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凡人以下の俺に異世界でチートスキルがあったら奇跡だと思います。  作者: 羽矢隼
第3章 俺は異世界で役目を果たす。
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11/20

 俺の異世界生活、これから始まる。

 第3章です。

 第3章は、かなり長くなります。

  1

 朝。

 俺は、目を覚ました。

 そして、ここがあの、自分の引きこもってた、あの部屋でないことに安堵し、体を起こす。


 かなり昔のことのように思えるが、これは、昨日の話だ。

 俺は昨日、この世界に帰ってきた。俺は、異世界召喚されている。

 この世界で、俺が出会った異世界美少女ヒロイン、カリーナ・トゥエルブと俺は……

 『結婚している』

 いや、わかってるよ!?

 話がいきなり過ぎるだろうって、言いたいんだろ?

 実際、俺も、超ド級の急展開にかなりビビった。

 ヤバすぎだろ?

 引きこもりの男子高校生が、異世界召喚されて、その上、そこで出会った美少女ヒロインと結婚、とか。

 どんな履歴だよ……。


 そして、現実世界に戻って、この世界に再会して、今に至る。

 俺は、現実世界に戻ったときに、遂に、チートスキルを手に入れた!

 はい、嘘です。ただの駄スキルです……。

 性能をいいんだよ? いや、弱点(デメリット)があるからどうとも言えない。

 基本効果は、かなり強い。しかし、弱点とスキル名が±0、いや、-1ぐらいにしている。

 俺は、自分のスキルに頭を悩ませていたとき、シュバルテが俺を呼んでいた。


「レント殿、朝食の準備が整いました。カリーナ様も着席されていますので、お早めに」


 朝食の時間のようだ。

 俺は、急いで部屋を出ようとしたが、数歩歩いたところで立ち止まった。

 このとき、俺には、一つの名案(?)が浮かんでいた。


「……スキルの効果でも試してみるか」


 俺は、自分の駄スキルを少し試してみたかった。

 そこで俺は、一番スキルの効果がわかりやすい、«ぼっちは歩くのが速い(スピニング・オンリー)»を使う。

 このスキルは、発動中、歩いている限り、誰も認識できない、と言ったスキルだったはずだ。


「スキルって、どうやって発動すんだ?」


 今気づいた。

 俺、スキルの発動法知らねぇや。


「とりあえず、ありがちなスキル名を言ってみるか」


 バトル系マンガとかで、中二病的な必殺技を大声で言ってるから、それに(なら)ってみることにした。


「スピニング・オンリー!」


「……」


 あれ? 何にも起こらねぇ。これじゃ、ダメだった?

 俺の夢であった、異世界でのスキルの使用は、まだまだ先らしい。


「……諦めるか」


 とりあえず、朝食にしよう、そう決めた俺は、カリーナやシュバルテの待つダイニングへ向かう。

 そういえば、『とりあえず』って、最近だと、『まぁ』と合わさって、『とりま』って言うだよね。

 はい、どうでもいいですね。

 俺は、まだ惰眠を(むさぼ)りたいという欲を抑えきれず、だらだら歩いていた。

 これでも勇者かよ!

 いや、自分に言ってどうする……。

 それは俺の姿をみた誰かさんのセリフでしょ。


  2

 俺がダイニングに来たときには、もう朝食の準備は整っていた。

 俺は、無言で椅子に座っても、誰も声を掛けてこない。

 俺も、おはよう、と言っていなかったため、俺から言うことにした。


「おはよう」


 俺が声を出した瞬間、カリーナとシュバルテの瞳に驚愕の色が浮かぶ。

 はて? 俺が何かしたかな? なんて思っていると、シュバルテは、俺に向かって、俺すらもわからない質問をしてきた。


「レント殿、いつから……?」


 どうやら俺が来たことに気づいてなかったらしい。

 俺、いきなり影薄くなったのかな。

 な訳あるか!

 でも、何で気づいてなかったんだ?

 とりあえず、俺は事実を言って質問の意図を探す。


「まぁ、ちょっと前から座ってるぜ」


 またまた驚愕。

 俺じゃなくて二人がね。

 そんなとき、遂にカリーナが、俺以外の皆が思っているであろう、驚愕の意味がわかった。


「レントって、透明人間にでもなれるの?」


 はぁ? 俺、透明人間になれんの? いや、なれねぇよ。

 更に、カリーナは続ける。


「ここにレントが来たの、誰も気づいてないんだよ!?」


 ここにて真相理解。

 なるほど。あのスキル、発動してたのかよ!

 発動の合図がねぇからわかんなかった。

 ぼっちスキルは、発動さえも気づいかれないのか。

 俺は、それをカリーナやシュバルテに伝える。


「あ~、それ、俺のスキルっていうか、魔法というか……」


 伝わったかな? 

 そうしたら、カリーナは興奮した様子で俺にスキルのことを聞き始めた。


「なになに? どんなスキルなの!?」


 興味津々だな、おい。

 あんまり話したくねぇ。

 でも、自慢してぇ~。

 さて、話してやるか。


「簡単に言うと、俺が歩いている間、誰も俺の存在を認識できない、っていうスキルだ」


 弱点(デメリット)のほうは……いいや、言わなくて。

 俺の説明にカリーナは、その紅い瞳を輝かせている。


「それって、かなり強いよね?」


 カリーナに続き、シュバルテも、口を揃えて言った。


「いつの間に……そんなものを。……まったく、レント殿には驚かされます」


 おいおい、照れるだろ~。

 うわっ、嫌だ。

 俺、今頃どや顔してるんだろうな……。

 想像すると我ながらキモいな。

 そろそろ腹減ったな……。

 締めの一言、言いますか!


「よしっ! このスキルで魔王だが何だかをボコしてやるかっ!」


 俺の異世界生活、やっと始まった。

 そう心の中で俺は、感じていた。

 

  3

 その頃、魔王に脅かされている王都、トウキョー。

 トウキョーは、タナカミツクニによって創られた、大規模国家の都市である。

 そのトウキョーのど真ん中にある大きな城。

 そこでは、騎士団らしき集団が話し込んでいた。


「あの英雄の剣、『真・覇王剣リザリアーク』を鞘から抜けた奴がいるらしい」

「まさか。そんな奴がいるわけなかろう」

「いや、実際にいるらしい。身元も割れています」

「信じてはいない……が、どこのどいつかだけは聞いておこう」


 何やら、偉そうな老人と、騎士団の会話らしい。


「どうやら、トゥエルブ家の一人娘のカリーナ様の婿養子らしく、魔王退治に参加するとのことです」


 一通り話を終えたところで、老人は、大きな声で笑い始めた。

 

「笑わせるな。そんなどこの馬の骨かもわからん奴に、抜けるわけがなかろう」


 その老人は続ける。


「そんな奴がいるなら是非とも会いたいがね。いるわけないだろうがな……」


 魔王退治の当日まで後3日。

 感想等々、お待ちしています。

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