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僕は、魔法が使えない。  作者: アーシェス
35/106

35 目標は・・・金貨2000枚?!

翌朝、パーティを組んだバーン、クリス、フェルの3人は、早速ギルドの掲示板を見ていた。

もっとも、最下級ランクであるGランクで受けれる依頼なんてたかが知れている。

需要が少なかったり希少でギルドの在庫が少ない採取依頼などがあればいいが、それ以外では受けれるのは、”どぶさらい”など、とてもすすんで受けたいと思うものではなかった。


「今日も、メリダの森で採取かな・・・。」

「そうねぇ・・・。今日からは3人だから、危険が少ないところにしたいわね」

「うん。あそこなら、そう危ないやつは出ないはずだから・・・。」

3人は掲示板を一通り見終わると、空いたテーブルで話をし出す。


新人研修を終えて、今日が実質このパーティでの初稼働である。

一応、このパーティのリーダーはバーンが務めることになった。

腕っぷしは、一番頼りないが、年長者であり自分で店を構えることを目指しているだけあって、薬だけではなく様々な常識を知っているであろうという理由からであった。


パーティでの貢献ポイントの配分も決めた。バーン4、クリス3、フェル3である。

綺麗に三等分しなかったのには訳がある。

当面のパーティの目標を2つ決めたのだ。


一つは、『半年月内にFランクになる』である。

これは、かなりのハイペースなのであるが、たった1週間で評価ポイントは320Pが稼げてしまっているので、単純に計算すれば6ヵ月で5,000Pは十分可能な目標である。

まぁ、休みもいるしそこまでトントン拍子でいくかどうかは微妙なのだが。

そして、もうひとつの目標が『バーンの薬剤店の開店資金 金貨200枚を貯める』である。

これは、流石に期限はつけていない。

そのために、バーンの比率を10%多くした。

そして、この10%分を開店資金の貯蓄にあてることにしたのである。


金貨200枚を稼ぐのではなく、貯めなければならない。

つまり、稼ぐ必要のある金額は金貨2,000枚ということだ。


「お、まだいたな。ちょうどよかった」

そう言ってギルドに入ってきたのは3人の男だった。

エドガー、リューク・・・そして街まで一緒にやってきた商人のミンツであった。


「いやぁ、フェルさんハンター登録おめでとうございます。」

「実は、ミンツさんから護衛依頼を貰ってな。またフェルの生まれた町の方へ行くことになったんだ。それで、しばらく戻れないから挨拶と思ってな。あとは・・・・」

「フェルさん。実はお願いがあるんです。実は、今回の目的はフェルさんの持ってた剣なんですよ。」

フェルの持っていた剣・・・そう赤毛熊との戦いで折ってしまった水樽の剣である。


「そこで、実はフェルさんにお兄さんを紹介してほしいんです。」

「いや・・・でも、僕はあの家を出た身ですし、今日から新しいパーティで仕事をしますので・・・」

「あ、はい。それはうかがっています。本当はついて来てほしかったんですが、こちらの都合であまり無理をいうわけにはいかなこともわかってます。そこで、ちょっと紹介状を書いてもらえないかと・・・。あ、もちろんお礼はしますので。」


正直、あの家でのフェルの存在はあってないようなものである。

「あの・・・僕は、あの家ではあまり大事にされていないというか・・・。なので、自分の紹介状があってもあまり意味はないような気もするんですが・・・。」

「いや、いやいや。いいんです。いろいろとあるかもしれませんが、とりあえず訪問の口実さえあれば。

失礼ながらフェルさんとこは、あまり大きくはないとはいえ、貴族のお家です。

いきなり何もなしでは訪問は流石にできないのですよ。」


貴族といってもフェルの実家は片田舎の貧乏準男爵家である。

流石に執事やメイドなどはいるが、門番も雇っていないような最下級の貴族家なのだ。

しかも、用事があるのは爵位のある父ではなく、次期領主でもない次男のレオンだ。

しかも、ウィッド準男爵は無紋であるフェルのこと一族の恥と思い、愛情を注ぐことはなかったが、虐待などをするわけでもなく、領地の運営についてもいたって”まとも”な人間であった。

だが、やはりいきなり商人が訪問するには、ハードルが高すぎるということだろう。


「わかりました。一応、近況ぐらいは知らせておいた方がいいですしね。

あとレオン兄さんには、剣をダメにしてしまったことと、ちょっと気づいたことを書いておきます。」

そういうと、フェルは紙に手紙をしたためていく


主な内容は、「エルアの街に来ていること」「ハンターになったこと」「門出でもらった剣を見て取引をしたいという商人=ミンツさんの紹介」「そして剣を折ってしまったことのお詫び」最後に「この付与は素晴らしいけれど、剣などより水筒やポット型の方が高く売そうだ」ということを書き留めた。

その内容をみたミンツはものすごい喜びようだ。

ミンツは、水樽の剣を交渉するつもりであったが、フェルの提案の「水筒」型の方が格段に需要がある。


「おそらく、レオン兄さんは剣の方がカッコいいし常に持っておけると思って付与したんだと思うんですが、実際に使ってみると、使った後に血まみれになるし、手入れに油を使うので折角の付与が台無しなんです。ましてや壊れやすい。うちは正直あまり裕福ではないので、お金になることが分かれば十分商談は成立すると思うんです。あの町内では需要が少ないですし。ただ、結構プライドが高いんで、その辺は注意してください。」

交渉は、商人であるミンツの方が、得意分野である。いわれるまでもない。


「フェルさんは、商人でもやっていけるかもしれませんね。いや、助かりました。

とりあえず、これは手紙のお礼です。あとは、商売が成功してからお支払いします。」

そういうと、金貨5枚をフェルわたした。

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