第10話 皇太子の憂鬱
「つまんないですね・・・」
彼女はそう呟き、その美麗な顔をいささか歪める。
金砂のごとくさらさらと輝く腰の近くまで届く長い髪も、今は少しばかり色褪せてきているが、高めの背丈に
端正な容姿は、以前と変わりはしない。
「でもぉ、日本の人たちは本当に良くしてくださいますよぉ・・・」
間延びした喋り方で、別の女性が答える。
先の女性と同じくこちらも金髪だが、茶色味が強いその髪は嵐の様に激しく波打っている。
顔立ちからするに、彼女の方が若干歳上の様らしい。
そして、その喋り方に合わせるかの様に、ひょろりと背が高い。170cmはありそうだ。
「だけどさ。あたいや姉御たちは、その日本人たちに散々やられたんだぜ。お前を含めてな」
三人目が荒っぽい口調で話に割込む。
何故か黒いピケ帽(フランス陸軍御用達の頂部が平らな円筒型の帽子)を被っており、二人目ほどでないが、
やはりウェーブが掛かった金髪を覗かせている。
彼女はその帽子をあみだに被り直してもう一人のウェーブ女性を睨んだ。
「そんな事を言っても、あの時は敵と味方に別れていたのだから、仕方ないじゃないのぉ」
相変わらず間延びした話し方で反論する。
最初の彼女は、二人の口論のどちらに加勢する訳でもなく再び呟く様に言う。
「たしかに日本人たちが、今の私たちに行ってくれる処遇は悪くないですよ。
ただ、私が我慢ならないのはですね・・・」
彼女がそう言い掛けた時だった。
「お~い! 若狭いるか?」
光に包まれながら、もう一人の女性が姿を現す。
この彼女は赤毛で、白いリボンにより後頭部で纏めている。いわゆるポニーテールという髪型だ。
赤毛と白いリボンの対比が良く映えており、髪の色と型から快活な印象を受ける。
「その名前で呼ぶのは止めてくれと言っているではないですか。レト」
若狭と呼ばれた彼女は、その青い瞳で赤毛の女性を睨む。
「お前こそ、いいかげん今の名前に慣れろよ。もう10年経つんだぜ。ツェザ」
赤毛の彼女も負けずに言い返す。
「私は最初の"皇太子"という名前が気に入っているのですよ」
彼女は口を尖らせ、自分に言い聞かせるかの様に答える。
三人の金髪女性に加えて、赤毛の女性が居る場所は日本。
正確には大日本帝国海軍戦艦「若狭」の士官用個室の一室であった。
しかし、彼女たち四人は、その髪の色からも解る通り、日本人の風貌とは明らかに異なっている。
そもそもこの彼女たちが、戦艦内の部屋という女人禁制の場所に居る事自体が奇妙なのだが、それ以上
なのは、四人が揃って帝国海軍の軍装をその身に纏っている点である。
実は赤毛の女性が光に包まれて現れた事からも想像がつくだろうが、人間の姿をしていながらも人間とは
異なる存在-艦魂 それが彼女たちの正体であった。
「しかし、気に入っているかいないかは別問題であって、我々は敗れて鹵獲された身なんだ。
郷に入ったら郷に従えで、それに合わせるのが道理なんじゃないか?
