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06 光の正体

「ワフ!」


 みんなの注目を集めたノアの能力だけど、それはノアの体が光るというものだった。太陽の光みたいな白い大きな犬であるノアらしい能力だと思う。


 他にも、光の玉を生み出すことができるみたいだ。


 これで、暗い場所でもノアと一緒なら平気だね。


 まぁ、メルヴィン兄上はちょっとがっかりしていたみたいだけど……。


 あんまりいたずらに使えないからかな?


「素晴らしいな! これもアーサーがぬいぐるみを大切に扱ってきたからだろう。二人とも、アーサーのことを頼むぞ」

「お願いしますね、二人とも」


 そう言って父上と母上は優しい手つきでノアとミアの頭を撫でていた。


「まあ、アーサーの『魂の魔法』がすげえってことだな! ぬいぐるみが動くとは思わなかったし、そのぬいぐるみが魔法を使うなんて思わなかったぜ!」

「たしかに、ブライアン兄上の言う通りですね。ふふっ。これは面白いことになりそうだ」


 ブライアン兄上もメルヴィン兄上も褒めてくれて、僕はとても誇らしい気持ちになった。


 二人ともすごい『魂の魔法』を賜った人だからね。そんな兄上たちに褒められるのはすごく嬉しい。


「今日はアーサーのお祝いだ! 料理長には最高の料理を作るように命じてある! ブライアン、お前も久しぶりに食べていけ!」

「おう! 馳走になるぜ」

「さあ、アーサーも行きましょう」

「はい、母上!」


 僕は母上の手を取って、食堂に移動する。そんな僕たちの後ろをノアが付いてくる。ミアはノアの背中で丸くなっていた。



 ◇



 料理長が作ってくれた最高の料理。それらをものすごい勢いで食べていく父上とブライアン兄上。お酒もガバガバ飲んでいく。


 途中からは、よりどちらの方がお酒を飲めるか勝負までしていた。


 まぁ、結果は父上の勝ちだったけど。


 よくあんなに入るなぁ。素直に感心してしまう。


 そんな酔っ払い二人に苦笑しながら、メルヴィン兄上と母上は上品に食事を楽しんでいた。


 僕もがんばって上品に食べる練習中だ。


 なかなか難しいんだよね、上品に食べるのって。いつもどのカトラリーを使えばいいのか迷ってしまう。


 僕は思うんだ。料理を運んでくれるなら、その時に使うカトラリーも一緒に運んできてくれたら迷わないのに。なんで最初から使うカトラリーを全て並べているんだろう? 意地悪な引っかけクイズみたいだ。


 そんな昼食会も終わり、僕とノア、ミアの三人は、王城のお庭に遊びに出かける。


 いつもはノアは大きすぎて僕には運べない。だから、ミアと来ることが多かったお庭だ。


 でも、今はノアは自分で動くことができる。それどころか、僕を乗せて走り回っているくらいだ。


「すごい! すごい速いよ、ノア!」


 そんなノアの頭の上では、ミアがまるで船の船頭のようにピシッと立っていた。かっこいい!


「まあまあ! 気を付けるのですよ」

「はーい!」


 僕は母上に手を上げることで応えると、ノアに乗って広いお庭を駆け回る。


 ノアは風を切るように走る。そのスピードは、僕が自分で走るよりもずっと速い。ちょっと怖いけど、楽しさの方が勝った。


「ひゃっはー!」


 自分の口から、自分でもよくわからない言葉が飛び出していく。そのくらい最高の気分だった。


「アーサー、おやつの時間よ?」

「はーい!」


 その後、ノアたちと一緒にブランコに乗ったり、追い駆けっこをしていたら、すぐにおやつの時間になっていた。


 母上に呼ばれてお庭にあるテラスハウスに行くと、そこには父上とブライアン兄上、メルヴィン兄上の姿も見えた。


 父上もメルヴィン兄上もいつもはおやつは食べないのに、今日は付き合ってくれるみたいだ。


「あらあら、だいぶ汚れてしまったわね」


 母上が口元に手をやって困った顔をしている。


 母上の視線をたどって下を見ると、ノアの真っ白な足や僕の靴や靴下、ミアの足先などが泥で汚れていた。


 いつもはこんなに豪快に遊んだりしなかったから、はしゃぎすぎて汚れているのにも気が付かなかった。


「これは着替えてきた方がいいかしら?」

「ワフ!」


 そういう母上に「ここは任せろ!」と言わんばかりにノアが吠える。


 すると、ノアの体が光り出した。


 ノアはこうして、自分の体を光らせたり、光の玉を生み出すことができる。


 でも、ノアが光ったところで何か変わるのかな?


 そう思っていたら、僕の靴に付いていた泥がポロポロと落ち始めた。


「え?」


 ノアの明かりに照らされて、泥が乾いて固くなったから落ちたのだろうか?


 でも、落ちた泥を見ると、まだ水分を含んでべちょっとしている。


 なんで?


 僕の疑問をよそに、靴や靴下の泥がポロポロと落ちていき、泥が染み込んだはずの靴下までまるで新品のようにピカピカになっている。


「すごい!」


 隣を見れば、ノアもミアもすっかり奇麗になっていた。


「まあ! すっかり奇麗になりましたね!」

「これなら、アーサーもわざわざ着替えなくてもいいだろう! よくやったぞ、ノア!」

「すげえ便利な力じゃねえか! こいつさえいれば、冒険の間も奇麗でいられるぞ!」

「地味な能力かと思えば、まさかこんな隠し玉があるとは……。これは楽しみが増えたな……!」


 これで、僕もおやつが食べられるね!

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