

 確かに、性能はかなり高い。弱点(デメリット)がなければな……。

 しかも、何だよ! この弱点設定。ぼっちの行動とかのマイナス面を具現化したたけじゃねぇか!

 チートスキルじゃないな、これ。ただのぼっちスキルで、駄スキルだ。

 あのくそ親父、ふざけてるだろ。

 

『おっと、言い忘れたことがあった』


「まだあんのかよ!」


 俺は、ここで、ことごとく、信念を砕かれた。

 だって、完全にふざけてるから。

 それなら、ツッコミぐらいするよねぇ?


『お前がレベルアップすれば、新たなスキルも出るぞ』


「まだあんのかよ!」


 おっと、デジャブ。

 だけど、これ以上、駄スキルがあると思うと、辛くない?


『これで、終わりだ。行くなら、それなりの覚悟を持てよ』


 俺は、リモコンに手を伸ばし、停止ボタンを押す。

 そして、


「わかってるよ」


短く、そう答えた。

 画面の中の親父が、微かに微笑んだ気がしたのは、気のせいだろうか。

 奥の部屋に俺は、あの世界に戻るために、入る。

 そして想う。

 俺の帰りを待っているであろう、少女を。

 また、こうも思う。

 俺の異世界召喚には……

 チートスキルがない!

 蒼白い光に包まれ、俺は、還る。

 俺が還るべき場所に……。


  2

 俺は、気づけば、異世界に来ていた。

 部屋の中だろうか。天井もあり、窓から、月明かりが射し込んでいる。

 部屋の中には、誰かいる。

 暗くてよく見えないが、女性のようだ。

 俺は、その人に驚かせないように、そっと近づいた。

 いや、そっと近づくほうが驚くか。

 そんなことが脳裏を過ったが、気にせず進む。

 そこにいた人が、俺の存在に気づいたようだ。

 スキル使うべきだつたかな……。

 その人も、ゆっくりこちらに近づいてくる。

 そして、月明かりに照らされ、現れたのは、鮮やかな金色の髪、燃えるような紅い瞳。

 その姿は見慣れていた。

 相手も、俺の顔を見たのか、紅い瞳に、涙の粒を作り、声を出した。


「レント……」


 俺は、名前を呼ばれた。彼女に名前を呼ばれたのは、何日ぶりかはわからない。

 しかし、あちらの世界で1日は過ごした。

 ならば、あまり時間は、経っていないだろうが、俺は、久しく感じ、


「カリーナ、ただいま」


 彼女、カリーナの名前を呼ぶ。もちろん、挨拶は忘れていない。

 そして、彼女は……


「おかえり。おかえり、レント……」


 そう言って、俺に、泣きながら飛びついてきた。

 俺は、その様子に安心しながら……。

 俺とカリーナの再会だった。

 そして俺は、異世界に戻ってきたことを実感した。

 評価くださいな。

 評価してくれると、ありがたい。

 次は、憐斗君が現実世界に行ってしまった後の、異世界の話です。

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