実際、日本人たちは私たちの新しい名前に結構気を遣っていると思うぞ。
私の肥前には佐世保があり、お前の若狭には舞鶴という軍港がある。
これは旅順やウラジオストクに匹敵するもんだぜ」
今は肥前となった赤毛の艦魂-レトヴィザンに諭され、若狭-ツェザレーヴィチは、彼女の出現で途切れた
話をもう一度語り出す。
「たしかに日本人たちが、今の私たちに行ってくれている処遇は悪くはないですよ。
ただ、私が我慢ならないのはですね、あの横柄な態度でのさばる卑しき英国艦魂どもなんですよ。
奴らときたら紅茶を啜るばかりで、料理の腕ときたら、からきし駄目なんですからね!」
フランス生まれで元ロシア太平洋艦隊所属の戦艦の艦魂-ツェザレーヴィチは、いささが語調を荒げて言う。
一般的に言ってもイギリスとフランスの仲は元来から良くない。表面上では協力するかに見せ掛けて、
腹の中では相手を貶める策謀を持っているのではと、常々警戒をしている。
日露戦争は日本とロシアの争いであったが、それぞれの海軍が範としたのはイギリスとフランスであり、
こと海軍力に関しては、両国の代理戦争の趣きがあった。
このイギリス憎しの感情は、艦魂のDNA(そんなものがあるのか解らないが)に至るまで刻み付けられて
いるのか、部屋に居る残り二人のフランス生まれの金髪艦魂-元より日本海軍所属で間延びした話し方を
する装甲巡洋艦「吾妻」や、同じく装甲巡洋艦で、ツェザレーヴィチの妹分に当たり、ピケ帽をこよなく愛する
バヤーン(現「雲仙」)にしても、彼女ほどではないにしても、イギリスを快くは思ってなかった。
「お前とは旅順で寝食を共にした戦友だから、気持は解らんでもないが、今更どうしようもないだろ。
それに、私がこの前まで一緒していた装甲巡洋艦の出雲なんかは、話してみると努力家で、なかなか
良い奴だったぞ」
レトヴィザンは、ツェザレーヴィチの言う事に「またか」と、うんざりした気分になりながら答える。
かと言って彼女を中心とするアメリカを故郷とする艦魂たちの状況も、ツェザレーヴィチらフランス勢と
ほぼ同じだった。
即ち、仁川港で自沈し亡くなったと諦めていたところ、その後日本軍によって浮揚・修復された事で、
思いがけず涙の再会を果たした妹分の防護巡洋艦ヴァリャーグ(現「宗谷」)や、吾妻と同じく元から
日本艦隊所属の防護巡洋艦姉妹である笠置と千歳。この四人だけなのだから。
「レトは日本人に受けが良いですからね。
あの『べいすぼー』とかいう木棒とボールを使った奇妙な武術訓練なんかをして御機嫌をとってますしね」
「『ベースボール』だ。あれは武術訓練じゃない。単なる艦魂同士の親睦の為だ。何度も言わせるな!」
レトヴィザンが憤慨して言うのは、もちろん日本で言うところの野球の事である。
元々はアメリカ生まれの彼女が、旅順艦隊所属の駆逐艦艦魂たちとの親睦を図る為に始めたのであるが、
当の駆逐艦艦魂たちは意味するところが解らず、ただ迷惑なだけだった。
その点、日本では野球というスポーツの認知度は高く、日本艦隊編入後は、同じアメリカ生まれの防護巡洋艦
三人に、駆逐艦連中を交えて、このスポーツに興じる彼女の姿が度々見られている。
ちなみに、アメリカからグレート・ホワイト・フリートが来航した際は、義妹であるメイン級姉妹たち(レトヴィザンの
設計を元にして、アメリカではメイン級戦艦三隻を建造した。金剛級に対するタイガーに相当)と再会を果たすと
共に、この野球の試合を行ったらしい。結果はキャリアの差から惨敗したらしいが。
「それに先日まで、日本に忠誠である事の御褒美に、生まれ故郷にも返してもらえましたしね。
私も欧州派遣の際には、あの河内と攝津の姉妹と共に連れて行ってほしかったですよ」
「あれは、自分の国で建造した戦艦で行くなら相手も安心するだろうという配慮からだけだ。
それに遊びで行った訳ではないぞ。あくまでも警戒活動としてだ。何を拗ねて突っ掛かってくるんだ?」
「別に拗ねてなんかいませんよ」
ツェザレーヴィチは平然と言い放つが、拗ねているのは事実である。
その原因は二人の片身である戦艦「ツェザレーヴィチ」と「レトヴィザン」の建造事情にある。
二艦はロシア海軍が、次期国産主力戦艦建造の際のサンプルとして、フランスとアメリカに競争発注した
