エスカッションになった時
「そういえば、当一。あなた、エスカッションになれた時の事を覚えてる?」
当一は、そのリーシアからの言葉に頷いた。
「体の動かし方とか、少し違うはずよ。今から練習をしてみたら?」
リーシアが言うのに、当一は、腹ばいになってみた。
「たしかこんな感じで……」
当一は、そう言うと、体の動かし方を思い出してくる。
右腕を前に出して、左足を前に出す。まるで、トカゲのような動き方をしていたのだ。
首を持ち上げ、リーシアの事を見る当一。
「どう? 思い出してきた?」
当一の事を見下ろしながらそう言うリーシア。下からリーシアの事を見上げる当一は、リーシアのスカートの中を覗けそうになっているのに気づいた。
顔を下げて、リーシアのスカートの中を見えないようにする当一。
「そんな事気にしなくていいのに……バカな子ね……」
リーシアがそう言う。どうやら、スカートの中を覗いたのを、リーシアに気づかれてしまったようだ。
恥ずかしくて、顔を下に向ける当一。
リーシアは、当一の背中に座った。
「本当にバカな子……」
そう言い、リーシアはクックック……といった感じで笑った。
「最初から、そのつもりだったな!」
当一が言う。
「そうよ、当一の背中って、座り心地が良さそうなんだもの」
ニヤニヤしながらそう言うリーシア。
振り落とそうとする当一だが、体が重くて動かせなかった。
「重力魔法をかけてあるわ。指一本動かせないと思うわよ」
ジタバタともがく当一だが、まったく体が置き上がる気配はない。
「本当に諦めの悪い子なのね……」
そう言い、リーシアは当一の頭に手を置いた。バタバタともがく当一はそれに気づいていないようであった。
「あなたには、シェールの事を守ってもらったし、私は、あなたの事を守ってあげるわよ」
そう言ったリーシアであるが、当一にはその言葉は届いていないようであった。
そこに部屋のドアが開けられた。
「リーシアちゃん? うちの当一の上に座っているって、これはどういう状況かしら?」
「これは、ちょっとした冗談といいますか……」
そこで言葉を止めたリーシア。
祥子の目を見て、体を固くしたリーシアは当一の上からどいて、ソファーに座った。
「リーシアちゃん……話があるから、こちらにいらっしゃい」
そう言われ、祥子についていったリーシアは、祥子から小言をきかされる事になった。




