俺は、異世界に還る方法を模索する。
第2章です。
この章では、憐斗君の現実世界での営みが描かれる予定です。
評価の方、よろしくお願いします!
俺は、蒼白い光に包まれ、現実世界に帰還した。
「ハァァァァ?」
あっ、変な声出した。いや、出すだろ!
おかしくないですか? やっとさ~異世界で幸せ掴んで、勇者っぽいことが始まりそうな場面で、いい感じだったのに、現実世界にカムバックなんて……。
俺は、現実世界への帰還に不満を言いまくっていたとき、ある可能性に思い至る
「もしかしたら、夢だった説!」
この可能性、結構、心にダメージだわ。この可能性、考えたくね~。
しかし、俺の左手の薬指には、確かに透明な宝石のついた指輪が……
「良かった~、夢だったらマジで泣く! マジでずっと引きこもりになる!」
俺は、異世界召喚がすべて、夢物語ではなかったことに安堵した。
しかし、そのことが本当なら、新たなる問題が発生する。
「何で俺が異世界召喚されたんだ?」
俺みたいな凡人以下の引きこもりという、穀潰しが異世界召喚されたところで、何が起きる!
いや、いろいろ起きたけど……。
それでも、俺みたいな奴がこの国に何人いると思っている!
俺だけ行けたら、その人達からの批判を受けるだろ!
俺は現実世界に帰ってきた悲しみを紛れさせようとしていた。
だが、俺の脳は、思考を停止させていなかった。
「あいつだ……親父の部屋に、絶対何かある!」
俺は、異世界で親父、田中光國の武勇伝を聞いていた。
武勇伝! 武勇伝! 武勇、伝、伝、ででん伝!
こんな感じだったけな、あのネタ。あの二人、最近これやんないかんな~。
そうそう、この二人って、今は、リズムネタでヒットしてるんですよね。
いや違う。その話じゃない。
俺の親父、田中光國は、あの世界で勇者だった。らしい?
ならば、簡単。
親父がこの件に関わっていることが確定する。俺が異世界に召喚された理由も知っているはずた。
しかし、親父、光國はもう、この世界にも、あの世界にもいない。いるとすれば、あの世だろう。
謎は、迷宮入りか、そう思っていたとき、あることを思い出す。
その記憶が俺を異世界に誘うことになる。
2
あれは、俺にまだ親父がいたころの話。
「憐斗、今のお前には、これの価値がわからんだろうがな、きっといつか、必ず必要になることがあるだろう。そのときは、遠慮なく使え」
そう言って、俺に見せてきたのは、大きめのアニメのポスターらしきもの。そのときは、原価的にも、親父の言う、必要になると言う意味も、わからなかった。
「こんなの必要になるわけないじゃん。こういうのって、オタクって奴らが持つんでしょ?」
そのときは、かなり舐めていた。すべてを。
しかし、親父は、慌てることもなく、
「まぁ、今はそうだろうな。でもいつか、必ず、必ずだ、必要になる」
俺にそう言った。
俺は、
「はいはい」
とだけ、返していた。
その時は、まだ知らなかった。
その必要性に気づく日が来るなんて……。
3
俺は、それを思い出した。
「それだ。それしかねぇ……!」
俺は、回答を出す。
「それが、俺の異世界に戻るためのキーだ……」
それ以外、考えられなかった。
俺は、久しぶりに自室の扉を開け、外(正確には家の廊下だが)に出る。そのまま、一番奥の部屋、親父の部屋へと、飛び込む。
親父の死後、誰も立ち入ってなかった部屋は、埃にまみれ、薄汚くなっていた。
俺は、そんなことを気に求めず、目当ての物を探す。
「あった……」
相変わらず、埃にまみれてはいたが、確かに俺に見せた物だ。
しかし、それを何度見ても、ただのポスターでしかなく、手紙も、仕掛けもない。
タネも仕掛けもない、というやつだろう。
俺は、某探偵マンガを見て培った、推理力で、真実を見つけ出す。
真実は、いつも一つ! なんて、言いませんよ?
俺のたどり着いた真実は、壁にあった。
「やっぱり、隠し扉か……」
それは、ミステリーの定番、隠し扉だった。
一般家庭にこんなものがあるとは、信じがたいが、ここは、一般家庭じゃない。
元・異世界勇者の住んでいた家なのだ。
だが、俺の母親は、このことを知っているのだろうか。
その疑問は、目の前の隠し扉に入った瞬間に消える。
その扉の奥は、滑り台になっていた。
「う、うわァァー!」
予測していなかった事態が、俺に混乱の波を作る。
その滑り台の最先端にたどり着いた俺は、小さな部屋にいるようだ。
俺は、顔を上げる。
そこで視たものは……。
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