ものだ。日本でいえば、巡洋戦艦金剛級建造の際、最初の一艦「金剛」をイギリスに発注した事と似ている。
建造に当たっては、仮想敵国と見なしていた日本のイギリス製敷島級戦艦を多分に意識したものとなり、
結果は、以前からの繋がりも考慮してなのだろうが、フランス製の「ツェザレーヴィチ」に軍配が上がった。
そして、それをほぼコピーする形で、バルチック艦隊でも旗艦を務めた「クニャージ・スワロフ」をはじめ、
主力を成すボロジノ級戦艦五隻を国内で建造するに至る。
だから、ツェザレーヴィチにはロシア海軍最高艦という自負があった。
しかし、彼女単艦では優れていても、それを国産化したボロジノ級(彼女からすれば義理の妹たちに当たる
訳だが)は、建造からしてロシア人の手に負えるものではなかった。
数々の問題が噴出する欠陥戦艦になってしまったのだ。
その原因の一端として、タンブルホーム型という当時のフランス製軍艦独自の艦体形状がある。
これは艦舷が内側に向って優美な曲線を描くもので、アイロンの形を想像していただければ解り易い。
浮かぶ巨大なアイロンという訳だ。
この艦型は砲の射界が大きく取れる反面、甲板面積が小さくなり、そこに建造物を配置すればトップヘビーに
陥りやすい欠点があった。
ツェザレーヴィチでは、そのあたりのバランスが保たれていたが、ボロジノ級ではそうはいかなかった。
そして、これは後に鹵獲した日本とて同じだった。
ボロジノ級戦艦五隻の内、末妹の「スラヴァ」を除く「ボロジノ」「インペラトル・アレクサンドル三世」
「オリョール」「クニャージ・スワロフ」の四隻がバルチック艦隊の主力として日本海海戦に臨み、三隻が戦没、
かろうじて「オリョール」だけが生き残り、日本はこれを鹵獲したのであるが、損傷が激しく修復に多額の費用が
かかる事に加え、この特異な艦型が仇となり、結局は戦艦としての機能を保持したままの復活は諦めてしまい、
外形だけの修繕に留め、さっさと戦利記念艦にしてしまった。
これは元となった「ツェザレーヴィチ」も同じで、黄海海戦に敗れ、旅順港に逃げ戻った後、「レトヴィザン」らと
共に頓挫しているところを日本に鹵獲されたのだが、多数を占めるイギリス製軍艦に慣れている日本海軍に
とっては使い辛い存在であり、その点では同じ鹵獲艦でも「レトヴィザン」の方が遥かに使い勝手が良く、
大戦が勃発すると早々に、遺米艦隊と称してイギリス製装甲巡洋艦「出雲」「磐手」と組み、アメリカ本土は
元より、遠く南米まで足を運ぶ活躍を見せたのは、二人の会話にもある通りである。
一方、「ツェザレーヴィチ」の方は出撃する事も少なく、港に係留されての日々を送るという、明暗を分ける
結果となった。
ライバルの「レトヴィザン」に勝ったと思っていたのが、最終的には負けてしまったのである。
これはツェザレーヴィチのプライドを傷付ける事となった。
そして、彼女だけに留まらず、妹分であるバヤーンもこれと同傾向にあり、元から日本艦隊所属である吾妻に
しても、艦型こそ普通であるが、全長が135.9mと戦艦より長く(三笠で131.7m)、収納出来るドッグが浦賀
だけしか無いという、こちらも使い勝手の面で劣っていた。
そういう訳で、出撃命令の少ないフランス生まれの艦魂三人は、ツェザレーヴィチの自室に集い、
時にはワインや清酒を酌み交わしながら、悶々と過ごしているのだった。
ツェザレーヴィチは、レトヴィザンをもう相手にせず、腰に手を掛け、自分の軍刀を鞘から抜くと、
刀身を磨き始めた。金属磨きは以前から彼女の趣味なのだ。
ロシア海軍時代はサーベルだったが、日本海軍に編入された際に没収され、今は日本刀を模した軍刀と
なったが、対象は変われども、これがなかなか楽しい事らしい。他に愛用の拳銃を磨く場合もある。
そしてふと思い出した様にレトヴィザンを見て尋ねた。
「ところで、私の部屋に来るという事は、何か用事があったのではありませんか?」
それを聞いて、レトヴィザンも本来の目的を思い出した様だ。
「ああ、そうだった。いきなりお前と口論となったから忘れていたよ。
実は丹後たちを祖国に帰すという事を耳にしたのだが、何か知っているか?」
赤毛の艦魂の問いに、彼女の青い瞳も光る。
