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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
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93 装備の拡充1

「えらく久しぶりだな。特に依頼を受けていたみたいじゃないし、長期休暇か?」

ネールが暁のカルテットが久々にギルドに顔を出したのを見て声をかける。

「ちょっと、里帰りにね。

あ、サボってたわけじゃないですよ。あとで裏でちゃんと渡します。」

ウェンツがネールの言いたげなことを察してか、先手を打った。

ちょっと金が入りそうだからといって、うかれて訓練を怠るなというようなところだろう。

「里というと、ガティコか。フェル達も連れてか?」

「もちろんですよ。野営のいい訓練になりました。」

フェルがそう答えると、ネールは満足げに頷いた。


「跳龍の素材な。いい値段で売れたぞ。配分はどうする?」

「いくらぐらいですか?」

ネールがウェンツに耳打ちをする。ウェンツが口笛を吹き、メンバーの元に行く。


「結構いい値段で売れた。」

そういうと、ウェンツは指を4本出す。

「一応、これはパーティー結成前の仕事だから、フェルとクリスが1/4づつ、俺達が1/8づつという約束だ。銀貨以下の端数は、運営費ということでニースが預かるがこれは勘弁してくれ。」

おそらく、4というからには金貨40枚ではないだろう。おそらく400枚だ。


「え、それはいくらなんでももらいすぎのような・・・。」

「そうね。今はもうパーティーメンバーだし、なにより皆は装備を買い替えてもらう必要があるし。」

あの戦いで、ウェンツ・ギル・ニースは、装備にかなりの損傷を受けた。

装備は命を守るものなので、決して安くはない。

そして、パーティーを組んだ以上は、仲間が危険になることは、自分の危険に直結する。

仲間の生存率をあげること=自分の生存率をあげることにつながるからだ。


「しかし、本来であれば、ガティコの礼もしなければいけないからな。」

「うーん。クリスちょっと。」

フェルは、クリスと少し話をした。クリスもうなずいている。


「えっと、ウェンツさん。装備の買換え後に今の比率で配分でどうでしょう?

それでだめなら、均等配分かです。

皆さんには、お金があるときにいい装備に買い替えてもらった方が、僕たちの危険率も下がるし、何よりも最終的な稼ぎがふえます。できれば、僕が持ちますから予備の武器も買ってほしいぐらいなんです。」

「それに、私は、本来ならカティアさんに授業料払ってもいいぐらいだし、フェルだって皆さんとこにお世話になってるんでしょう?ガティコの件は、私達にとってもいい経験になったし、なにより楽しかったから。」


ウェンツが、唸る。

ありがたい申し出だし、自分達の装備が整うのは確かに全体の利益になる。

だが、自分たちの方が先輩だしガティコの件ではフェル達にかなり甘えた形になっている。

その様子を見て、声を出したのはニースだ。


「ほら、この子たちにそこまで言わせて。変なプライドは捨てましょう。

赤毛熊の時だって、もっと装備がそろっていれば、もっと危険は少なかったはずよ。」

確かに、二人が盾をもっていただけで、かなり戦い方も違ったろうし、ニースももっと良い槍があれば戦い方に幅が出る。

この暁のカルテットのリーダーはウェンツだし、ニースは普段は口出ししないのだがここはまとまらないと思ったのか、ウェンツを諭し始めた。


「本当にいいのか?」

ギルもかなり気を使っているが、あの戦いで文字通り盾となってくれたのはギルだ。

「ええ。できれば、もうちょっとしっかりした盾とかもっていただけると僕らも安心です。

移動時は、僕が持つこともできますし。」

今までと違い、軽さよりも頑丈さにウェイトをおいた選択ができるようになる。

そういう意味でも、装備のレベルアップは必要だし、あまり個人資産に頼るべきではないのだろう。


「わかった。では、ありがたくその申し出は受けよう。

ただ、フェルとクリスも必要な装備の修理があれば言ってくれよ。」

「はい。ただ、僕は結構まだ装備そのものが新しいので、最低限のメンテナンスで良いんで。」

「わたしもそうね。そのうちクロスボウは買い替えるかオーバーホールしたいけれど、今はまだいいわ。

その時になったら、相談するし、魔法が使えるようになったら必要な装備も変わるかもしれないから。」


結局、その後も話し合った結果金貨200枚分を装備更新費に当てることにして残りを配分することになった。それでもフェル達の配分はおおよそ金貨50枚。十分な収入である。


「そういえば、オークと赤毛熊も換金したほうがいいよね」

「これは、等分で。」

全員が頷く。

フェルとウェンツが裏の倉庫の前でオークと赤毛熊をネールに引き渡す。


「赤毛熊か・・・。

まぁ、パーティーでだし、跳龍も倒しているからな・・・。

いまさらといえばいまさらだが、こないだ試験で遭遇したやつより一回りでかいな。」

ネールは、驚いてはいないが、少し興奮しているようだった。

「魔石も、そこそこのサイズだし、いい値段で買い取れるな。

まぁ、さすがに解体手間賃はもらうが。」


「そういえば、ネールさん。

新しく盾が欲しいのですが、おすすめはありますか?

今回は、値段もそれなりに出せます。」

ネールは、様々な買取をしているし、冒険者としても一流だった。

仕事柄、買い取った品を商店に卸すこともあるので、信頼のおける盾を扱う店なども知っているかもしれない。


「盾か。初心者などは亀甲の盾をお勧めするが、お前らならちょっと防御力不足だろうな。

できれば魔力付与されているやつがいいだろう。

軽い素材に”巖鉄”などが付与されているか、堅い素材に”軽量化”が付与されているか。

出来はかなりムラがあるだろうが、カティアなら、ある程度良しあしはわかるだろうから確認してもらえばいいだろう。

あと知りたいのは店か。数はないかもしれないが値段が許すならグラスコ武具店がおすすめだな。

あそこは、目利きも確かだしおかしなものは絶対に売らない。」

グラスコ武具店は、大型店ではないし、初心者お断りの店だ。

ディスプレイされている武具の値段も安くはない。

「ネールの紹介といってもらえれば、相談にはのってもらえるはずだ。ただ、冷やかしや値切りは厳禁だぞ。ちゃんと最初に予算を提示して、下手な駆け引きはしないことだ。価値のわからんやつには厳しいからな。」








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