俺の異世界初バトル!?
久しぶりの更新です。
魔王退治まで、あと2日
1
さて、やってきました、トウキョー。
まだ馬車の中だけどね。
ここは、大規模国家ジャパンの都市、トウキョー。
って、ふざけ過ぎだろ。トウキョーって、何だよ!
この国はアイツ、いや、あの男が創ったらしい。
あの男とは、タナカミツクニ、俺の親父だ。
もはや、英雄と言われる親父が調子に乗ってるようにしか思えないネーミングだ。
トウキョーとかジャパンとか、現実世界のパクりだよな。俺しかわかんねぇけど。
まぁ、今はどうでもいいな。
ここに来た目的は、ただ一つ。
魔王をぶったおして、俺がこの国の王になること。
平凡な俺に何でそんな大きな目的があるかって?
その理由は俺の隣にいる人物が大きく関係する。
そう、俺の最愛の人にして、俺の妻である、カリーナだ。
彼女は生まれつき瞳の色が紅く、その紅い瞳のせいで、差別を受けていた。
そんなこの世界を俺は変えたい、そう思った。
それが魔王退治にどうやって繋がるか?
魔王を倒した奴が、次期王の座を手に入れられるそうだ。
その王の座で俺は、差別を無くす。それだけだ。
「もうすぐ、城に到着です」
馬みたいな(名称知らん)動物を操っている、カリーナの付き人は、シュバルテだ。
彼も、差別を無くそうとしている人物だ。
理由、聞いてへんけど……。
2
城に着いてから、なんか知らんが、注目されている。
いや、知ってるだろうが。
俺の腰に帯刀している剣のせいだよ。
そう、これのせい。
これ、あの男、タナカミツクニが使っていた、『真・覇王剣 リザリアーク』だ。
まだ使ったことないけど……なんか凄いだろうな。
あ~ヤダヤダ。
久しぶりに受ける、多数の視線。
引きこもりだった俺には、リハビリかな。
その視線には、嫉妬、疑念が込められている。
そんなダルい雰囲気の中、とぼとぼ歩いていく。
カリーナとシュバルテ、どっか行っちた=迷子
そこでいきなり、大きな声で呼ばれる。
「おい、そこのお前」
はて、お前とは誰でしょう?
一瞬振り返り、また視線を進行方向に戻す。
「おい、無視するな! お前だ、リザリアークを持っている、お前だ」
そこまで言われると、回避できない。
仕方なく振り返り、気だるげに、と言うか、本当にダルいが、返答する。
「はい、なんでしょうか? この広い城で迷子になっているので、道を教えてください。中央庭園って、どこすか?」
マジで迷ってます。
昔から方向音痴なもんで。
「それなら、少ししたところを右に……って、ちがぁーう! 先に話し掛けたのは私だ! あからさまに面倒な奴に絡まれたみたいな顔して、会話の主導権握ろうとするな!」
そういえば、この人、女騎士みたいです。
この流れからして……決闘とかだろうな……めんどくさっ!
「私は、この国の騎士団の副隊長しているものだ。リザリアークに選ばれたお前の実力、試させてもらいたい!」
やっぱり……。
ここは……
「いえ、遠慮しときま~す」
断る。
そして、そそくさ退陣。
「待て待て、断るな」
「え~だってダルいしぃ~」
こいつ、突っかかりやがって。
「逃げるのか? これだから、紅目の貴族の夫なんだろうな……魔王の手先が」
「あ?」
俺は、その言葉に過敏に反応し、キレる。
「その言葉、わざとだろうが、わざとじゃなかろうが、撤回してもらうぜ」
俺は、決闘をすることになった。
3
仕方ねぇから受けてやった決闘だ。
今いるのは、訓練場みたいなとこ。
なんで、そんなに余裕そうかって?
そんなの決まってる……
「私は、騎士団の中でも、五本指に入る実力がある。負けを認めるなら、今のうちだ」
自分の実力に溺れてやがる……。
こういう奴には、痛い目に遭わせるのが基本だな。
「早く済ませたいから、さっさと始めようぜ~」
「剣も抜かずに……余裕なのだな。その余裕、ぶち壊してやろう!」
バ~カ、それは俺のセリフだよ。
考えなしに突進か。
愚策だぜ。
さて、俺の余裕の理由、見せてやる。
今の、リズム良く言えば、ラップになったんじゃね?
なりませんね……すいません。
俺は、ポケットからあるものを取り出す。
まぁ、言っちゃえば、煙玉。
すぐさま、地面に投げる。
煙玉は爆発し、煙幕が広がる。
そして、俺の十八番、«ぼっちは歩くのが速い»を使う。
このスキル、人が俺を見ているときは、使えない。
なら、見えなくすればいい。それだけの話だ。
奴、あの女騎士は、なにやってるかなんてわからない。俺の奇襲に備えてるのかもしれない。
しかし、俺は奴の警戒網に引っ掛かることなく、背後から近付き、首筋にナイフを当てながら、言った。
「勝負あり、だ」
かっこいい~。くぅ~。我ながらかっこ良すぎる。
俺のことはどうでもいい。自分で言うのもなんだが、キモいし。
奴、名前聞いてないんだよな~。
まぁいい。
首筋にナイフを当てられたまま、立ち尽くしていた。
ザマァwww。今の自分の状態見ても、さっきのセリフ言えるか? あぁ?
「道具の使用など……許可してないぞ」
「禁止、とも言ってねぇよな?」
フハハ! 俺のスキルを最大限活かすにはなぁ! 小道具が必要なんだよ!
俺はなぁ、対象は違うが、こんなときのためにいろいろ買い込んだんよ!
もちろん、カリーナの金で。
え? ゴミ野郎だって?
いいんだよ! 家族だし。
「き、貴様……」
「まぁ、俺の勝ちだ。約束は守ってもらうぜ?」
「くっ……」
俺、王国騎士団の副隊長に謝らせた。
デビュー戦、白星だ。
さて、カリーナと合流するか……。
コイツら、案内してくれっかな?
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
評価等々、よろしくお願いします。




