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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
49/106

49 ゴブリン退治だって、新人には大変なんです2

廃坑の中は、ところどころ光苔が生えており、うっすら明るい場所もあったが、かなり薄暗かった。

ゴブリンは、夜行性ではないが、人間よりも夜目が効くらしい。

エドガーとバーンがカンテラを持ち、通路を照らしながら進む。

灯りを2つ用意し、前衛と後衛で持つのは、ハンターにとって基本らしかった。


しばらく歩くとすぐに、ドアが開けっぱなしの部屋があった。

「さっきの奴らがいたところだろうが、一応、警戒しろよ。」

そういって、エドガーは注意をしながら部屋の中をのぞき、部屋に入る。


ここは、元は炭鉱夫の休憩場所だったところであろう。荒れたベッドに樽などがおかれており、机の上にはなにやら動物の骨が散乱していた。

部屋の隅には錆びた銅剣が数本置かれている。おそらくはゴブリンたちの獲物に違いない。

部屋の中に、ゴブリンがいないことを確認し、エドガーは扉を閉めた。


「そのまま奥へ行くぞ」

そういうと、奥へ進んでいく。

途中で、何度か分かれ道にあうが、ほとんどが途中で途切れたり細くなっている。


「こういう廃坑の場合、一番気をつけなきゃいかんのは、魔物じゃなくて落盤だな。絶対に地面にやたら岩が多いところや道が細くなっている方がいくな。魔物の奇襲はまだ対応できるが、落盤はほとんど回避できん。」

エドガーの指導がはいる。そう、これは実地訓練の延長でもあるのだ。


しばらくすると、また奥の方に扉があった。説明によれば、ここも休憩室らしい。

「いるとすれば、ここだ。」

小声でそういうと、片手の指を1本立ててを口の前にあてながら、ドアに片耳をあてる。


ギャ・・ギャギャギャ

いくつかの声が聞こえる。

「いるな・・・。数は5〜6か。坑道では狭いから、一気に行く。俺とエドガーが先制するから後に続いてくれ」

そういうと、二人はそれぞれ魔法の詠唱を始める。


「出でし氷の矢よ、敵を貫け 氷の矢<アイシクル・アロー>」

ドアをけ破ると同時に、二人の魔法が飛び出す。

そして、2匹のゴブリンの胸を突き破った。

部屋の広さは、40㎡ぐらいであろうか・・粗末なベッドが数個と壊れたテーブルが眼に入った。

素早くエドガーとリュークそしてフェルが部屋の中に入る。

中にはまだ4匹のゴブリンがいる。さすがに驚いてはいるが、手にはすでに剣や槍を持っている。

さらに、4匹のうち2匹は明らかに今までのゴブリンと異なり、体格がでかい。


「ホブゴブリンか・・・。ちぃとばかし、力が強いからな・・・気をつけろよ。」

リュークが視線をそらさずに、後ろの二人にも聞こえるように言う。

厳密にはわかっていないのだが、ホブゴブリンというのはゴブリンの亜種である。

ゴブリンよりも二回りほど大きく、人間の屈強な戦士を彷彿させる体格をしている。

どういう経緯で生まれるのかは、いまだ解明されておらず、ゴブリンの群れの中でも、よく見かけられることから、なんらかの突然変異という説が有力だが検証はされていない。

ただ、唯一わかっていることは、ゴブリンよりもはるかに強敵であることだ。


「それ!」

エドガーとリュークは、それぞれがホブゴブリンを牽制しながら壁の奥へと追いやる。

その隙に、フェル達は残りの2匹のゴブリンに襲いかかった。


フェルは、2匹を相手に何度か剣を打ち合わせる。

その間に、クリスが部屋にはいり、フェルの相手をしている一匹に横からククリナイフで切りつけると、ゴブリンの右手が剣を持ったまま折れた。


ギギッギー

ゴブリンの叫び声が聞こえた瞬間、隣でも激しい叫び声が聞こえる。

フェルの剣が、もう一方のゴブリンの胸を貫いていた。

右手の折れたゴブリンは、その折れた腕に痛みがないかのようにその腕を再度振るうが、剣がついてこない。クリスが首を一突きすると大量の血を拭きあげながら倒れた。


残るは2匹のホブゴブリンだが、流石にエドガーとリュークは危なげなく対応している。


「ふん。この間合いで槍なんざ使わせんさ」

そういうと、一気に間合いを詰めた。

槍は、強力だが近づきすぎると突くことも払うこともできなくなる。

一撃というわけにはいかないが、確実にダメージを与えていき、最後は心臓に剣を突き立てた。


一方でリュークの方は、適度に間合いをキープして立ち回る。

相手のホブゴブリンは大型の錆びた剣を振り回すが、うまくかわしたり受け切っていた。

「隙だらけだな。」

そういうと、剣を振り上げた瞬間に、顔面に槍を突き刺した。


「フェル!避けろ」

ホブゴブリンを倒して振り返ったリュークが叫ぶ。

「えっ。」

とっさに身体が動くが、フェルの左腕から血が飛び散る。

最初に魔法を食らって絶命したかと思っていたゴブリンが最後のあがきとばかりに、落ちていた短剣を突き出したのだ。


「つっ」

すぐにフェルは、剣をゴブリンに突き立てる。

隣では、念のためにバーンがもう一匹のゴブリンに剣を突き立てた。


幸い傷は大したことはない。

短剣も、さほど切れ味のあるものでもないし、しょせん力のないゴブリンが死に際に放った力のない一撃である。

しかし、それでも順調に進んでいた討伐依頼でケガ人がでたことはフェル達3人にはショックな出来事であった。







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