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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
37/106

37 やっぱり、驚きますよね。

「収納魔法<ストッカー>だって?!」

二人とも口をぽかーんとして驚く。


「え、え、フェルって魔法使えんの??しかも収納魔法<ストッカー>って・・・・」

「これがあれば、これがあれば回収依頼に輸送依頼で大もうけできるんじゃぁ・・・」

純粋に驚くバーンに対して、クリスの顔は何か妄想しているかのように不自然なほど笑っている。


後でわかったことだが、収納魔法<ストッカー>を使える魔術師は、稀少というほどではないが、貴重な存在のようだ。

この魔法を持っているだけで、中高ランクのパーティーにかなり高待遇で入ることが出来たり、軍籍に入ればいきなり士官候補生扱待遇となるし、商家であればかなりの賃金を得られるらしい。

補給に必要な武器・食料・水などの持ち物を"体積0““重さ0“で持ち運べるのだから、その効果は絶大なのだ。”単なる荷物持ち”と馬鹿にするのは、その大切さをしらない愚か者だけである。


ただし、この収納魔法<ストッカー>も万能ではないらしい。

収納の大きさは魔力量に比例するので、上位者であれば部屋1個に相当する量がしまえるらしいが、人によっては、猪1頭が精一杯らしい。それでも、担ぐのとは雲泥の労力差はある。

そして、もう一つはこの魔法を使っていると、ほとんど他の魔法が使えなくなるということだ。

全く無理というわけではないのだが、かなりのレベルの者でないと複数の魔法を行使することができないし、ストッカーに魔力を常時使っているのでその分使える魔力が減るのだ。

そのため、戦闘においては魔法をほとんど使えず、近接戦を行なうか足手まといになるかしかないらしい。


“転送”は、そもそもフェルの力ではないし、魔力は必要ないのだが、フェルは元々魔法が使えないので、将来的には、魔法の使えないちょうどいい“いいわけ”になるかもしれない。


「どうして黙ってたのよ。もっと早く知っていたらもっと沢山採取したり、お金の稼げる依頼を受けれたかもしれないのに」

「いや・・・。なんか言い出せなかったのもあるし、あんまり背伸びしすぎてもいけないと思って」


フェルはそう答えるが、半分は本当だが、半分は嘘である。

エドガーがフェルの無紋を知っていたので使えなかったのと、新人訓練中に買い取り窓口で他のハンターが使うのを見るまで、収納魔法<ストッカー>を見たことがなかったので“転送”を使っていいかどうかがわからなかったのである。


「いやぁ、バーンの薬にフェルの収納魔法<ストッカー>かぁ。

これなら、お金の心配しなくて済むかも!! このパーティーに入れてよかったぁ。」

クリスは、また少し妄想しているかのように不自然な笑いを見せた。


・・・・


フェルの収納魔法<ストッカー>で興奮していたが、その興奮がすぎるとドッと疲れが出た。

ベテランハンターにとってもケガをする可能性のある魔猪を必死で討伐したばかりなのだ。

戦いの緊張の糸が途切れたのもあって疲労感がすごい。

「ちょっと、疲れたよ。十分な獲物もあるし、今日は帰ろう」

途中、仕掛けてあった罠にかかった角うさぎを捕獲して“転送”すると3人はエルアの街に戻っていった。

疲れた足取りの男性二人に対して、満面の笑みでスッキップをするように歩くクリスが対照的だった。


・・・

「なんだ。今日は採取に行かなかったのか?」


ギルドに戻ると、ネールが、声をかけてきた。

朝と夕方は忙しいギルドだが、昼過ぎになると比較的空いてくる。買取も今は空いている

席にいるハンターも、見たことのある者が数名程度だ。


「まぁ、休むのもたまには悪くないがな。」

ネールは、3人がいつもの採取袋をもっていないので、そう思ったようだ。

実際、四六時中働いているハンターというのは少ない。

そういう勤勉なものは商会に雇われたり、そもそもハンターになろうとしないのかもしれない。

それに身体が資本なので、休むことが重要なのも間違いではない。


「いや、今日もメリアに行きましたよ。」

バーンはそういって、皆のハンターカードを集めると受付へ行って真実の口に手を入れる。

今日の受付は、ハンター登録の時のおばさんだ。

討伐報告をするためだ。

「今日、メリアの森で、大型の猪を1頭、討伐しました。」

そう深刻をすると、皆のハンターカードに評価ポイントが加算される。それぞれ100Pづつ加算される。

ちなみに、獲物の名前を言う必要はない。真実の口が魔物の特性などを自動で感知して種類を特定するらしい。多少誤差が発生することはあるが、そもそも魔物の名前を全て知っているハンターなどいないし、地方によって呼び名が違ったりすることもあるため、そのあたりは寛容されるようだ。


「お、やるじゃないか。新米3人だけでよくやった。」

そうすると・・・回収依頼だな。依頼の出し方はわかるか?」

ネールが、親切に指導しようとすると、クリスが人差し指を口の前にあて、チッチッチと得意がる。

(なんでクリスが得意がってるんだ・・・)フェルとバーンが不思議に思っていると


「フェル!見せてあげて。」

と、ネールさんにアピールする。

「いや・・・・出すけど、そんな自慢げに言わないでよ。」

ちょっとフェルは躊躇しながら、魔猪を受付台の上に“転送”して出す。


『収納魔法<ストッカー>??』

驚きの声を上げたのは、ネールだけではなく、遠巻きに見ていた一部のハンター。

そして、“受付のおばさん”でした。


いつも応援ありがとうございます!


面白いと思って頂けましたら、下のブクマ、評価など、よろしくお願いします!


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