106 エリー湖の女神3
「あんたたちは、右側に一列に並んで、私達を守りなさい。」
ジルバが龍の顎のメンバーに指示をする。
フェル達をかろうじて視認することができる絶妙の距離の位置で、涼風のメンバーと龍の顎のメンバーは陣形をとる。
陣といっても、ジルバとミリナとヴァネラの3人を守るように、龍の顎のメンバーを一列に並べるだけだ。
「弓が使えるのはいる?」
龍の顎の2名が名乗りをあげる。
「そしたら、後ろに回って。ヴァネラと一緒に遠距離から少しでも減らして。あとは、接近戦に備えてちょうだい。」
ジルバが指示を出す。
「来るわよ」
木々の隙間からリザードマンらしき影が駆けてくるのが見える。
2足で駆けているはずだが、4足歩行のような前屈姿勢のままでかなりの速さで動くことができるようだ。
殆どの者が木製の槍と盾を持っている。
ヴァネラが複数の真空の刃の魔法を放ち、弓使いの2名が次々に矢を放つ。
数本の矢がリザードマンに刺さるが、ほとんどが木などの障害物や盾によってはじかれてしまっている。
ミリナが前衛とジルベルトに物理結界を貼り防御を固め、ジルバは鋭化の魔法をそれぞれの武器に付与をする。
「数は18。強めの反応が・・・3つ」
遠目にも明らかに普通よりも大型の個体が3体ほど見える。
「多分、あれが変異種ね。こっちが主力か・・・。」
「ジル。後方に3体厄介なのがいるから対応お願い。顎のメンバーは、雑魚を早く始末しちまって。」
指示を受けた龍の顎のメンバーは、なんとか波状に襲い掛かるリザードマンを受けきり、なんとか3体のとどめを刺すことに成功しているが、ヒット&ウェイを繰り返し、数で勝るリザードマンに押され気味である。
「そこぉ!!」
ヴァネラ叫びながら、龍の顎の肩越しに、杖を森に向ける。
小さな竜巻が道端の小石を巻き込みながら起こり、数匹のリザードマンを巻き込み木々を避けるように森の奥に向かう。
竜巻は数秒で消えるが、後には、巻き込まれたリザードマンが血まみれで倒れている。
「まったく、手がかかるわね。」
そういうと、ジルバは小さな弓を袋から取り出す。
しかし、弓には弦もついておらず、矢も持っていない。
ジルバは、何事もなかったかのように弓を引いたポーズで弓を構えると、リザードマンに照準を合わせて指を弾いた。
そのとたん、光り輝く矢が一直線にリザードマンを貫いた。
貫かれた側は、何が起こったのかわからないのか、そのまましばらく動いていたが、2射目が頭を貫くとそのまま倒れて動かなくなった。
魔力の矢<マジカルアロー>といわれる魔法なのだが、弓を用いることで魔力イメージしやすくなるため少ない魔力で火力を出すことが出来る。収納魔法を同時に使うことの多いジルバには相性の良い魔法である。しかも、この弓自体がジルバの作品であり、魔法を一点に集中させて威力をあげる効果があるのだ。
龍の顎のメンバーがほとんど盾と牽制をしている間に、ジルバとヴァネラの二人が次々にとどめを刺す。
ジルベルトは、明らかに劣勢なのだが、ミリナの防御と回復があるため持ちこたえているという感じだ。
「残り9!ジルもちょっときつくなってきてるから、急ぐよ。」
そういいながら、ジルバの弓がリザードマンを射抜きまた一体を倒す。
ジルバとヴァネラはまだ余裕があるが、龍の顎のメンバーは明らかに疲れている。
「気合い入れろ!」
龍の顎のリーダーが叱咤激励しながら、一体のリザードマンをやっとのことで倒しきる。
特に彼らが弱いのではない。
涼風の補助がありながらも、これだけの数の差があってほぼ無傷なのだから善戦しているといっても良い。
しかしながら、倒している数は涼風の2人の方が既に多い。
しかも、厄介な変異種は、ジルベルトがなんだかんだで抑えていてくれている。
「流石にジル君もそろそろ厳しいわね。」
そういいながら、ジルバの視線の先では、銀の拍車達も乱戦になっている。
「ヴェネラ、ここはお願い。ジル君のサポートのほうに回るわ」
そういうと、ジルバは弓を変異種の方へ向けた。
なかなか更新できずすみません。
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