リーシアの苦戦
「手加減したでしょう!」
シェールの言葉を聞いた当一は、ドラゴンオブソードマウンテンの体を草むらの中に飛び込ませた。
当一は、シェールが言うように、ノエリアに手加減をした。全力で攻撃をしたら、ノエリアの事を殺してしまうと思って、躊躇をしたのだ。
あれでは、まだ足りない。ノエリアが、起き上がれないように、攻撃を続行するべきである。
「戻って! リーシアが危ないわ!」
当一が後ろを振り返ると、ラタの剣から光が伸びているのが見える。
バルムンク、という名前の魔法で、剣の先から光の刃を発生させて、実質的に剣の長さを伸ばすのだ。
ラタがその剣を降ると、長さが十メートルほどある光の刃が、街道脇の草むらをまとめてなぎ払った。
「そこですか!」
ラタは草が薙がれた草むらに飛び込んでいった。
バルムンクで切られた草むらの中に隠れていたリーシアの姿が丸見えになっていたのだ。
ラタがリーシアのところに到着し、剣を振り上げると、リーシアはマジックワンドを上げて受け止めようとした。
「ダメよ! その攻撃はかわさなきゃ!」
シェールが言うが、リーシアはラタの剣撃を受け止めた。
マジックワンドは、軋んで折れかけていた。
「一回受け止める事ができただけでも、大したものです」
そう言いながら、もう一度剣をリーシアに叩きつけるために剣を振り上げるラタ。
「特注品の武器を使うのはあなただけではないのよ」
そう言ったリーシアは、長い爪を持つ手に拾われていった。
ドラゴンオブソードマウンテンは、リーシアを背中に乗せて、ラタから離れて街道の方に戻っていった。