「ポルタワたちの事ですね。ええ、うっすらとですけどね。何でも親善の証として返すのだとか・・・」
ここで日露戦争において鹵獲したロシア艦艇を挙げてみる。
旅順を本拠地としていた太平洋艦隊は、一網打尽にした格好となり、鹵獲した艦艇数はかなり多い。
○戦艦
ツェザレーヴィチ(Tsesarevich)→若狭(史実では青島まで逃走し鹵獲無し)
レトヴィザン(Retvizan)→肥前
ポルタワ(Poltava)→丹後
セヴァストポリ(Sevastopol')→但馬(史実では旅順港外で自沈。鹵獲無し)
ペレスヴェート(Peresvyet)→因幡(史実では相模)
ポベーダ(Pobyeda)→周防
○装甲巡洋艦
バヤーン(Bayan)→雲仙(史実では阿蘇)
○防護巡洋艦
パラーダ(Pallada)→津軽
ヴァリャーグ(Varyag)→宗谷(仁川港内で自沈、後に浮揚)
ノヴィーク(Novik)→鈴谷(樺太まで逃走後、座礁し拿捕。日本では通報艦として使用)
○水雷砲艦
ガイダマーク(Gaydamak)→敷波
フサードニク(Vsadnik)→巻雲
○駆逐艦
シーリヌイ(Sil'nuiy)→文月(芝罘に逃走したのを鹵獲)
レシーテリヌイ(Reshitel'nuiy)→山彦(当初は暁と命名)
一方、日本海海戦を経て鹵獲されたものは、徹底的に壊滅した為か、僅かばかりの数でしかない。
○戦艦
オリョ-ル(Orel)→石見
○海防戦艦
インペラトール・ニコライ一世(Imperator Nikolai Ⅰ)→壱岐
ゲネラル・アドミラル・アプラクシン(General Admiral Apraksin)→沖島
アドミラル・セニャーウィン(Admiral Seniavin)→貝島
○駆逐艦
ベドヴイ(Bedovuiy)→皐月
「ポルタワ、セヴァストポリの姉妹、ペレスヴェート、ポベーダの姉妹、この四人は確実みたいですね。
他に巡洋艦も含まれるのかもしれませんね」
そう言ってツェザレーヴィチは、装甲巡洋艦の艦魂であるバヤーンを見た。
バヤーンはきまり悪そうに、あみだに被っていた帽子を目深に被り直した。
「ああ、私の聞いたところでも似た様な状況だ」
レトヴィザンも頷く。
「良い事ではないですか。生まれた国に帰れるのですよ」
「本当にそう思っているのか? ツェザ」
「レト、それはどういう事ですか?」
ツェザレーヴィチはレトヴィザンを睨む。
レトヴィザンもツェザレーヴィチを睨む。
お互い相手の睨み合いを続けた後、レトヴィザンは溜息を一つ吐き、語り始めた。
「あの戦いから10年経つ。当時ロシア最強・最精鋭だった私やお前も、弩級どころか超弩級戦艦まで現れる
今の時代となっては、すっかり旧式になっちまった。そんな中、彼女たちを、しかも大戦の最中に帰して
何になるというんだ?
ポルタワたちは私たちよりも旧式艦だ。サーシャたちは・・・ポペーダが自嘲していたが、戦艦と巡洋艦の
中間的存在で、主砲も25.4cmしかなく、見劣りしているのは明白だ。
そんな彼女たちが祖国に帰ったって、役立たずな上、不幸な顛末を迎えるのは解りきっているんだ。
それどころか、あの戦い以降、祖国は大国にあるまじき安定さを欠け続けているのは、お前の耳にも入って
いると思う。それでもお前は良い事だと思えるのか?」
レトヴィザンに言われて、ツェザレーヴィチはしばらく無言で刀身を磨く作業を続けていた。
やがて呟く様にぽつりと言った。
「ええ、かっての敵だった者たちと共に辱めを遭う様に過し、最後はその者たちの砲弾で見せしめの様に
沈められるのに較べれば、ずっとましですよ・・・」
結局、「丹後」「但馬」「因幡」「周防」、それに「津軽」。
この四戦艦一巡洋艦をロシアに返還するという発表があったのは、それからしばらく経ってからだった。
艦魂たちと作者のダベりコーナー(3)
「こらっ! 作者!」
「何だよ摂津」
「今度こそ私やお姉ちゃんの出撃だと思ってたら違うじゃないか! しかも私たちが全然出てない!」
「ああ、そうだな。
実は米問屋のひ孫先生の「日本海海戦まで-バルチック艦隊の精霊たち-」を拝読させていただいたのだけど、
『ツェザ 可愛いよ ツェザ』で、ウラーーーーーーーーーー!な状態になったもので、
時系列的にも彼女たち前弩級戦艦が、まだ間に合いそうな事もあって、一話分使って書いてみた次第」
「そんな勝手な事をして、米問屋先生に了解を得ているのですか?」
「いや、まだ。先生も学業が忙しいみたいだし・・・駄目だったら削除するしかないね」
「まったく・・・無駄な事をするのですね」
「無駄じゃないぞ。お前たちが欧州に行っている間、本国ではどんな出来事があったのか描けば、
物語に厚みが出るというもんだ」
「直ぐに自分の行いを正当化する作者様の悪い癖ですよ。
それに厚みが出るといっても、元々ペラペラな物語。数ミクロン程度ではないですか」
「河内、お前って、かなりキツい事をチクチクと言うんだな・・・」
「そうですか? 私は事実を申しているだけですが」
「ねぇねぇ作者!」
「どうした? 摂津」
「ツェザレーヴィチさんて、米問屋先生の原作では、もっと明るくて美人でちょっと能天気で、
まるで私みたいな人だよね? なのに、この話では随分と陰険な人に思えちゃうんだけど・・・」
「お前よりずっと美人で、お前ほど能天気ではないと思うが、たしかにそうなんだよな・・・orz
これは私の文才が至らないところであって、大変申訳なく思っております」
「あら、作者様、素直に認めるのですね」
「認めますよ。そこまで卑屈ではないから」
「それは良い心掛けですね。ところで、史実とはいささか異なっている様ですが?」
「うん、本文中にも書いた通り、ツェザ嬢をはじめ日本に鹵獲された艦は史実より多くなっているし、
艦名も一部変更している」
「ペレスヴェート様やバヤーン様が変更されてますね」
「そう、日露戦争において海軍の活躍舞台は日本海だった為なのか、鹵獲した戦艦名は九州北部から
山陰にかけての日本海に面した旧国名を用いたらしいので、ツェザ嬢とか増えた分はそれに
当てはめてみたのだけど・・・」
「でも、相模は違うと・・・」
「自分の出身地は神奈川県だから嬉しいんだけど、何故これだけそうなの?となって・・・」
「そうですね。横須賀があるからでしょうか?」
「それは考えられるね。それから、横須賀といえば2002年の海自発足50周年式典を見に行ったら、
二代後のヴァリャーグが来ていたのを思い出したよ。ミサイルポッドどっちゃりのね」
「思いがけない繋がりがあるのですね」
「うん、繋がりといえば、お役御免となったレトヴィザンを砲撃処分する為に曳航したのが、
標的艦に改造された後の摂津だと言うし・・・」
「え? 私がレトヴィザンさんを処分する為にそんな事するの? 嫌だよ!絶対に!」
「そんな事言ったって、史実がそうだから仕方ないだろ」
「でも、この作品って架空戦記なんでしょ? だったら変えてよ!」
「うん、まあそうなんだけど、どうしようかな? フフフ・・・」
「標的艦になるのも嫌だからね!」
「だから、私の匙加減一つでだな・・・」
「あの・・・作者様・・・」
「急にどうした? 青い顔して・・・」
「そうだよ。お姉ちゃん、どうしたの?」
「史実通りだったら、私、ばばばばばばばばばばばば、爆ち・・・・・・・・・・・・」
「おっと、それ以上言ったらネタバレになるから止そうな。どうしようかな? 史実通りにしちゃおうか?」
「お願いです。それだけは止めて下さい!」
(フフフ これで河内も少しは大人しくなるだろう・・・でも私は、キャラを脅迫する様な卑屈な作者ではありませんよw)
「さて、話があらぬ方向に行ってしまったので、仕切り直しといこう」
「そうですね。そうしましょう。
では、さっきの続きですが、バヤーン様も阿蘇ではなくなってますね」
「うん、この「時空の波涛」シリーズでは、阿蘇という艦名の別の重要な艦が存在するので遠慮してもらった」
「そうなの? どんな艦なの? 艦魂は?」
「それはここでは教えられないよ。
ただ、ちょっとネタバレすれば、この艦のおかげで旅順要塞攻略は行われてないんだ」
「だいたいは想像出来ますけどね」
「へえ~ お姉ちゃんは解るんだ・・・ 私にはさっぱりだよ。後で私にも教えてね!」
「ふふふ、どうしようかな? 作者様、そろそろ今回もお開きにしては?」
「そうだな。では、読者のみなさん、次回もお楽しみに!」
「バイバ~イ! 次回は私たち、がんばるからね!」